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第十四話


キャラテを見ると不機嫌な顔で跪いている魔族を見ている。


「キャラテ知り合いか?」


「知らない。」


「に、人間無勢がキュオー様のその名を呼ぶとは!」

「キュオー様。我等をお忘れか!」「………」


ドガッ!!!


キャラテがまた不可視尻尾で俺を怒鳴った魔族に攻撃した。

俺はため息を吐き今度は回復術を掛ける。


闇上級回復(ダークハイヒール)


キャラテの攻撃に固まっていた魔族が俺に驚愕した顔を向ける。


「キャラテ。この三体は軽々しく殺すな。話を聞いてからにしろ。」


「は~い、パパ。」


魔族達がマジマジと俺を見る。


「そ、そのお姿…ま、まままさか…魔王…様?」

「キュオー様がパパと呼ぶ存在は一人だけ…」

「………」


「ほう…俺を魔王と呼ぶか?

で、この大陸に来ているのはお前達だけか?」


「はっ!我等三名だけです。」


「で、国に、お前達がこっちに来ているのを手助けした者達や知っている者達はどれだけいる?」


「はいっ!現魔王ヴェルテルの側近、キルケ殿以下七名ほどです。」


「で、誰がこの大陸に来て良いと許可を出した?」


この質問をした時にやっと気付いたのか二人の魔族は絶句した。

最初から一言も喋っていない魔族は理解していたのか、

諦めの表情で跪いている。


「お、お待ち下さい!我等はキュオー様の為に…」


ドガッ!!!


またキャラテが潰した。

俺は瞬時に回復させる。


「僕がいつそんな事を頼んだ!!!」


キャラテの咆哮が辺りに響き渡った。

と、その咆哮で聖銀龍のオーラに囚われていた魔族四体が逃走しようと動き始める。

が、逃がす訳はないだろ。

転移して馬ごと焼却する。

馬が可哀相だが魔族の瘴気で魔物化寸前まで成っていたからな。

処分が終わり戻って来ると三体とも潰れてた。

俺はため息を吐き瞬時に回復させる。


「お、おゆるしを…」


「許せる訳ないでしょ!」


ドガッ!!!


俺は額に手をやり頭を振りながら回復させる。

次いで上級自動回復の術も使う。


闇自動上級回復球(ダークオートハイヒールボール)


キャラテは眠気でかなり怒りっぽくなってるな。


「で、さっきの質問の答えは?

俺が定めた掟を破ってまでこの大陸に来て人を殺す理由も答えろ。」


「わ、我等は人を殺めてはいません。この大陸の…」


「言い訳するな!」


ドガッ!!!


こいつは何度潰されたら理解するのか…


「お前達が直接手を下してなくても組んでた奴等がやってたら同罪だ。

何より掟を破り大陸から出てここにいる時点で死すら生温い。」


「わ、我等にも言い分が…」


「どんな言い分があろうが、俺の定めを破り大陸を出たのは許せんな。

特にお前の言葉は薄っぺらい。

俺の魔王としての苛烈さを忘れたのか?

それと態々身体に術を使わず球で空間に術を掛けている理由は?」


俺の言葉が終わる前に、一番喚いていた奴が声を上げて逃げ出した。


「お、お助けを~~~!!!」


しかしキャラテに回り込まれた。

キャラテの軽い裏拳ジャブ。

逃げ出した魔族は顔を吹き飛ばされた!


ゴロゴロと俺の方に転がって来た。

既に顔は回復しているが。


重力聖雷撃球(グラビティホーリーサンダーボール)


今唱えた攻撃術と回復術と融合させる。


「ぎああああぁぁぁあ!!!!!!!!」


「五月蠅いな…」


俺は呟くと静寂の術も重ねて融合する。


静寂(サイレンス)


魔族の声が聞こえなくなった。

ついでに魔族中心に二メートルの球を可視化させる。

球の中では重力と雷撃に潰され焼かれ回復を繰り返す魔族がいる。


「お前の声は聞こえないが外からの声は聞こえるだろ?

その魔力球は五十年ほど持つので、その間反省と後悔して滅べ。」


俺は淡々と言い残り二体の魔族に目を向ける。

一体は汗でビチョビチョになって蹲っている。

一度も言葉を出していない一体も身体が震え唇を噛み締めている。


「さて、一度も喋っていないお前。

ヴェルテルからの書状を出せ。」


ビクッと明らかに狼狽えて俺の顔を見上げる魔族。

隣りの魔族が弾かれた様に顔を上げ横の魔族を睨む。


「き、貴様…ヴェルテルの手の者だった…」


最後まで言わせず俺は魔力球に蹴り込む。

荒れ狂う重力と雷撃に飲まれる魔族。

キャラテを見ると子守歌を聞いている様なウットリとした顔で魔力球を見ている。

ちと引きつつ聞く。


「キャラテ、周囲に魔族の気配は?」


「こいつと球の中の三体だけだよ。」


小首を傾げて答えて来た。


「と、言う事だ。さっさと出せ。

それともお前もこの中に入るか?」


「はっ!魔王様!キュオー様!声を掛ける事をお許し下さい。

これがヴェルテル様から預かっている書状です。」


跪いたまま両手で書状を差し出して来た。

ふむ。魔術封を施しているな。

解除して中身を見る。



 この書状を見る者へ


見る者はキュオー様だと思いますが、

この書状を持っていたレガと云う名の魔族には、何卒寛大な処置をお願いします。


無論、ディーブレイカー大陸を出た事で死罪を受けるのはレガも承知しております。

我が片腕のキルケが何かを企んでいるのを察知した私は、レガに密偵としてキルケ側に潜り込むのを頼みました。

キルケ一味は魔王様復活の為と表向きの理由で他の協力者を騙していますが、

実際はディーブレイカー、リーブレスト両大陸の支配です。

それを阻止する為にレガを送り込んだ私も死罪は覚悟しております。

何卒、キルケ一味の計画を阻止するまで、

レガの処刑をお待ち下さいます様、謹んでお願い致します。



ふーん…キャラテに書状を見せる。

見る見る不機嫌になるキャラテ。

俺はポンポンと頭を撫で落ち着かせる。

ちと考え召喚する事に決める。


召喚(サモン)ヴェルテル」


俺達の前に美麗な青年が現れた。

身長百八十センチオーバーで、頭に立派な角がある青い肌をした魔族。


「この私を召喚するとは何者だ!」










体調不良、台風前の対応準備、台風後の整備で時間がありません(>_<)

次の更新予定は月末か十日前後で水中花との同時予定です。




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