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第十話


全裸の美少女は言った。


「パパ!何で僕に会いに来ないのよ?昨日の昼頃にこっちに来てたんでしょ!?」


「お前のような聖銀龍に娘などおらん!

俺の知ってる聖銀龍はもっと小さいしな。」


俺は布を取り出し少女の体を隠しながら答えた。


「百年も会ってないのに、僕だって少しは成長するよ!」


俺に掴み掛かって文句を言う美少女。


「百年?じゃあもしかしてキャラテか?キュオー・キャラテ?」


「そうだよ!こっちの世界に来たら直ぐに会ってくれるって言ってたじゃない。

昨日はずっと待ってたのに…」


涙目で睨んでくるキャラテに、「ああ…」と思い出した。


「落ち着いて最後まで聞いてくれ。忘れてた。

ああ待て、詳しく説明する。」


忘れてたを聞いた瞬間、

怒気を発し暴れかけたキャラテの頭を撫でながら説明をする。


「お前にとっては百年ぶりだろうが、俺にとっては四百年ぐらいなんだ。

正確に言うなら三百八十七年経ってる。

一応教えていたけど、お前はまだ小さかったし仕方ないか…」


「そうなの?ごめんなさい…」


俺の説明にシュンと小さくなって上目遣いで見てくる美少女。


「しかしおっきくなったなぁ~。気付かなくても無理ないぞ。」


俺はうむうむと褒めて、話逸らす様に誤魔化す。


「そうでしょ?皆立派な龍だ。って褒めてくれるの♪」


それは、聖銀龍を怒らす馬鹿はいないわな。


「うむ。後五百年もたったら立派な成龍だ。だからそれらしい振舞いを覚えないとな。

で、どうするんだ?着いてくるのか?」


「勿論着いて行くよ!いいでしょ?ダメなの?」


キャラテは喉を微かに膨らませている。

あっ、こいつ。

ダメっていったらブレス吐く気だな。

俺は無事でもブレス吐く方向の隣国とこの国の町や村が壊滅する。

やらせてみたくなるが後始末を考えたら止めた方がいいな。


「ダメなんて言わないが、俺の命令には従えよ?

あと龍化と街中での全裸は禁止だ。」


「は~い。」


「し、シンヤ様。聖銀龍とお知り合いなんですか!?」


「ああ、ギルツゲーネフに捕まってたのを助けてからの付き合いだ。」


俺はキャラテに巻いた布を調整して縫いながら答えた。


「ぎ、ギルツゲーネフ!?」


「なんだ?ザトペック殿はまだ知らんのか?

ロセッティ周りに聞かれない様に説明しろ。」


俺達の周りに人が集まりだしているし、

俺は尻尾の所の調整の細かい裁縫に手間取って相手をするのを止めた。



@@@@@@@



「さて行くか。」


俺は何も無かった様にそのまま立ち去ろうとした。

周辺は警備兵や騎士のお陰で既に閑散としている。

ロセッティとザトペックは疲れた顔をしているが、気にしないで行こう。

キャラテが腕に抱き着いて聞いて来た。


「どこに行くの?」


「魔族と思われる奴の痕跡を追う。」


「あっちの方に微かに感じるよ?」


「そちらの方にある宿に行く予定だ。

退屈になってもごねたりするなよ?」


「僕も大人になったんだから我儘言わないよ!」


口を尖らせて文句を言う。


そんなやり取りしていたら魔術師が泊まっていた宿に着いた。

宿に入るとそこそこの人達がテーブルについて朝飯を食っていた。


「店主はいるか?朝の忙しい時に済まないが、ちと相手をしてくれ。」


「何だねあんた等?」


厨房の奥から、ふくよかなおばさんが出てきた。

おばさんだけに聞こえる様に、


「国の調査員だ。例の魔術師が泊まってた部屋を見せてくれ。」


「またかい?あの部屋も早く客を泊めたいのに何時まで放置していないといかないんだい!?」


おばさんはかなりご立腹な様子だ。

キャラテが不快そうに顔を顰めたが、

俺がポンポンと頭を撫でると嬉しそうに抱き着いて来た。


「今日の俺達で最後だ。俺達が帰った後はもう確保する必要はない。」


「そうかい。ならすぐに見ておくれ。こっちだよ。」


おばさんは言うなりスタスタ歩き出して部屋に案内してくれた。

部屋を開け中を見せると立ち去ろうとしたが、

直ぐに終わるから待てと呼び止める。

一通り中を見渡し、魔族の気配を記憶すると俺は言った。


「済まなかったね。これでもう国から人が来る事はない。

これは今回この部屋を確保してくれてた代金だ。」


俺は金貨一枚を握らせた。


「こ、こんなに貰えないよ。」


「良いから受け取ってくれ。

店主の態度で警備兵達が大分失礼な事をしていたと予想する。

その詫びも入ってる。」


「そんな事が分かるんだ。あんた若いのに凄いね。

じゃあこれは有難く貰っとくよ。」


「ああ、朝の忙しい時に済まなかった。皆すぐに出るぞ。」


俺達はさっさと宿を出て魔族の気配を追うとしよう。







体調不良で更新期間を長くします。

他作品より優先しますが最低一週間、長ければ一月になると思って下さい。


聖銀龍はこの世界の守護龍で、他の竜族とは別種の超越種です。

魔王がキャラテを攫っていたのは親の聖銀龍の介入を阻止するため。


因みにキャラテの名は、キャラメルラテから来てます|д゜)

信哉が魔王討伐する話も書いていますが、

まだ公開する予定はないです。

私の話数的に三話ぐらいを予定してますが、

ダイジェスト系で書いてるつもりなのに、

召喚されて姫巫女との絡みだけで一話を超えるかも(>_<)


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