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最終章 未来は希望で溢れていた(??年??月??日)










眩しい光で目を覚ます。

木漏れ日が、頬にあたり、すがすがしい風が入ってくる。

光が、目にあふれ、あまりの眩しさに目を開けている事が出来ない。


ここは、どこだろう?

消毒液のにおいがする。


病院?

どうしてここに?


光に目がなれてきた来た頃、私は目の前の鮮明な景色に驚く。


「そんな・・・目が見える・・・!!」


そこは、病院の一室だった。

私は、そこのベットに横たわっていた。

手足はうまく動かすことが出来ない。

感覚はあるのだが、動かし方を忘れてしまったようだった。


状況が全く把握できない。

もしかしたら、夢を見ているのかもしれない。

そう思った矢先に、部屋に、一人の男の子が入って来た。


「君は・・・!」


私は、驚いて声を上げた。

その男の子は、まぎれもなく私の前に何度も姿を表した

あの”少年”だったからだ。


「あ、あーーーーーーー!!!!!」


少年は、私が起きている事に気付くと、

部屋中に響くほどの大きな声を上げた。


「起きたよ、ママ!!」

「早く来て、早くーーーーーーーーー!!!!」


私が、あっけにとられていると、

続いて、どたどたと、病室に、女性が入って来た。


私は、言葉を失う。

その女性には、見覚えがあった。

私の最愛の女性・・・


”未来アオイ”だった。


アオイは、私の顔を見るなり、私に飛びついた。

優しい、甘いにおいがした。


「ツクル君・・・ツクル君・・・」

「夢じゃないよね・・・ツクル君」


私は、これが、現実でないことを確信した。

こんな事が、あるはずがないのだから。


「ねぇねぇ!! 僕を覚えてる?」

「大変だったんだから!!」

「3回も、過去に行ったんだよ?」

「話しても、聞こえないみたいだったし」


横から、少年が笑顔を見せる。

この子は、いったい・・・誰なんだ?


この子の存在が、私を混乱させた。

夢では・・・ないのか?


いや、しかし・・・


少年の頭を、アオイは優しくなでた。


「そんな事を、いきなり言っても分からないわよ」


私は、アオイに尋ねた。


「アオイ、今・・・何年だ?」


アオイは、涙を拭きながら答えた。


「2026年だよ・・・」

「10年前の、雪の日だった」

「迎えに来た、天童博士の車が事故にあったの」

「あなたは、頭を強く打って、10年間、目を覚まさなかった」



「そんな・・・・」



どういうことだ?

すべて、私の悪夢だったというのか・・



アオイは、満面の笑みでつづけた。


「ねぇ、この子が、誰だか分かる!?」




(まさか・・・まさか・・・・)




「私たちの、子供だよ!!!」




私は、言葉にならない言葉をはいた。

目からは、涙が止まらなくなった。

シーツに、涙がシミを作っていく。



こんなに・・・こんなに・・・幸せな事が・・・




「お願いします。・・・・・夢なら覚めないでください。」

「お願いします・・・・神様・・・・・」

「お願いします・・・・・・・覚めないで」



それは、心からの祈りだった。

ツクルが、人生をかけて求めたものが、そこにあったのだ。

ツクルが、命を懸けて求めたものが、そこにあったのだ。



「夢じゃないよ!!」



そう言って、アオイは、私と少年を抱きしめた。


少年は、泣きながら私にこう言った。


「・・・パパ!! うぇええええええええん!! パパーー!!」


この子は、この小さな体で、何回も何回も私を助けてくれたのだ。

私と、アオイの宝物・・・。


これ以上の”奇跡”が、あるだろうか?



「この子の・・・名前は?」


私は、アオイに尋ねた。


「パパに、ご挨拶しなさい」




「はい!」

「未来フェスです!!」


「趣味は、タイムトラベルです!!!」







未来は






未来は、希望で溢れていた・・・・・





挿絵(By みてみん)








          完




原作      RPGツクールフェス作品「あの日に戻って君を守る」

小説      Shin

イラスト    梅雨



本作品は、ニンテンドー3DSソフト「RPGクールフェス」で作成した作品を、

小説用に再構成したものです。


皆様の心に、何か残せることを願っています。

挿絵を描いて頂いた、梅雨様は、「あの日に~」のファンアートを頂いた事が

きっかけで今回、ご協力いただきました。


お忙しい中、素敵な絵を描いて頂き、この場を借りてお礼申し上げます。


そして、何より、読んで頂いた読者様に感謝いたします。



                         Shin


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