表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

第一話「騎士の復活」

「姫!」


 僕には前世の記憶が少しだけある。


「アダム!」

「姫ええええ!!」


 僕は前世で騎士として姫を護衛していた。

 しかし、僕は姫を守ることが出来ず、そのまま生涯を閉じるのであった。


 まあ、これが前世の記憶だという保証はない。

 ただの夢だとも言えるしなあ。

 だけど、よく出てくるんだよ。この夢。


「よう、健太どうした?」

「うん?」

「最近よくボーッとすることが多いからさ」

「ああ、別に何でもないよ」


 小さい頃からこんな夢を見ることはあった。

 しかし、大きくなるにつれ、見る回数が増えてるような気がする。

 いや、増えているんだ。

 今じゃ、寝れば必ずこの夢しか見なくなってるのだから。


 今の僕は毎日、平凡に過ごしている。

 友達もいてよく遊ぶ。

 だけど何か物足りない。

 何かが。

 

 夜。

 僕は父からの土産である本を読もうと本棚に手を伸ばす。

 その本のタイトルには。


「アダムとイブ」


 と記されていた。 

 何だ? 聖書か?

 まあ暇だし読んでみよう。

 

 僕は本のページを開いた。

 その瞬間。


「アダム」

「え?」


 誰だ? 声が聞こえる。

 この声は聞き覚えがある。

 夢に出てきた姫様の声だ。


「良かったアダム。私の声が聞こえるのですね」


 その声は嬉しそうに私に語りかける。


「貴方は一体?」

「アダム。私のことをお忘れですか? 私はイブですよ」

「イブ? ってことは夢の中の」

「あれは夢ではありません。現実です」


 その言葉に僕は衝撃を受けた。

 確かに前世だと薄々思っていた。

 だけど改めて現実だと言われても信じようという気にはなれない。

 目の前で姫が殺される姿を見せられ続ける夢。

 それが現実……。


「アダム。貴方はこれから戦わねばなりません」

「戦う?」

「貴方が真実の騎士になるためには戦わねばならないのです」

「ちょっと待て、僕は戦う気なんて」

「あの誓いも忘れてしまったのですね」

「誓い?」

「時期も来たことですし、そろそろ思い出す頃です」

「!?」


 僕の記憶には教会での誓いがあった。

 姫様と二人だけで神様に祈ったあと、僕は姫に誓った。


「どんなものからも君を守ってみせる」


 と……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ