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リ・バース!再誕したけど目標ないよ!  作者:
第一章【ハッピーバースデー】
21/21

第21話【エピローグ】

とりあえず1章終了です。

空が夕焼けに染まっている、俺は大分長い時間を戦い抜いていたらしい。魔力も再封印し高揚していた気分も少しずつ落ち着いてくるたびに全身の痛みを自覚してしまう。


かなりの無茶をしたから全身の骨に罅や骨折もあるだろう。筋繊維もズタズタで回復魔法を使っても完治には1月はかかるかもしれない。


「終わったなぁ」


『魔力もすっからかんですねぇ、流石Sランク最強種といったところでしょうか』


これからの事後処理どうしようか。俺の戦闘を見ていたやつもいるだろうし。最後の砲撃は城砦頂上、セフィーしかいない場所でやったからセフィーを説得できればうやむやにできないかなぁ。他者から見たらSランク単独撃破に近いこと俺やってるしなぁ。国に取り込まれたくはない。


『あ、私やることあるんで。マスター逃げるのでしたらさっさと逃げないとこちらに誰か来ますよ』


「ああ、わかってる。てかやることって?」


『秘密です』


はいはい、勝手にしろよ。文句言う気力もないんだからさ。ここにいるなんて誰かに咎められたら面倒すぎる。でも動きたくねぇ。ああ、夕焼けが綺麗だなぁ。


その時誰かに頭を抱えられ、柔らかい何かに寝かせられた感触がした。


「お疲れ様です、シオンさん」


「ああ、お疲れ。セフィー」


既に魔眼の光も全身の蒼い魔力もないセフィーが俺に膝枕をしてくれたようだった。セフィーは落ち着いた様子で俺を見ている。達成感に満ちたような表情だった。


「宣言どおり勝ちましたね。まさかあそこまで強いなんて思いもしませんでした」


「強いって言ってもなぁ。最終的に力ずくで無理矢理勝ったもんだ。勝因は魔力の差ってやつだよ」


実際戦闘技術がもっとあれば楽に勝てただろう。接近戦の技量があれば懐に入ってやり合えた。出力差での辛勝だった。


「ふふ、凄い魔力でしたもんね。私も魔力量には自信があったんですが完敗です」


「それだけは自慢だもんで」


「でもこれで英雄ですね。殆ど単独撃破なんて誰もできなかった偉業です」


「ああ、そうだ。その件なんだけどさ。できれば黙っててくれない?目立つのはゴメン被る」


「いいんですか?ドラゴンの素材や討伐報酬だってでると思いますよ?」


セフィーは驚いたように俺を説得してくるが別に構わない。そりゃあ素材や魔石はかなり惜しい。切り札になりえる魔具だって作れるだろうし金だってあって困るようなものでもない。でもそれ以上にデメリットも多いだろう。かなり迷うが今回はまだ目立つ必要性を感じないから。


「ま、色々あるんだよ。ほら強すぎるのも偏見がでるだろう?だからセフィー頼むよ」


「仕方がないですね友達の頼みです。大分勿体無いと思いますがそれが希望でしたら。わかりました」


「さて、そろそろ逃げるとしよう。ここにいたらクラレンスにばれちゃう」


全身痛むがあと少しの辛抱だ。家までたどり着けば問題ないだろう。膝枕も名残惜しいが俺は立ち上がる。周りはまだ歓声に包まれている。この混乱に乗じてさっさと帰ることにしよう。


「それじゃあセフィーまたな」


「大丈夫ですか?身体ボロボロじゃないですか。よければ家までお送りしますよ?」


「事後処理あるだろう?悪いが任せるわけだし。帰るだけなら問題ないさ」


「そんなことクラレンスに任せれば!!…いえ、だったらまた明日にでも伺いますっ」


「ハハ、動けたらいいんだけど」


「そしたら看病まかせてください!」


ああ頼むよ。なんて言って俺は【疾駆】で城壁から消えた。







なんとか誰にも咎められず城壁から降り身体を引きずるように静かな街を歩いていた。ドラゴン来訪で避難しているのか街はいつもと打って変って静かだ。それも討伐報告がきたら沸くことだろう。


セフィーにはあんな風にかっこつけたがかなり限界きてる。全身が重い。魔力もない、家まで辿り着けるか心配だ。


アーシャはどこいったんだか。こういう時こそ手助けほしいよ全く。


「ああ、…まぁいいか。勝ったし」


「シオンさん!!!」


とぼとぼ歩いてぼやいていると俺を呼ぶ声が聞こえた。逆光で誰かイマイチわからない。こちらに走りよる音を聞きながら相手の顔を見た。


「大丈夫だったの!?ってぼろぼろだよ!?」


「ああ、なんだ…リアか。お前も生きてたんだな」


「うん、あの後助け求めたんだけどそこで限界きちゃって今まで気絶しちゃってた。そうだ!ドラゴンは?ドラゴンどうなったの?」


「騎士団やギルドの奮闘もあり無事討伐したよ」


「ホント!?この街にSランクいなかったはずなのに凄い!」


できればそういう事にしてほしいね全く。興奮しているリアを見ながらそう思う。ってか丁度いいリアにも口止めしておこう。


「あとリアには俺がドラゴンと単独で戦ってたこと秘密にしてほしいんだ。あ、師匠命令ね」


「え?なんで?シオンさんが時間稼がなきゃ今頃街に被害でてたこと間違いないんだよ?」


「押し問答はいい、俺は早く帰りたい。お前とりあえず黙ってろ。わかった?」


「う・・・うん」


こちとら余裕の欠片もないんだ。時間かけて説明なんてできるかよ。リアとの会話を切り上げ俺は家に戻ろうとすると限界だったのか足がもつれて倒れそうになった。


「わ!シオンさん大丈夫!?」


「大丈夫に見えるか?それならお前の目は間違いなく節穴だよ」


「治療院!治療院いかなきゃ!!」


「そこまでしなくてもいいから。俺は家に帰りたい。ねむいんだよ」


ああ…意識が今にも飛びそうだ。リアの甲高い声がうっとうしい。静かにしてくれ本当に。


「そんな!治療しないと駄目だよ」


「くどい」


「そんなぁ、わかった!わかりました!でも送ってくよ。このままじゃ道端で倒れかねないでしょ?」


もうそれで構わない。だから帰らせて。そんな風に思っていると俺はどうやらオンブされたようだった。やれやれ…まさかこんなオチなんて思ってもみなかった。


リアの背中で力を抜きそのまま運ばれていった。





結局身体がボロボロで1月ほど寝込んでいた。貯めてある金もあり生活する分には問題もなくプレハブで食っちゃ寝るの日々。


セフィーやリアも度々お見舞いや看病に来てくれたが着替えさせてあげるとか言われた日には非常に焦る日々だ。


ドラゴン襲来、撃破後のことは一気に国に話が巡ったらしい、1週間ほどである程度動けるようになってた俺は街でドラゴン討伐の英雄探しがおきていたことに戦々恐々しながら買い物していた。


あとドラゴンの素材の内、頭部と片腕そして魔石がなくなっていたらしい。そのことに対しても捜索されているとか。とりあえず俺のことは噂になっていないことに安堵したよ。


実はアーシャがあのあと回収していたそうで。あそこまで頑張ったのに報酬なしとかやってられません。だとか。個人的にはドラゴンのお肉美味しかったです。


魔石も高純度のSランク魔石だけあってかなり高位の魔具になりえるものじゃないかぁと思う。いつか便利な魔具にしてやりたいが特には思いつかなかった。今の装備で十分すぎたためである。


そのかわり竜鱗を使用した新しいコートをアーシャがプレゼントしてくれた。勿論【アルケミー】で作成したため普通に皮のコート風である。


なんでもドラゴンの固有魔法エクストラを宿しているらしく魔力を流せば自分以外の魔力を分解してくれる仕様だとか。流石に吸収までは無理だが別にそこまで求めてません。


でもアーシャありがとうよ。しかもこれ付加魔法エンチャントも掛けてあり常に清潔で体温調整の機能まであるだとか。一年中コートでも寒くもないし暑くもなくなる俺にとっては最高の仕様である。


色んな服を着るのは好きなため戦闘用で使うことを決めた。流石に一年中同じ服はちょっと嫌。


あと研究所から出て6ヶ月経ちまして身長が155センチになりました。






【報告書】


新暦969年夏、城塞都市ヴァレイグにドラゴン来襲する。対魔物前線である城砦都市に20年おきに来襲すると言われる高ランク魔物の中でも最強種の来襲は初のことである。


Fランク冒険者が来襲を確認、その後対象を確認。非常事態宣言が引かれるがドラゴンは何者かとの戦闘状況にあると報告された。


何者かとの戦闘により時間を稼ぐことに成功し、騎士団およびギルドが討伐隊を編成する。ドラゴン確認3時間後に何者かとの戦闘が終了しドラゴンが街に向け戦闘を開始。


ローレイン家の孫娘であるとされた、セフィリア・ローレインの魔法にて迎撃するも対象の討伐は確認できず。


対象飛翔後ブレスチャージを確認。高威力ブレスを確認するも城壁からの赤い閃光が対象のブレスを粉砕、そのまま対象の殲滅を確認した。


状況からセフィリア・ローレインが赤い閃光を放った存在と推測されるが詳細は不明。赤い閃光にはセフィリア・ローレインが初期に放った術式による固有魔法エクストラ突破を確認できなかったため。


極めて強引に力づくでブレスを押し返し対象を討伐した模様。その様子から赤い閃光の主はセフィリア・ローレインとは違うSランク戦闘者のものと推測される。


だが今回の件で観察対象セフィリア・ローレインの固有魔法エクストラの魔眼を確認した。


以上。



ミリアネル王国王宮内で豪奢な服をきた人物が報告者片手に上等なワインをグラスに揺らしながら読んでいた。


自室のため普段は押さえている覇気を垂れ流しにしながら今後のことを考えている。


「陛下の崩御も近い、冬まで持つかわからぬ。近隣諸国も英雄たる存在が確認されている。今後間違いなく戦乱の時代が来る」


群雄割拠の時代が近づいている。間諜の報告ではリンブルク帝国もサンレート教国も動き出しつつある。唯一専守防衛を謳っているのはアルディア王国のみ。


ならばそれまでに―――。


「更なる力を手に入れる。セフィリアよ、その力。その瞳を寄越すといい。私の覇道の力としよう」


だがそれには1つ懸念ができた。城塞都市ヴァレイグに新しく確認されたであろうSランク。ドラゴンすらも単独撃破可能な戦力。


「ほしいな」


その言葉に空気が軋む。圧倒的な覇気が無意識にでる。今まで無名の推定Sランクを考え思う。面白くなってきたと。


第2章鋭意作成中、少し待っていてくださいね!

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