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CASE1

僕はある日目覚めると、そこは薄暗く、何もない部屋だった。何もないというもは語弊かもしれない、詳しくいえば寝ていたベッド、こちらからは開きそうにもない小さなドア、スピーカー、そして監視カメラであった。昨日は一体何があったのか、そう考えようとするとズキズキと頭痛が走る。(確か昨日居酒屋で...)そう、二日酔いをしていたので居酒屋での記憶はあった。再び考える。(うーん、居酒屋からの記憶がない...)

恐らく酔いつぶれたのであろうと自分で結論付ける。

そこまで考えたところでスピーカーからノイズが聞こえてくる。

『あー、あーテステス』

女性の声だ、この確か声は...

「昨日の居酒屋の人...?」

『おっ、聞こえるかい?そーだよー居酒屋のお姉さんだよ、おにーさん』軽いノリで喋りかけてくるなぁ...

「一体ここは...?昨日何があったんです?」

ほぼ記憶がないのでこう聞くしかない。

『あり?覚えてないのか?君は私と契約して人体実験に参加してるのさっ!』

は..?今なんと言ったこの声の主は?

「人体実験...!?一体なんの!?どうして僕が!?」

『なんかヤケ酒してるとこに美味しい話があるって言ったら即答で君が乗ってきたんじゃないか、契約後に酔いつぶれたからここまで運んでやったのだ、ちなみに内容はまだ教えない』

「...何もないがゆっくりしてくれ」

そう言って私、北条薫(ほうじょう かおる)はマイクを切り、監視カメラの映像へと目を移す。

ほっほう...こいつは面白いなぁ...

直感的にそう感じた、こいつを連れてきて正解だったと。

「"例の"薬の副作用か、一日分の記憶が飛んじゃうみたいだね...彼、伊達康平(だて こうへい)君だけが特別なのか、薬が完成したのか...」

どちらにせよ面白いデータは取れるなぁ...最高だよ伊達君!

彼には3日ほどで帰ってもらうつもりだったのだが、薫は気が変わってしまったらしい。

「3日と言わず一週間は最低ここで過ごしてもらうからねぇ....?」


その出会いは突然であった、薫は今回の実験のため、若くて活きがいい人材を探していた。

しかしなかなか見つからず、一杯呑もうと居酒屋に行くとそこにはただひたすらヤケ酒をする若い男性、康平がいた。

直感で薫はこの男が使えるとおもい、声をかけた。

「ねぇお兄さん、そんなにお酒飲んでどうしたの?お話聞いていい?」

「んぁ..?んだ、あんたに話すことなんざねえよ...ほっといてくれ」

よっぽどの事があったようだ、しつこくアタックする。

「まぁまぁここのお代は私が持つしさ、ちょっとだけ!」

お金なら実験やらいろいろでたんまりあるので惜しげも無く出す。さぁ何があったのか教えて君!

「...なんでか知らんが会社にいきなりクビにされたんだよ、理由は会社の機密情報を盗んだ、とか身に覚えがないことだった、きっと誰かにIDカードを盗まれていたんだ、俺は盗んでないのに」

かかった。すかさず返事を述べる。

「ありゃあ...裁判でも起こさないの?君は悪くないんでしょ?」

「裁判を起こす気力も金もねえ、死ねるもんなら死にたいぐらいだ」

こりゃあ完璧に"実験対象"だねぇ...よし、連れて帰ろう!

「ねぇ君、美味しい話があるんだ、私は北条薫、君の名前は?」

「俺?俺は伊達康平だ、美味しい話ってのは...?」

でろでろになりながら食いついてくる、魚みたいでかわいい。

「ちょっと"お仕事"に付き合って欲しいの、報酬はたんまり出すし、安全だからあなたにとってもいい仕事のはずだよ」

「わかった、そのはなしのった、契約書とかだしてくれ」

よしよし、あとはこのビールに睡眠薬をいれて持って帰るだけ!

「ちょっと待っててね、このビールでも飲んでなよ」

「ん..さんきゅ...」

よし飲んだ!あとは契約書出すふりするだけだ!

「んーどこやったかなあー(棒)」

「ん...意識が...遠く...?」

がくん、と机に突っ伏す。

「あれー?酔いつぶれちゃったー?マスター!お勘定!」

そして私は彼を持ち帰り、"薬"を投与し、実験部屋に寝かせるーーーー・・・


そう、彼はなぜヤケ酒してたかを覚えているはずだった。

それなのにあの様子は一日、それ以上の記憶が飛んでしまってるようだった、おまけに一人称まで変わってしまっていた。

今日彼に起きた変化を私は実験ノートに書き込んでゆく...


どうも吉住 海です

今回は個人で小説をあげることにしました。

更新どんどんして行くつもりなのでよろしくお願いします。

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