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翌日の休み時間。
廊下に張り紙が・・・ケバ子とその仲間たちは停学一週間を言い渡された。
やったね。
しかも、私が話したことバレてないし。
ケバ子達、やまちゃん先生捕まえて『喋ったなぁ~!』って叫んでます。
どうやら今日、色々と持ち物検査されたり、昨日のことを詳しく調べられたりしたらしい。
持ち物検査でタバコ出てきちゃったみたいです。
やまちゃん先生が喋ったに決まっていると、決めつけています。
うん。あのクラス全員見てたのにね。決めつけちゃうんだ。
笑えます。
学校からの帰り道、近所のデパートに寄る。
クラスの子がこそこそしているの発見!
思わずジーっと見ちゃいました。
私の視線に気づき目がバッチリあっちゃいましたよ。
「ともこじゃん。今帰り?」
親しげに寄ってきます。
「うん。ちょっと見てから帰ろうと思って。」
その返事のあと間をおいて、私におずおずと聞いてきます。
「・・・ねえ。もしかして、見ちゃった?」
さて、どうしましょうね?
「見たなら、手伝ってよ。」
笑いながら友達でしょと言われても困ります。
友達ではないし、犯罪者にはなりたくありません。
だって、万引きは犯罪です。
「私やったことないから即バレると思うよ。それに防犯カメラあるから無理だと思う。」
カメラを指さしながら言います。
この子、口封じで私を誘っているので断り方にも気を使います。
「んー?なら、防犯カメラの前に立って私を隠してよ。」
慣れていないので見つかることや、うまくできるわけないと色々言って大げさなぐらい嫌がるしぐさをして少し逃げます。
でも、すぐ捕まりました。
はい。想定内です。
「前から狙ってたコーナーがあるんだ。でも、防犯カメラが近くにあって無理だと思ってたの。そこに立っててくれるだけでいいからさぁ!」
良い笑顔で言い切ります。常習犯ですか。
捕まらないってことは、よほどの腕ですね。
「立つだけなら・・・でも、離れて後ろ向いてて良い?見ている勇気がないの。」
少し怯えて、怖そうにしながら言います。
相手はバカに仕切った表情で了承しました。
「ここよ。あそこにカメラがあるからよろしく!」
偉そうです。でも、私は嫌々立ちましたって雰囲気出しときます。
「そこでストップ!」
ホント偉そうですね。制服姿でよくやりますよ。
「私がいいって言うまで動くんじゃないわよ!」
仕方がないので、後ろを向いて立ちましょう。
でもね。ここって通路よね。
で、しばらくしたら、人も通ります。
もちろん私は避けますよ。だって小心者ですもの。
で、元の位置に戻るけど、まったく同じってわけに行きませんよね。
印なんてないので、この辺かなって位置に戻ります。
多少ずれてても、このあたりかなって思うことにします。
そして、落ち着きなく周り、キョロキョロとしますよ。
防犯カメラの前で不審者全開です。
リアルタイムでカメラをチェックする人がいたら、何事かと注目しちゃうこと請け合いです。
「もういいわよ。あんた、なにビビってんの。」
鼻で笑ってますが、後日この子は笑ってられるんでしょうか?
「もういいの?私、用事があるから帰って良い?」
オドオドと訴えます。
「そんなにビビって笑える。あんた役に立たないわ。帰っていいよ。でもね、このこと言ったら・・・わかっているわね。」
もちろん言わないと約束して、私は帰りましたよ。