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モルモットノハコニワ

作者: 水柿 文子

失踪しかけていた状態からの復帰作です。

それまで書いていなかったので成長が見られませんが……

最後まで読んでいただければ光栄です。


あ、あと後書きにネタバレです。

 頭が、痛い。軽い二日酔いのような、頭に響く痛みが襲ってくる。

何故か何度も味わったような、いないような。不思議な痛みに俺は起こされた。

 「う、うぅ……」

 うめくような声を出しながら、俺はゆっくりとベッドから起き上がった。


 今は何時ごろだろうか?もう研究所に書類の整理をしに行かなければならない時間かと思って、

時計を見上げるが、そこに時計は無かった。

 「え……?」

 慌てて周りを見渡してみると、毎日俺が暮らしているアパートの一室ではなく、監禁されている、と、

言ったほうがお似合いの部屋だった。辺り一面の壁は暗い灰色。床も壁と同じ色の冷たいコンクリート。

部屋の中にあるのは、俺が今座っている簡素なベッドと、部屋の隅に机。

そして、一際目立つ高級そうな大きなモニターが、反対の壁にポツンと取り付けられている。

 あまりにも突然なので、俺はボーっとするしか無かった。


 少し落ち着いてきて、頭が働くようになったので、状況を整理しようと思う。

が、ここが一体どこなのか、皆目見当がつかない。でも、俺はここに来た気がする。何故?

自分の記憶をいくら探ってみても、思い出せない。思い出そうとすると頭痛がする。

頭痛のせいで思い出すことに集中できない。それでも、この漠然とした感覚が嫌で、思い出そうとするものの、さらに頭痛が酷くなって思い出せない。


 自分の置かれている状況が全く分からず、だいぶイライラが溜まってきて、壁でも一殴りしようかと思ったその瞬間に、急にモニターの明かりが点いた。


 画面に映ったのは、老人のしわくちゃな顔のアップだった。

 いきなりのアップに、俺が少し戸惑っている間、モニターの老人は瞬きもせずに俺をじっと見つめてくる。

 ただただ何も喋らずに、じっとこちらを見つめてくる老人をみていたら、また頭痛が酷くなった気がする。

おまけに吐き気もしてきた。起きた時よりも、一層体調が酷くなってきている。


 あまりにも痛くて、辛くて、目をつぶって歯を食いしばる。

なんでこんな目に俺があわなくちゃいけないのか。

いきなり監禁室のような所で目が覚めて、頭痛で、吐き気がして、老人に見られ続けて。

 うっすらと涙が出てき始めたころに、ふと老人の声がした。

「……どうやら、今回も失敗のようじゃな。」

「は?」

 何が失敗なのか、何が今回もなのか。意味が分からない。

 自分の中の苦しみと、この老人に対する怒りと、混ざり合った壊れた声で叫ぶ。

「意味が分かんねぇ!どうしてこんなことになってるんだよ!助けろよ!」

「意味が分からない、どうしてこんなことになっているのかという質問には、後で答えよう。

楽になりたいのなら、そこの机の上にある薬を飲むといい。」

 俺の叫びとは裏腹に、淡々とした老人の声にまた怒りを感じながらも、薬を飲むと楽になるという言葉に俺は飛びついた。

とにかく楽になりたい。この頭痛から、吐き気から、この現状が少しでも改善されるなら何でもいい。


 俺は布団から飛び降りると、机に駆け寄って、そこにむき出しになって置いてある、いくつかの薬を飲んだ。

そのまま布団に戻って、掛け布団を頭まで被り、目をつぶった。

 とにかく頭が痛かった。頭の中で虫が暴れているような、そんな痛み。

それに比例するかのような吐き気。

 早く治まってくれ、早く治まってくれ!と、心の中で叫び続けていると、また老人が喋り始めた。

「先ほどの質問にお答えしよう。どうしてこんなことになっているのか意味が分からない。という質問だったな。答えは簡単だ。君は……被験者なのだよ。新しい薬の、な。」

「うるさい!黙れ!黙っててくれ!お前の声は聞きたくない!」

「そうか。ならば最後に一つだけ教えておこう。その薬はまだ開発途中なのだ。副作用があまりにも

酷く、使い物にならないのだが、まぁそこを何とかするのが私たち研究員でね。」

「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」

「本来の用途は数時間前からの記憶を消すものなのだが、使うたびに頭痛や吐き気、

極度の眠気に見舞われてしまう。しかも麻薬の用に中毒性があり、全く実用性がないのだ。

まだまだ研究不足と言ったところじゃの。」

 ガクン、と体に力が入らなくなった。そして襲い掛かる異常に強い眠気。

なんだ、これ…意識が……遠のいていく………


 頭が、痛い。軽い二日酔いのような、頭に響く痛みが襲ってくる。

何故か何度も味わったような、いないような。不思議な痛みに俺は起こされた。

 「う、うぅ……」

 うめき声のような声を出しながら、俺はゆっくりとベッドから……

ここまで読んでくださってありがとうございます!

アイディア元は脱出ゲームをしてて思いつきました。

もし脱出した先が同じ場所だったらどうなるのかなー、と。

物が何も置いてないのは脱出ゲームを少し意識しています。

もちろん、監禁室のイメージも強いですが。


感想・駄目だし・アドバイス何でも下さい。キッツイ言葉でもありがたいものですから。

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― 新着の感想 ―
[一言] 書き込んだら良いと思う。 心理描写や情景描写が薄くて疑問符が浮かぶ。 ただの狭い部屋でそこから動かないのであれば、細かいところまで書いてみて、それに対する男の反応や心境を書くと話に厚みが出そ…
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