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第3章:尊厳の境界線

シーン1:忘れられた紙の森

ニュー東京の旧市街、そのさらに地下深く。

かつて「国立公文書館」と呼ばれていたその場所は、今では電子化の波に飲まれ、忘れ去られた巨大な墓標となっていた。

空調の切れた広大な書庫には、カビと埃、そして劣化していく紙の匂いが充満している。

何万という「記録」が眠る本棚の迷路。その最奥にある閲覧スペースで、藤井哲也は一本の古い万年筆を走らせていた。

手元にあるのは、電子パッドではなく、黄ばんだキャンパスノートだ。

「……ふむ。インクの出が悪いな。この時代の品も、そろそろ寿命か」

藤井は独りごちて、インク瓶にペン先を浸した。

静寂。

地上で繰り広げられているサイバーテロの騒ぎや、ネオンの喧騒はここには届かない。ここにあるのは、デジタル化される価値もないと判断された、過去の遺物たちだけだ。

だが、藤井はこの場所を愛していた。

電子データは「保存」には向いているが、「記憶」には向かない。

紙のシミ、折り目、インクの掠れ。そこには、それを書いた人間の息遣い――生身のノイズ――が刻まれているからだ。

「……そろそろ時間か」

藤井は懐中時計の蓋を閉じた。カチリ、という音が、書庫の闇に吸い込まれていく。

彼は誰かを待っていた。

否、正確には「招いた」のだ。昨夜の戦闘の際、資源管理局の回線に流し込んだ告発プログラムの隅に、極めてアナログな暗号(モールス信号)で、座標と時間を刻んでおいたのだから。

「来るかね、彼女は」

「来るさ。合理性を突き詰めれば、そこに『解』を求めるのが知性というものだ」

彼は自分自身に問いかけ、答えた。

そして、その予感に応えるように、書庫の空気が微かに揺らいだ。

物理的な風ではない。圧倒的な「存在圧」を持った何者かが、空間に踏み入った気配だ。

「……紙の匂い。嫌いじゃないわ」

書庫の入り口、暗闇の中から凛とした声が響いた。

そこに結城香織が立っていた。戦闘服ではなく、トレンチコートに身を包んでいる。武器は携行していないように見えるが、全身が兵器である彼女に、そんな外見は無意味だ。

「ようこそ、隊長。お茶でも出したいところだが、生憎と自動販売機も壊れていてね」

藤井は椅子に座ったまま、動じずに微笑んだ。

「結構よ。……単刀直入に聞くわ。なぜ私をここに呼んだ?」

香織は本棚に背を預け、冷徹な視線を藤井に向けた。

「私を誘き出して始末するつもりなら、孫たちを連れてくるべきだったわね。生身の老人一人で、私に勝てるとでも?」

「勝ち負けの話ではないよ。私は君と『調停ネゴシエーション』がしたいのだ」

藤井はノートを閉じた。

「あるいは、弁理士として、君という最高の知性とそれが操る究極のAIに興味があると言ってもいい」


シーン2:所有権と使用権のパラドックス

「興味、ね」

香織は鼻で笑った。「犯罪者にしては余裕ね。安楽死リストのデータを人質に取ったくらいで、自分が対等な交渉テーブルにつけると思っているの?」

「対等さ。……いや、倫理的な高み(ハイ・グラウンド)において、私は君たちを見下ろしているつもりだが?」

藤井のその言葉に、香織の眉が僅かに動いた。殺気ではない。純粋な知的探究心による反応だ。

藤井は言葉を続ける。

「隊長。君は昨夜、私が田所源蔵を奪還した際、こう言ったな。『システム全体の代謝』だと。

……資源が不足し、社会保障費が国家予算を圧迫する今、生産性のない老人を排除し、そのリソースを次世代に回す。それは論理的には正しい。生物学的にも、種の保存という観点では正解かもしれん」

「ええ。個体の死は、全体を生かすためのコストよ。感情論でシステムを停滞させれば、いずれ共倒れになる」

香織の返答は淀みがない。それは彼女が数々の修羅場をくぐり抜け、多くの死を見てきたからこそ辿り着いた、冷厳な真理だった。

「だが、その論理には致命的な欠陥がある」

藤井は万年筆を指先で回した。

「君たちは、人間の『生命』を、国家から貸与された『ライセンス品』だと勘違いしている」

「ライセンス?」

「そうだ。役に立つうちは使用を許可するが、古くなったり壊れたりしたら、ライセンス契約を打ち切って回収する。……まるでサブスクリプションだ。

だがな、隊長。人間の肉体、そしてそこに宿る尊厳は、神か、あるいは自然から与えられた、その個体だけの『絶対的所有物』だ。国家ごときが、勝手に使用期限を決めていい代物ではない!」

藤井の声が、書庫に響き渡る。

香織は静かに反論する。

「所有権への執着……それこそが進化を阻害する足かせよ。

私は、AIと共に存在し、その知識も、演算速度も、論理的思考も、そして、倫理感さえもが、自己の脳によって生み出されたものか、あるいはAIに集積された過去のデータの延長線上に保存されたものであるかを区別することは不可能だ。私にとって肉体とは、AIと私の脳との複合体に対してデータを格納しするための端末に過ぎない。

……AIと同様に、機能しなくなった端末である肉体を廃棄し、新しい端末であるハードウェアに乗り換えてなぜ悪い?」

二人の視線が交差する。

「肉体への執着」を説く生身の老人と、「肉体からの解放」を体現するサイボーグ。

水と油のように混じり合わない二つの哲学が、火花を散らす。

「端末、か……」

藤井は哀れむように目を細めた。

「君は強いな、隊長。肉体を『器』と割り切れる強さがある。

だが、田所源蔵のような市井の人々は違う。彼らにとって、あの老いて動かない手足、痛む腰、皺だらけの顔……その全てが『自分自身』なのだ。

その痛みを伴う肉体があるからこそ、孫の手の温もりが分かる。飯が美味いと感じる。

……効率のために肉体を捨て、痛みを忘れた世界に、果たして『人間』としての幸福はあるのかね?」

「幸福の定義は主観によるわ」

香織は一歩踏み出した。コツ、というヒールの音が鋭く響く。

「だが、現実を見なさい。田所源蔵は認知症で、自分の名前さえ忘れている。彼の中に『個』としての意識が残っている保証はどこにある?

尊厳が消失した肉体を生かし続けるのは、単なる有機部品の浪費よ」

「尊厳が消えた、だと? ……誰が決めた?」

藤井は立ち上がった。杖を突き、香織を正面から睨み据える。

「昨夜、彼は私に『さくら』と言った。孫娘の名前だ。

データ上は消失していても、記憶の断片は、肉体の細胞ひとつひとつに、あるいは脳の深淵に残っている。

それを『ノイズ』として切り捨てるか、『魂の叫び』として拾い上げるか。……そこに、人間と機械の境界線がある!」

藤井の気迫に、香織は僅かにたじろいだ。

物理的な圧力ではない。

かつて彼女自身が抱えていた、アイデンティティへの問い。

『私は私なのか? 私の尊厳は本物なのか?単なる過去の知識、学習した知識に基づく、演算結果に過ぎないのか?』

その古傷を、藤井の言葉が鋭く抉ったからだ。

「……面白い」

香織は口元を歪めた。

「あんたの言うことは非効率で、前時代的で、感傷的なヒューマニズムだ。

……でも、嫌いじゃないわ。その『ノイズ』への執着が」

「ふっ、褒め言葉として受け取っておこう」

藤井は再び椅子に腰を下ろした。

「さて、隊長。哲学論議はここまでだ。

私がここに来た本当の理由……そして、君を招いた理由を話そう」

藤井はノートのページを捲った。そこには、手書きの図面と、ある企業のロゴマークが描かれていた。

「君たちが追っている『安楽死リスト』。その裏にある、本当の『悪』についてだ」


シーン3:共有される真実

香織の目が、ノートの図面に釘付けになった。

「……これは?」

「『マイクロ・マシニング・ブレイン』。……聞いたことはないかね?」

藤井が低い声で問う。

「脳をナノマシンで再構築し、生体演算ユニットとして利用する技術……。国際条約で禁止されているはずよ」

「表向きはな。だが、今回の『安楽死プロジェクト』の真の目的は、ここにある」

藤井は万年筆で、図面を叩いた。

「廃棄対象となった老人たちの脳を取り出し、記憶(尊厳)を消去した後、このナノマシンを注入して『生体CPU』に作り変える。

……そしてそれを、海外の軍事企業へ高値で売りさばく。資源不足の解消どころの話ではない。これは国家ぐるみの『人身売買』だ」

香織の表情から、感情が消えた。

それは怒りを超えた、絶対零度の殺意だった。

「……証拠は?」

「ここにある」

藤井は胸ポケットから、小さなメモリチップを取り出し、テーブルの上を滑らせた。

「結衣とエレナちゃん……だったかな? あの二人の天才が、昨夜の喧嘩の合間に解読してくれたデータだ。

安楽死させられた老人たちの『その後』の追跡記録。……遺体は焼却されず、脳だけが摘出されて輸出されている」

香織はチップを手に取り、AIアテナに読み込ませた。

数秒の沈黙。

彼女のアテナの中で、膨大なデータが展開され、事実確認が行われる。

「……クロね」

香織が目を開けた時、その瞳は燃えていた。

「厚生省の官僚、それに大手製薬会社『メディテック・ライン』。……腐りきってるわ」

「法で裁くには、相手が大きすぎる。私が持っているのは『告発』という脅しのカードだけだ」

藤井は寂しげに笑った。

「だが、君たちなら違う。

法を超えて悪を裁く力を持っている。……違うかね、資源管理局は?」

香織はチップを抜き取り、懐にしまった。

「……取引成立よ、弁理士殿」

「おや、逮捕しないのかね?」

「予定変更よ。

私とAIのアテナが、あんたの言う『ノイズ』を守れと囁いている。

……それに、そんな胸糞悪い連中をのさばらせておくのは、私の美学に反する」

香織は背を向け、コートの裾を翻した。

「藤井哲也。あんたの身柄は一時預かりとする。……ただし、拘置所ではなく、我々の作戦指揮下においてね」

「ふぉっふぉっ、それは光栄だ。老骨に鞭打って働くとしよう」


シーン4:紙吹雪と鉛の雨

取引は成立した。

藤井と香織、二人の視線が合意の形を結んだ、その刹那だった。

香織のアテナが、書庫の入り口付近の空間に、極めて微弱な「熱源の揺らぎ」を捉えた。

書架の陰、本来なら誰もいないはずの闇。そこに、何者かが、確実に存在する。

「――伏せてッ!」

香織の叫びと同時に、彼女は藤井哲也の襟首を掴み、床へと押し倒した。

直後、二人が立っていた場所を、数百発の金属弾が薙ぎ払った。

ダダダダダダッ!!

耳をつんざく発射音。分厚い法律書や歴史の記録が、弾丸の嵐によって粉砕され、白い紙片となって宙に舞う。それはまるで、知識の墓場に降る雪のようだった。

「ちっ、サブマシンガンか。それも軍用の最新型ね」

香織は藤井を庇うようにして、書架の陰に滑り込んだ。彼女は懐からStrix P-9を取り出し、見えない敵に向かって牽制射撃を行う。

「状況報告。敵影3、いや4。武装はサブマシンガンと、おそらく対サイボーグ用徹甲弾。……弁理士殿、あんたの首には随分と高い賞金が掛かっているみたいね」

藤井は床に這いつくばりながら、埃まみれの眼鏡を直した。

「ふぉっふぉっ、光栄なことだ。だが、私の命より、さっきのチップ(証拠データ)が目的だろうな」

老人の声に震えはない。長年、法廷という戦場で修羅場をくぐってきた肝の座り方は、弾丸の下でも健在だった。

「動かないで。私が道を開ける」

香織はアテナを起動して敵の位置を確認すると、姿を消した。

次の瞬間、書架の上を疾走する香織が、敵の側面を突く。

ドンッ!

香織のハイキックが、空中に浮かぶ「敵」を捉えた。浮遊ユニットが破損し、重装備のサイボーグ兵士が火花を散らして落下する。

「ターゲット確認。排除する」

敵兵士は感情のない声で言い、腕に仕込まれたブレードを展開して香織に切り掛かる。

ガギンッ!

火花が散る。香織はナイフ一本でそれを受け流すが、すぐに他の三方向から援護射撃が集中する。

「くっ……!」

香織はバックステップで回避するが、頬を掠めた弾丸が強化服を裂き、血が滲む。

「厄介ね。連携リンクが完璧だわ。個人の判断ではなく、完全に統率されたハイブAIで動いている」

敵は「メディテック・ライン」社の私設部隊。感情を持たず、恐怖も感じず、ただ効率的にターゲットを処理するためだけに調整された殺戮マシーンたちだ。

彼らは香織を釘付けにしつつ、別動隊の一人が、無防備な藤井へと銃口を向けた。

「対象A、処理プロセス移行」

「しまっ――!」

香織が叫ぶ。距離がある。間に合わない。

絶体絶命の瞬間、藤井哲也は逃げるどころか、杖を突き、敵兵士に向かって一歩踏み出した。

「馬鹿者! 許可なく私の敷地テリトリーに入るな!」


シーン5:老兵の切り札、特許JP-X99

銃口を向けられた藤井は、懐から例の「万年筆」を取り出し、敵兵士の顔面に投げつけた。

「――今だ!」

それは武器ですらない、ただの文房具だ。

だが、高度なAIで制御された敵兵士は、飛来する物体を「投擲兵器グレネード」と誤認し、迎撃システムを作動させた。

空中で万年筆が撃ち落とされ、インクが爆発的に飛散する。

黒いインクが、敵の光学センサーにへばりついた。

『視覚センサー汚染。洗浄プロセス……』

敵の動きがコンマ数秒、停止する。

その隙を見逃す藤井ではない。

彼は愛用の杖――樫の木で作られた古風なステッキ――のグリップにある、隠しスイッチを押し込んだ。

「食らえ! 実用新案登録第HHY309号、携帯型・局所電磁パルス発生装置(EMPスタンナー)!」

バチチチチッ!!

杖の先端から、青白い高圧電流と強力な磁気嵐が放出された。

半径3メートル以内の電子機器を無差別に焼き切る、諸刃の剣。

「ガ、ガガガ……ッ!?」

至近距離で直撃を受けた敵兵士は、全身のハードウェアが痙攣し、制御チップがショートして白煙を吹きながら崩れ落ちた。

同時に、藤井の腕時計や補聴器も火花を散らして壊れたが、生身の肉体を持つ彼自身には、電気ショック以外のアドバンテージがあった。

「ぐっ……! さすがに手が痺れるわい」

藤井は痺れる手をさすりながら、ニヤリと笑った。

「どうだ。最新鋭のサイボーグも、雷様には勝てまい!」

その隙を、香織が見逃すはずがない。

敵の連携が乱れた一瞬。彼女は書架を蹴って跳躍し、天井の照明を撃ち抜いた。

暗闇。

だが、熱源センサーを持つ彼女には昼間と同じだ。

「ナイスアシストよ、弁理士殿!」

闇の中で、銀色の閃光が三度、走った。

ドサッ、ドサッ、ドサッ。

残る三体の敵兵士が、正確に急所コントロールボックスを破壊され、糸の切れた人形のように沈黙する。

静寂が戻った書庫。

舞い散る紙片の中に、二人は立っていた。

硝煙と、焦げた回路の臭い。そしてインクの匂い。

「……やるじゃない」

香織はStrix P-9を収め、藤井の方を振り返った。

「生身の老人にしては、無茶をする」

「ふぅ……心臓に悪い。孫には内緒にしてくれ」

藤井は黒焦げになった杖を愛おしそうに撫でた。

「しかし、役に立っただろう? 私の『ガラクタ』も」

香織はふっと笑い、藤井に手を差し出した。

「ええ。……認めましょう。あんたは守られるだけの弱者じゃない。背中を預けるに足る『戦友』よ」

藤井はその手を、皺だらけの手でしっかりと握り返した。

温かみのない、香織の冷たい手。だが、そこには確かに信頼という名の熱が通っていた。


シーン6:合流、そして反撃の狼煙

「おーい! おじいちゃん! 無事か!?」

書庫の入り口が爆破され、瓦礫の中から拓海の『ヘラクレス』が飛び込んできた。その後ろには、アサルトライフルを構えたエリックと、美咲、結衣の姿もある。

彼らは資源管理局のヘリで急行し、突入してきたのだ。

「遅いぞ、お前たち。ハイライトはもう終わってしまった」

藤井は瓦礫の上に座り込み、やれやれと肩をすくめた。

「げっ、全滅してる……」

エリックが転がっている敵兵士の残骸を見て、口笛を吹いた。

「香織がやったのか? いや、この焦げ跡は……EMPか? 爺さん、あんた何者だよ」

「ただの弁理士さ。……少々、気が短いだけのな」

駆け寄ってきた孫たちが、藤井に抱きつく。

「心配させるなよ、クソジジイ!」と悪態をつく拓海。

「怪我はない? スキャンするわ」とバイタルをチェックする結衣。

美咲は無言で、藤井の肩の埃を払った。

その光景を、香織は少し離れた場所から見ていた。

そこへ、資源管理局の貝塚局長からの通信が入る。

『隊長。状況は?』

「敵部隊を排除。藤井哲也の身柄を確保しました。……いえ、訂正します」

香織は藤井たちの輪を見つめ、静かに言った。

「『協力者』と合流しました。これより、ターゲット『メディテック・ライン』および厚生省の汚職チームに対し、共同作戦を展開します」

『……よろしい。毒を以て毒を制す、か。存分にやれ』

香織は通信を切ると、エリックに向かって指示を出した。

「エリック、カラーメイツの機材を資源管理局のセーフハウスへ搬送して。

立花、サイトーは敵の増援を警戒。

……そしてエレナ、藤井さんから受け取ったデータを解析。裏付けが取れ次第、我々は『彼ら』のやり方で反撃に出る」

「彼らのやり方?」エリックが怪訝な顔をする。

「ええ」

香織は不敵に笑った。

物理攻撃ハッキングと、法的攻撃ロジックの同時多発テロよ。

……安楽死させられそうになっているこの国の正義を、私たちが奪還する」

藤井が孫たちの輪から顔を出し、香織に向かってウィンクした。

「報酬は弾んでくれよ、隊長。特許使用料は高いぞ」

「考えとくわ」

雨上がりの空に、朝日が差し込み始めていた。

地下の暗い書庫から這い出した彼らの背中を、微かな光が照らす。

肉体を持つ者と、持たざる者。若者と老人。法と暴力。

本来交わるはずのなかった異質な要素が、今、一つのチームとして融合した。

巨大な悪にとっての「終わりの始まり」を告げる、静かな朝だった。


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