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クラス最弱の俺、実は創造神の観測対象でした。

作者:小野麻薬子
創造神の指先が触れた大地——エリュディア神聖帝国。
この国に生まれた者はすべて、胎に宿る時から一柱の神の“意志”、すなわち「神意」を受け継ぐ。
神意は人を選び、選ばれた者はその神の加護と異能を得て生きる。
だが、選ばれなかった者は“神に見放された者”として、
この信仰国家では生きる価値すら認められない。

第七ノクテリア区に暮らす少年・アルト=クローディアは、その見放された者のひとりだった。
母と二人、貧民街で慎ましく暮らす彼には、十六年間、神意の兆しが一度も現れなかった。
そして迎えた聖域学園の入学試験——神意を測定し、その力と神格を証明する儀式の場。
周囲の生徒たちが光を放ち、自らの神名を与えられていく中、
アルトの測定器だけが沈黙した。

結果は「探知不能」。
記録上は最下位の“Eランク”として処理され、
彼は学園の初日から嘲笑と蔑視の的となる。

だが、その“探知不能”こそが、世界の理を揺るがす異常だった。
測定器は、彼に宿る神意の名を読み取ることを拒んでいた。
それは、神々さえ触れることを恐れる、禁忌の存在——“反転”の力。

やがてアルトは、学園での数々の邂逅を通じて、
神を盲信する貴族たちの欺瞞、そして創造神そのものの退屈な遊戯を知る。
“選ばれなかった”はずの少年が、世界の選択を覆す存在となるとき、
神々と人間の秩序は反転し、光と闇の境界が崩れ始める。

祈る者と、疑う者。
祝福を求める者と、拒絶する者。
その狭間で、アルトはひとつの問いを抱く。
——「もし神がいるのなら、なぜ俺たちは苦しむのか。」

信仰と絶望の帝国で、禁忌を宿した少年が神々に挑む。
神話が終わり、人が神を裁く物語が、いま始まる。
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