1. お手始めに婚約破棄から
「...本当に涙ひとつ流さないんだな。」
シャンデリアが綺麗に輝く会場で、私は思ったことがある。
やはり、運命など当てにならない、と。冷たい目で見られても、何も思えない。
いや思いたくないのだ。ふと、疑問に思ったのは、普通、こういうとき婚約者の隣に、ごm......ヒロインがいるのではということ。
...つまりまとめると、今彼の隣には誰もいない。
(まあ、どうでもいいけど。)
野次馬が多い。なんでこんな会場で破棄するのか、家でゆっくり手続きをすればいいじゃない。
何をそんな必要があるのかしら。
まあ、これはご存知の通り、婚約破棄パーティーというものだ。つい先程婚約を解消...破棄された。
一応、説明しておこう。彼、...アレックス・ラチェリー次期侯爵。私の元婚約者だ。あまり聞かない、美しいバターブロンドの髪をしていて、瞳は透き通っているくせして深い青の瞳だ。
一言でいうなら、金髪碧眼だが。
地味な私とは大違いにもほどがある。
私の容姿?暗いですが何か。だいたい、彼は侯爵家の遺伝で......え、私はって?本当の親も知らないのに、私が知るわけなでしょ。
でも、自分の髪色は好きだ。ここの世界の住民じゃない私にとっては親近感のある髪色。
結構賢く見えると思うし、それなりに気に入ってる。
視線を上げると、毎回思うことがある。
__いつ見ても本当、腹が立つくらいにきれいな髪だ。
まあ、約束を守らないやつは信頼度低めだけどね。
前の待ち合わせなんて、空が橙色になっても来なかったし。
というか明日が丁度、彼とのお茶会の予定だと聞いたけど。
せっかく予定を合わせたのに。
実際に会う機会は中々都合が合わず、数回程度しかなかったけど、それなりに関係は良好だったと思う。
まあ、すべては過ぎ去った過去のこと。
これ以上沈黙を貫くと、さらに観客たちが増えるだろう。早く退散しなくては。
「そうですか。では、ごきげんよう。」
......帰りたい。
軽く頭を下げ、悪役は退場ですね、と半分ヤケになって思いきり方向転換をする。
...うん、やっぱりドレスって重いし、着にくい。
こんなフリフリ私に似合うわけ無いでしょ、まじふざけんなよあのたぬき親父。私のこと何歳だと思ってる?
とまあ、口が悪い私は平民でもなければ貴族でもない。
一応、レディーラリアとか呼ばれてるけど。
そんなことは一旦置いといて。
自分から言うのもあれなんだけど、私がこんなに冷静なのはかなり珍しい。
...本当はヤケか自分でも分からないけど。
家に帰るのやだなぁ...。
今日は歩いて帰ろうか.......。
あれ、ていうかこのパーティー、誰が主催?
と、他のことを考える。
まあ、いいか。私にはもう関係ないし。
__なぜなら、私は失恋などしていないのだから。
まだプロットが途中なので、修正が多々あると思いますが、これからどうぞ、ラリアをよろしくお願いします!




