異世界の科学が1000年遅れてる件について
今回はちょっと短めになります。
図書館で3000字越えとか無理だよね。ネタ尽きるよね(言い訳)
-ミーミル王立図書館-
「ここかぁ、王立図書館」
ハーラル王国の北エリアに聳え立つ、大貴族の屋敷のような荘厳さを兼ね備えた建物の前で、年甲斐もなくワクワクしている自分がいる。名前もミーミルと、偶然か知らないが北欧神話の賢者の神と同名だ。もしかしたらこの世界の神様は地球をモデルにこの異世界を創造したかもしれないとも思えてしまう。
異世界の大地を踏んでまだ数時間だが、ようやくこの世界の常識や未知の知識にありつける。そしてそれらに潜む脆弱性もくまなくチェックしておかなければならない。この世界の知識の脆弱性は、まんま相手の弱点となるからだ。
石造りの階段を登り、凝った装飾を施されたガラス戸を押して入る。中は想像よりも遥かに豪華絢爛だった。見事な装飾に広大なホール、そこから下を見れば円形の閲覧室が広がっている。一度だけ行ったことがあるが、アメリカ議会図書館をより豪華にした感じと言えば伝わるだろう。天井や壁にはハーラル王国の歴史画や宗教画が等間隔で描かれている。本を読まなくても、美術館としても充分楽しめそうだ。
30分後・・・
法律と歴史・宗教を中心とした蔵書をなるべく簡単そうなやつだけかき集めた。今後の異世界生活で活きてくるものばかりなんだ。しっかり吟味しなければならない。それとこの重厚で古めかしい紙質に少しテンションが上がる俺がいる。
おっと煩悩煩悩。気を取り直して、まずは歴史から読み進める。
ハーラル王国は1300年ほど前に多種族で建国された。当時の各種族の代表の議会により国王が選出され、その国王がたまたま人間だったから今でも王族は人族となっている。かといって多種族の地位が低いということはなく、司法や商業など各分野ごとにそれぞれの種族が大体のトップとなっている。なるほど、最初っから他種族国家ならそりゃ種族間の争いも少ないわけだ。
・・・理想的な国家すぎて粗探ししたくなるのは俺の性格が悪いからなのだろうか?
種族関係なく国民の団結力が強いため、軍事国家リベリオンのやり方とはウマが合わないとも書かれている。
「国の成り立ちはともかく、政治体系はオランダとかと大して変わらないって感じかな。次」
次は宗教。
ハーラル王国の国教は女神ルミスを主神とした一神教で、教会が人と神の中継を担っている。そして聖典は存在せず、基本は神託や古来の儀式を重きに置いているといったところか。経典がないのは一番不味くないか?
聖職者が自分たちの都合のいいように教えや信託を改竄したりしやすくなってしまうだろ。
・・・これは俺が聖書でも作って宗教改革するか?
うーん・・・・・・
ま、いいや。宗教はこんなんでいいだろ。俺、宗教嫌いだし。具体的には神様に依存している人間が嫌いなだけだけど。
はい次、法律。
ハーラルに司法機関は一応存在するが、王政なだけあって裁判長は国王もしくは王族が執り行うのが決まり。立法機関については、どうやら王族と貴族による議会で決められ、国民からの嘆願書や意見書もちゃんと決議されてるわけ、か。
王政だから独裁制になってたらどうしようかと思ったけど、少なくとも現国王は名君なのは間違いない。
でなければここに来るまでの国民の顔はもっと暗いはずだ。
あ、そうだ。折角ならこの世界での物理とか天文学とか、科学面での常識は何なのか確かめておこう。
調べれば天理魔法の応用がさらに使えるようになる。
結論、10世紀以前の地球くらい酷かった。
何だこれ!天動説が常識だし、魔法の関わる分野は発展が遅れてるし、自然現象は精霊や神のせいにしてるし!
いい年して図書館でキレそうになった。建物やインフラとかは流石に職人が作ったりしてるようで安心したが、根本的な部分が魔法のせいで遅れすぎている。
天理魔法使いの身でありながら、一言言いたい。何が魔力じゃ!!!
魔力がない俺の世界ですら科学は最低でも一般常識レベルにまで発達してんだぞ。魔法の有無とかでここまで体たらくになるとは・・・多分タイムスリップしても1000年前の文明にキレ散らかすこと間違い無いだろう。ド◯えもんも21世紀に来た当初はの◯太とかをもの凄い目で見てたに違いない(偏見)
これは未知の探究と同時に、科学の発展をせねばならいという目的も新たにできた。じゃないとこの先めっちゃイライラしそう。
取り敢えずは図書館の有用そうな本をスマホのメモ帳に書き込んで、教会の道中にある本屋で買い揃えることにしよう。
それをウチの書房にこっそり並べたら大惨事になりそうだけどいいか。
・・・今更だが、教会でニーチェの発作が起きたりしたらどうしよう
次回、サーヤルート
デュエルスタンバイ(嘘)