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一生分の運(5)
一方、1等を当てた宮田は、約束通り15万円の半分、7万5000円をみなみの母親に渡し。みなみの母親は、予定になかった緑のたぬき15ケースを宮田に渡そうとするが、みなみの家で一時預かりとなった。
この日、午後1時30分。みなみの家には、カップそば1年分、31ケースが届き。これは、受験のための夜食ねと、母親に言われ。みなみの部屋は、カップそばに占拠された。
この話を聞いた萌は、ゲン担ぎとして、毎年年越しそばは、カップそばを食べると思い。あの勝負は、祖母の勝ちということ、そう推測し。
「お母さん、その勝負、お祖母ちゃんが勝ったんだよね? で、いくら当たったの?」
「いくらだと思う?」
「わかんないから、聞いてんの?」
「……」
「なんかもやもやするだけど、教えてよ、お母さん?」
「この家の状況を考えたら、わかるでしょう?」
萌は、考え込んでしまった。