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うちのしきたり  作者: K・Sメッセ
一生分の運
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一生分の運(2)

 みなみの母親は、にぎわう商店街で買い物をしていると。同じアパートの住人のママ友でもある、宮田春奈に会い。つい、宝くじ興味はないが、この福引にかける想いを話すと、宮田もその話にのっかり。2人は、12月31日、福引会場に1番に乗り込む計画を立て、1等を狙い、ある約束をした。

 残り物には福があるという考えではない。その間に1等が当たるという考えもない。あのチラシがそうさせていた。


 みなみの母親は、自宅に帰り、家族に福引のことを話と。刑事もののドラマが好きな、お母さんの考えだなと納得し。その裏付けとして、以前こんな話を耳にしたことがある。商店街の会長は、ギャンブル好きだと。それに商店街の人が振りまわされたとか。いい人はいい人なんだけど。 


 12月8日、1週間が経ち。福引会場では苦情が殺到していた。

 1週間経ってもはずれの商品券しか当たらない、本当にこんな景品が当たるのか。これは客寄せのためのハッタリだ。これは、詐欺だ。

 いろんな言葉が飛びかう中、福引会場の責任者は、対応に追われていたが、言うことは1つ。クジとは、当たるも八卦当たらぬも八卦、12月31日の蓋を開けるまではわからない。この商店街を信じるかどうかは、あなた次第です。

「会長、これでいいんですよね……」

 福引会場の責任者は、そう呟きながら、来年の春には自分に会長の番がやって来ることを考えていた。


 あれほど福引会場に大勢の人たちが行列をつくりにぎわっていたが、福引のことは徐々に忘れさられ、福引会場に足を止める者はいなくなっていた。そして、12月31日の最終日を迎え、いまだはずれの商品券しか出ていない。


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