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AI少女は優しき主に恋をする  作者: アルカナ
3/5

マスターの帰宅後は

「ただいま〜」

 玄関からマスターの声が聞こえ、すぐにマスターの元に駆けつける。

「マスター!お帰りなさい!」

「ただいま、ツグミ。出迎えありがとう」

 そう言って、マスターは私の頭を撫でてくれました。

 マスターに頭を撫でられていると、何だか心がポカポカしてきます。

 あぁ…至福の時です…もっと撫でてほしいです。


(なんかツグミが、めちゃくちゃ気持ち良さそうにしてる…もうちょっと撫でて上げた方が良いんだろうか?)


「……はっ!すみません!マスター!あまりに心地よいものですから…」

「いや、大丈夫だよ。ツグミが喜んでくれているなら、僕も嬉しいし」

「ご迷惑でなければ、たまにこうして頂けると…嬉しいです」

「わかった。じゃあそうするよ」

「はい!ありがとうございます!」

「それじゃあ、荷物とか置いてくるね」

「わかりました」

 マスターはそうして自分の部屋へと荷物を置きに向かいました。

 私は仄かに残っている、頭を撫でられた感触を噛み締めながらマスターが部屋から戻ってくるのを待つのでした。

______

____

__

「ツグミ、実はちょっと相談したいことがあってさ」

「相談したいことですか?」

 部屋から戻って来るなり、マスターはそんなことを口にしました。

 もしや、好きな人が出来たということでは!?マスターもお年頃ですし、そういう人が居てもおかしくはありませんし。

 もし、そうなら…少し嫌ですね……マスターの幸せを願うなら祝福すべきなのでしょうが、マスターを幸せにするのは私でありたいというか、なんというか…ともかくそれは嫌ですね。

 我ながら、ちょっと重い気もしますが、この気持ちに嘘はありません。

「新しいカードを手に入れたんだけど、デッキ編成に悩んでてさ」

「へっ?」

 まったく予想と違う答えを口にしながら、マスターはカードを見せました。

 そのカードは私が掃除中に見つけたカードで、マスターは持ってきた他のカードの束を広げながらどのカードを入れるべきかを私に聞いてきました。

「えっと、そうですね…単純に強いカードだとするとこれですが、マスターが使うのであればこのカードが良いと思います」

 マスターの相談事が私の思っていたものとは違っていたことに安堵しつつ、未だに混乱したままマスターにアドバイスをしていきます。

「なるほどね…ありがとう!というか、あんまりびっくりしてないね…一応、サプライズ的な感じで新しいカードについては隠してたんだけど…もしかして、掃除中に見つけちゃったパターン?」

「……すみません、掃除をしていたらマスターのカードを見つけてしまいまして…はぁ、驚く練習を何回もしていたのに結局上手くいきませんでした」

「良いよ良いよ、謝ることじゃないって。というか、驚く練習とかしてたんだ……あっ、そのカード取ってもらって良い?」

「はい、どうぞ」

「ありがと。なんかいつもツグミに助けてもらってるね……いつもありがとう。ツグミのおかげで色々と助かってる」

「いえいえ!私はマスターのNEXとして当然のことをしているだけです!」

「その当然のこと、当たり前のことが嬉しいんだよ」

「今日はいつも以上に褒めてくれますね……とても嬉しいですが、何かあったんですか?」

「特に何かあったわけじゃないんだけど、ツグミにいつも助けられてるなって、ふと思ってさ」

「マスター……ふふっ!私も、いつもマスターに助けられていますよ。あなたが居なければ今の私はありませんから」

「あはは、そう言われると照れるなぁ……さ、さて!デッキも出来たし、テストプレイに付き合ってくれよ!ツグミ!」

「はい!もちろんです!」

 顔を赤くしながら、慌てた様子でそう口にするマスターを愛おしく思いながら、私は自分のデッキを手に取るのでした。

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