詩集『コロナウイルスに囲まれて』
1.「2メートルの幸せ」
本当は抱きしめてほしいけど
こんなときだからがまんします
本当はとなりにいたいけど
こんなときだからがまんします
2メートル先には あなたがいるから
顔が見えるだけでも幸せだから
おたがい手をのばせば届くけど
今は両手をくんでおきます
いつかまた抱きしめてもらえると
願いをこめて
今はじっと静かにしてます
あなたの顔が見えるだけで幸せだから
2.「得意技を手に入れよう」
フリーな時間が増えたから
何かひとつチャレンジしよう
せっかくの機会だから
気になる資格を学んでみよう
たいくつな時間だけれど
シックスパックめざし腹筋鍛えよう
てがるに取り組むもよし
本格的に学ぶもよし
再会時 友と自慢しあおう
3.「孤独を楽しむ素敵なおとなに」
孤独はさみしいというけれど
孤独はおとなのたしなみと
予行演習のつもりで
孤独体験してみよう
近くには誰かがいるのだから
少しの間がまんして
人間づくりに取り組もう
4.「お楽しみはそれからだ」
外に出なけりゃつまらない
感染ってないのに動けない
SNSだけじゃリアリティない
やっぱりじかに話したい
彼氏とイチャイチャしていたい
お金ないから故郷へ帰りたい
みんなのいろんな気持ちはわかるが
ここは少し考えて
家での生活楽しもう
感染ってないと考えないで
感染っていたらと考えよう
もし感染っていたら
親しい友を辛くする
愛しい彼を苦しめる
親祖父祖母を悲しめる
後悔さきに立たぬから
あとで落ち込まぬよう
今踏んばって生きてみよう
お楽しみはそれからだ
5.「コロナが世界の仮面をはがす」
人々からは嫌われて 追い払おうとされている
冠被ったまるい悪魔 世界中に大流行
いずれの国家も他国を呪い 互いが互いを入国拒否に
グローバルとかいいながら ポピュリズムが顔を出す
上辺と本音がよくわかる
世界が一つに成るべきなのに どんどん個別になっていく
お愛想笑いがはがれおち もとの嫌味顔みえてくる
悪役コロナウイルスに
人の本性あばかれる お国柄をむきだしにされる
まさか己が なんで己が
しかしコロナウイルスに 感染するいきものなので
誰がなってもおかしくはない
だから気をつけ 近づかぬよう
うがい手洗いマスクに体温 自らのことは自らで
修業修業と考えよう
6.「新型コロナウイルスが人間の本性を暴く」
世界中に感染している 新型コロナウイルス
いずれの国も他国を呪い 互いが互いを入国拒否
グローバルとかいいながら ポピュリズムが顔を出す
上辺と本音がよくわかる
世界が一つになるときなのに どんどん個別になっていく
お愛想笑いがはがれおち 素の嫌味顔みえてくる
悪役コロナウイルスだけど 人の本性暴いてくれる
こんな時だからこそ
世界の 日本の 政府の 自治体の 企業の 個人の
本性がわかる
まさか己がなんで己が
しかしコロナが感染る生き物だから だれが感染ってもおかしくない
感染るものも感染らぬものも みな辛い日々おくる
身勝手な振る舞いで感染者増やすのは その辛い日々増やすばかり
為政者よ覚悟をもって舵をとれ 国民よ覚悟をもって人生おくれ