表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/40

第一話「道士と殺人鬼」6

玉兎は答えも聞かず、いつの間にやら取りだした例の板を(かざ)す。

 板からは再び蛍火が漏れ、辺りを照らした。

 すると、血痕が浮かび上がり、更にはその血痕から空中に文字が浮かび上がる。

 粘土版に彫られた古代文字のように、形自体はシンプルだ。

 その多くは、直線の組み合わせによる、麦の穂のような形だった。

「な、なにこれ……」

「オガム文字……ノルマン人以前よりこの島に住まう者たちが使っていた文字だ」

「い、いやそんな事よりこの魔法みたいなものは……」

「魔法ではない。道術だ……いや、同じようなものか」

「あんたが……? まだ魔女の方が近そうだけど……」

 ヴェロニカはまだひっかかりはあるものの、この事態を受け入れ始めている様子だった。

 科学の光が闇を照らし始めた19世紀末とはいえ、教育を受けられる者は一握り。

 民間には迷信がはびこる時代だ。

 実際に魔術を目にすれば、ヴェロニカでなくとも多くの者が信じるだろう。

「で、このヘンな文字が浮かんだからって何なの?」

「これは呪いだ。浄化や炎に関する文字がゴロゴロ出てきている」

「呪い?」

「そうだ。そもそもこの倫敦は呪われるだけの歴史がある」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ