1.3真相解明?いいえ、ステータスチェックです。
投稿日時を設定ミスしてしまったので、ストックなしです。
あまり間を開けない様に頑張りたい。
皆さん、こんにちは。
神座木眞生です。
皆さんは、気が付いたら知らない場所にいたという経験がありますか?
周りを確認したり色々探したりして、場所が分かると本当にホッとします。
まぁ、私の場合は、分かった所で困った状況である事に変わりはないのですけどね。
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手元に浮かぶ画像の様なものをよく見てみた。
手に持つ赤い布について書かれているらしく、詳しく内容を読んでみる。
「アイテム名『覇王深紅』
種別:装備品
等級:幻想級
制限:戦闘系スキル所持者のみ装備可能、戦闘系称号所持で制限緩和、特上級以上の戦闘系称号所持で制限解除、支配者系称号所持で制限変化
効果:全身体能力強化(超)、全魔法能力強化(超)、全感知能力強化(超)、物理耐性強化(超)、全状態異常耐性強化(超)、全属性魔法耐性強化(超)、全自動回復能力強化(超)、装備者のあらゆる行為にプラス補正(超)、即死回避、超幸運、波瀾万丈、艱難辛苦、劇的試練、悲劇的運命、破滅的未来
説明:平和を求め、力を求めて、立ち塞がるものの全てを打ち破って突き進む、覇道を歩む者がその身に纏う絶対者の証。幾多の命を奪い、憎き敵と愛する友の血を吸って深く昏く深紅に染まった外套。華美な装飾の類いの一切を排除したそれには、その力を極めた機能美の極致が宿る。
"間違っているなんて、そんな事は言われなくても分かってる!それでも……無力なまま、大切な人達が傷付いていくのをただ黙って見ているなんて、もう出来ないよ!!"」
……うわぁ、なんて香ばしいフレーバーテキスト、まるでゲームみたいだ。
って、ちょっと待って、何なのこれは?
意味が分からない。
何かヒントは?
状況を理解する助けになるものを探して、周囲を見回すと、視界の隅に微かに光る光点に気が付いた。
何だこれ?と思って注意を向けると、小さな光点がピッと光って眼前に画像が広がった。
「ベフッ!」
何か出たっ!と、思わず手で払おうとするが上手くいかず、それでも触ろうとしたら顔面を引っ叩いてしまった。
顔面を強打して思わず目を瞑ってしまったけど、頭の内に直接画像が浮かぶ?
気を落ち着けてもう一度、脳内に浮かぶ画像に意識を向けてみる。
すると、そこには……
メインメニュー
名前:「 」
レベル:666
状態:通常
プロフィール
ステータス詳細
アビリティ一覧
スキル一覧
特技一覧
魔法一覧
称号一覧
アイテム一覧
オプション項目
検索
といった各種項目が並んでいた。
何だ、これ?って、名前ないんですけど?これ……
しかもレベル666って、何だかゲームみたいな表示だが、だとしてもいきなり高過ぎないか?
サラサラと虚しく流れる風音に、体の芯からブルリと震えが走る。
「ウゥッ、寒い。ってか、何で裸?って今更かよ、ヘブシッ!」
とりあえず、手元のマントは羽織っておこう。
他に何か無いのかと考えていると、頭の中に浮かんでいるメニュー画面上でカーソル?がスルスルと動いていく。
アイテム一覧が開かれて、「所持品」と「ストレージ」の選択肢から「ストレージ」が選ばれる。
表示された画面には「全て」フォルダが存在し、フォルダを選択するとその内容が表示されていく。
これで何があるのか分かるかも?と淡い期待を抱いた瞬間、目を見張る変化が起きた。
何と画面右側にあるスクロールバーが、表示された瞬間凄まじい勢いで縮小していったのだ。
その大きさといったら、最早目視不能なレベルである。
いやいや、まだ諦めるのは早い。
画面を良く見れば、画面上部に操作ボタンがある。
ボタンに意識を向けると、やはりカーソルがスイッと移動していく。
ボタンを押して表示された項目から、「同種アイテムをスタック」を選択してみる。
瞬時に画面が更新されてスクロールバーが辛うじて目視出来る様になった。
って、それだけ?
……うん、これはしっかりと腰を据えて取り組む必要がありそうだ。
周囲を見廻して、休めそうな場所を探す。
すぐ近くに、丁度良く休めそうな木陰を作る低木があったので移動する。
ズバーンッ!ズドドドドッ!!ドカーン!!!
一歩踏み出した瞬間、凄まじい衝撃音とともに視界がひっくり返る。
一体何があった?と、慌てて起き上がろうと地面に手をつくと、轟音を上げて大地が陥没する。
あまりの事に驚きで身動きが取れずにいると、それ以降は何事もなく静かなままだ。
まさかという思いでゆっくり慎重に体を起こして、静かに周囲を見廻していく。
自分の立っている地面は陥没し、目の前には粉々に砕けた岩塊、少し先にはここと同じく地面が陥没している様子が見て取れる。
そうっと慎重に、少しずつゆっくりと動いていく。
時間をかけてゆっくりと陥没した地面から出て砕けた岩塊へと近づいていく。
拳大の石を一つ、そっと拾い上げてその感触を確かめる。
思ったよりしっかりした石のようだ。
うん、ここまでは大丈夫……
軽く深呼吸をしてから、そっと持ち上げていた石を何気なく握り直してみる。
パガンッ!
掌で一瞬にして粉々に砕け散った石を見つめて……
「何じゃ、コリャー!」
荒野に向けて叫んでみても、答えなど返って来るはずもなく……
ピロリン!
……
…………
………………
慎重に歩みを進め、先程見つけた低木の下まで移動する。
すぐ目の前にあるのに、随分と時間が掛かってしまった。
木陰に入り、木の幹にそろりと寄り掛かって一息つくと、頭の中に「ピロリン!ピロリン!」と謎の音が響いた。
そういえば、さっきから何度か音が聞こえたような気がする。
何の音だろうかと考えていると、脳内画面の左下に小さな画面が追加でポップアップしていた。
「スキル『休憩』を獲得しました
称号『憩う者』を獲得しました」
何だかスキルと称号を獲得したらしい……
って、休憩はスキルなのか?
納得が行かずに考えていると、またもや脳内画面が切り替わった。
今度の画面は、どうやらスキル一覧であるらしい。
頭の中に浮かぶスキルの説明文を読んでみると、「休憩」というのは上手に休む方法、つまりは知識や技術を意味すると書いてある。
スキル画面には、レベルとポイント割振ボタンが表示されていた。
今のスキルレベルは0で、スキル名はグレー表示になっている。
少し考えたが、試しにポイントを割り振ってみる。
1P振って実行すると、スキル名が赤く変わり隣にスライドバーがグレー表示される。
どうやら、表示はブラックアウトしていたらしい。
スライドすると、スキル名が白く光って表示される様になる。
おそらくこれで「有効化」されたという事のようだ。
こうして画面の動きを見ていると、何だかパソコンをいじっている時の感じに似ている。
何となく、このメニュー画面の操作法が分かってきた気がする。
「よしっ!」
気合いを入れ直して、メニュー画面の操作に取り組んでみる事にする。
もう少し詳しく調べたら、何か分かるかもしれない。
取り敢えず、真っ当な服を探そう!
……いや、何時迄も裸にマント一枚とか、変態っぽいとか焦っているわけではないのだよ、決して。
……
…………
………………
かなりの時間、メニュー画面と格闘した結果、色々な事が判明していた。
まずは、服。
とりあえずアイテム一覧を精査することは後回しにして、着れそうな服がないか探してみた。
一覧を端から見ていくなど到底無理なので、色々と検索ワードを試していく。
中々上手く絞り込めなかったが、これと思うアイテムを幾つか取り出して確かめていった。
かなり苦労したが、なんとかそれなりの服を見繕う事が出来たと思う。
次に、メニュー画面を色々確認していて分かった事だが、どうやらとんでもなくレベルもステータスも高そうだという事だった。
まぁ、それは軽く握っただけで石が粉々に砕け散った事で何となく察してはいたけれど、ステータスを確認して納得した。
四桁表示のステータスだが、数値がとんでもないことになっていた。
ステータスの種類は六種類、それぞれSTR(=筋力)、VIT(=耐久力)、AGI(=敏捷性)、DEX(=器用度)、INT(=知力)、MID(=精神力)と表示されている。
その能力値なのだけど、「1ppo」と表示されているので、おそらくそれが数値だと思われる。
他にも参考になる数値がないか探してみて、SPという数値を見つけた。
こちらの数値は「1ppn」と表示されているので、さっきポイントを使ったからその分だけ減っているのだと思う。
試しにポイントを最大まで追加してみたら、最初に使った分も含めて11ポイントの消費で休憩スキルのレベルが「極」に変わった。
現在のSPは「1ppd」、スキル欄には他にも「手加減」「能力鑑定」のスキルがあったので、そちらにもSPを割り振っていく。
途中、SPが「1pp0」から「1poz」に変わった事が確認出来た。
つまり、能力値とSPの表示は10進法表示ではなく36進法表示という事だ。
36進法表示で「1ppo」だから、10進法表示なら「79980」になる。
他の数値は10進法表示だから、この二つだけが特殊な表示かと思ったが、計算するとレベルも36進法表示だったようだ。
レベルの「666」は10進法だと「7998」になって、丁度ステータスの十分の一でわかりやすく、だから多分間違いないのではないかと思う。
各種表示に関しては、他はごく普通の10進法だと思われた。
おそらく、レベルとステータス、SPだけが特殊な表示になるわけだが……
まぁ、文字化けして数値不明になるよりはマシかもしれない。
それから、アビリティとスキル。
スキルは「休憩」「手加減」「能力鑑定」の三つだけだったが、アビリティは何だか数が多かった。
最初のうちはスキルと同様に0レベルだったが、かなりの量のSPが有るので、片っ端から「極」にしてみる。
どれも字面だけで見ても有効そうな名前なので、無駄になる事は無いと思う。
特技と魔法は、一覧に何も無かった。
ちょっと、いや、かなり残念だが、無いものはしょうがないので、今は諦めておく。
称号一覧は、見た瞬間閉じた。
何と言うか、開いた瞬間「神殺し」とか表示されていたのは何なのか、ちょっと落ち着いてからゆっくり考えよう。
とりあえず、服を探した以外は手付かず同然のアイテム一覧からどうにかしていこうかな?
予定と違って、まだ旅立てず……