プロローグ
初っ端から重いです。
文章とかごちゃごちゃです。
それでも許してくださる方はどうぞ、お楽しみください。
理不尽なことはいつも突然やってくる。
それは、誰にも共通していることで、例にもれず、私もそうだった。
それは、天気のいいある日のことだった。
農作業に精を出し、疲れ果ててぐっすりと寝ていた。
虫のこえが聞こえる、静かな夜だった。
異変に気が付いたとき、全ては手遅れだった。
息苦しくなり、目を開けると周囲は焔につつまれていた。
慌てて窓を開けようとしたら、熱くて火傷した。
その時初めて恐怖を感じた。
このまま、死んでしまうのではないか、と。
浮かびあっがたその言葉から目をそらして部屋から脱出を試みた。
まだ燃えていない箪笥の中から鍬を取り出し、窓を壊した。
燃え落ちた屋根の破片などを踏みながらも、なんとか脱出に成功した。
怪我はところどころしていたが、かすり傷だったので放っておいた。
そんなことより、家族の安全を確認したかった。
塀沿いに正門まで辿り着くと、幾人かの兵士がいた。
彼らは火を止めようともせず、むしろ悪化させていた。
理解、できなかった。
なぜ、彼らは悪意の籠った瞳で私の家を燃やすのだろう。
私たち家族は何か、悪いことをしたのか。
そうやって詰め寄ろうとした。その時、
「この家の奴は必ず殺せ。もし、怪しい奴がいれば、決して逃がすな」
目の前には、真っ赤な家が、家だったものがある。
お父さんとお母さん、お兄ちゃんとお姉ちゃんとお兄ちゃん。
家族5人で過ごした暖かな思い出が、燃やされていく。
なのに、私は何もできなくて
私を殺そうとする人たちから隠れて、
声が出ないように涙を流して、
気が付けば、朝だった。
兵士たちはいなかった。
家の前には、
力持ちのお父さんと
優しいお母さんと
いたずら好きのお兄ちゃんと
お洒落が好きなお姉ちゃんと
読書が好きなお兄ちゃんの
真っ黒な死体が転がっていた。
理不尽なことは誰にでも突然やってくる。
それは、いつ、どこで、なぜ起こるか、神様以外には分からない。
神様と、理不尽なことをする犯人以外は。
私は、私と家族を理不尽な不幸に追いやった犯人を
私の手で、死ぬよりも苦しい目に合わせてやる。
そう、自分の胸に誓った。
私の10歳の、誕生日の出来事だった。