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200文字小説集 vol.2

仕事より大事なもの(200文字小説)

作者: 日下部良介

まったりとした時間が流れる。

午後の一時を過ぎると、混み合っていた店内が静かになった。


スマホに着信。

会社から。

無視する。

どうせ今のままだと仕事も手に付かない。


ボクが待っているのは一通のメール。

可能性は限りなくゼロに近い。

喧嘩別れをした彼女からのメール。


「何サボってるの?」


メールは来なかった。

けれど、彼女が今、目の前に居る。


「サボってない。君を待ってただけ。でも、今からサボる」


ボクは彼女の手を取った。




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