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第25話 転生ゲーム

 

 オーランドさんに少し時間をもらい。商品のアイデアをまとめることにした。


 何を作るかはもう決めているのだ。


 某人気ボードゲームのオマージュである。

 オマージュと言えば聞こえは良いが。悪く言えばパクリである。


 まぁ、異世界だし受けるかどうかは分からないけど、作ってみる価値はあるだろう。

 ゴーサインを出すのはオーランドさんだが……。


 まずは試作品を作ってみよう。自作だからな粗があるのは後からフレデリクやオーランドさんに修正してもらおう。




 ――試作を作ること一週間。


 ふむ。ついに出来たぞ。

 オーソドックスだが楽しんでもらえるだろうか?


 早速手紙で出来たことをフレデリクとオーランドに伝える。


 試作を一緒に楽しもうではないか。



 ▶︎▶︎



「リット出来たそうじゃないか」


「早かったね。助かるよ」


「早く見せなさいよ」



 フレデリク、イリナ、オーランドが黒猫亭に到着した。


 まぁ待て、急かしなさんな。

 あと申し訳ないけど日用品じゃなくて娯楽品になってしまいました。


「あぁ、構わないよ。むしろそっちを期待してたから」


 えっ、いつのまに誘導されてたんだ?


 オーランドとフレデリクは微笑むばかりである。


 腹黒いなぁ。


 でも、僕も楽しめたからいいか。



 さぁ、お披露目だ。

 僕は空間収納にしまってあったものを取り出す。


「「「これは?」」」


 僕が取り出した物を不思議そうに眺める三人。


 よくぞ聞いてくれました。これは。


「転生ゲームです」


 たくさんのマスが付いていて一つ一つに言葉が書いてあるボードゲームだ。

 真ん中には一から十までの数字があるルーレットがある。


「「「転生ゲーム?」」」


 そりゃそんな反応だよね。


 まぁやりながら説明しよう。


 人数が多いほうが楽しいだろう。

 二人から六人用だ。


「エヴァもやるかい?」


「やるー!」


 元気いっぱいだね。


 参加するのは、僕、エヴァ、フレデリク、イリナ、オーランド。

 もう一人までいけるな。


「私がやろう!」


 アルリエルが参加を申し出た。


 うん。さっきからチラチラ見てたもんね。ローダスさん達は……あっ、寂しそうにこちらを見ている。

 今度はローダスさん達にもさせたげるから、今日は我慢してくれ。

 あと区画の見回りの件よろしくです。


 父さんと母さんは昨日やったから遠慮してよね。

 だからチラチラ見るのは構わないが乱入は無しで。


 エヴァは? だって?

 エヴァはいいでしょ子供なんだし。

 大人気ないなぁ


 じゃあ気を取り直して始めようか。


 という事で参加するのは、僕、エヴァ、フレデリク、アルリエル、イリナ、オーランド、の六人になった。


「始める前に自己紹介しておこう。私の名前はアルリエル、リットの未来の妻になる女だ!」


 いつも唐突ですよね!

 恥ずかしいからやめてくれ!


 フレデリクは笑っている。いつも通りだな。


 オーランドさんは、なんか微妙な表情だな?


 エヴァは、なんか黒いオーラが出てるね。どうしたんだい?


 イリナは一人オロオロしている。冗談だから気にするな。


「き、気になんかしてないんだからね」


 いやめっちゃ目が泳いでいるが。


 このメンバーで大丈夫だろうか?


「……お兄ちゃん大丈夫。決着はこのゲームでつけるから」


 なに決着って? エヴァ顔が恐いよ。僕はエヴァの笑顔が好きだなぁ。


「わたし笑ってるよ?」


 笑顔が恐い!


「こうなれば私も本気よ! やってやるわ!」


「望むところだ!」


 イリナとアルリエルも何故か本気の顔に。


 いやこれゲームだからね……。


「「「これは勝負なの!!!」」」


 あっ、はい。


 フレデリクとオーランドさん爆笑してないで、なだめるのを手伝ってくれ。


「「面白いからこのままで」」


 おいっ!


 この二人を味方にはつけられないか。


 はぁ、じゃあ説明を始めるよ。


 まずこのゲームのコンセプトは、転生して第二の人生を楽しむ事だ。


「つまりどういう事よ?」


「今みんなそれぞれ職業を持っているよね。フレデリクだったら貴族、オーランドさんは商人。でもこのゲームでは誕生した瞬間からやり直せるから途中で職業選択ができる。まぁランダムなんだけど」


「なるほど、自分が成らなかったもの、成りたかったものにこのゲームでは成れるんだね」


「自分の願望を叶えるゲームか」


 そこまででは無いが……。


「より面白くするために性別もなくす。その時の状況で自分で決めればいい」


「「「え〜」」」


 なんで不満そうなんだよ。


「お兄ちゃん昨日は男の人と女の人別にしてたよ」


「アレだよ。願望。男になりたい女の人や、女になりたい男の人だっているだろう? だから性別なし。でも結婚イベントは有り。性別ないほうがいろんな人と結婚できて楽しいだろ」


「知らずに聞いたら誤解を招く説明ね……」


「節操なしだな……」


 ゲームだから……。


 説明書を入れておかないとな。

 簡単なのはあるが。


「買ってくれた人には、説明書を同封しますのでそちらを見て下さいと、言えばいい」


 後は丸投げだ。詳しく書いてくれよフレデリク。


「僕が書くのかい!?」


「一番頼りになるし」


「えへへ。そうかい」


 チョロいな。あと頬を染めるな気色悪い。


「便利な友人だ」


「リット、あんたね……」


 ふっ、イリナ使えるものを使うのが出来る男なのさ。


「じゃあ、また違うものを作ってもらおう」


 のぉー!


「バーカ」


 口は災いの元だな。お口チャック。


「リット早く始めよう」


 はいはい。


 ボードの上に六つの小さな模型を置いていく。


「これは馬車か? それに穴が空いているな」


 それぞれ色が違う馬車の模型。それにいくつかの穴が空いている。


「好きなものを選んで、僕は残りでいいから」


 各々が馬車を選んでいく。


「次はプレイヤー。自分の分身だね」


 そう言って棒人間の形をしたものを並べる。色は一緒、全部白だ。


「これを馬車の穴が空いているところに挿して」


 あっ、前列右ね。


 これで自分のコマが完成。コレをルーレットで出た数のマスを進む。


 後は両替商をプレイヤーの中から一人決める。

 前世の銀行の役目だ。

 これは僕がやろう。

 暇な人がいたらその人でもいいが可哀想だな。



 まだ説明はあるけど。始めよう。



 さぁ、準備はいいかい。



子供の頃やりましたねぇ

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