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第24話 ケモ耳っ娘を求めて 3

 

 ケモ耳っ娘を求めていただけなのに、大変なことになってしまった。


 まさか貴族まで巻き込むとは……。


 もはや会社を立ち上げるような感覚である。いや系列店?


「リット、僕が来たからにはもう安心だ。王都一の屋台と工場を作ろうじゃないか」


 フレデリクが胸をドンと叩く。


 だから話を大きくするなって……。

 平凡に行こう。平凡に。


「リット甘いわよ! これはチャンスなの! あんただってもっと沢山の人に黒猫亭に来て欲しいでしょ」


 イリナが興奮気味にまくしたてる。


「確かにそうだけど、そこまで大きくしたらパンクするだろ。あとのこと考えようよ」


「大丈夫。まだ少し先の話だ。それまでに話を詰めていこう。リットは覚悟が先だね」


 いやいやだから後のことをだね。


「フレデリク様こちらでは人員を確保して、新しい商品開発にかかりますので、工場の建設をこの二十一区にお願いいたします」


「任せてくださいオーランドさん。父にも話は通してあります」


 まさかあんたら最初から通じてやがったのか!?


 ニヤけるフレデリクとオーランド。


 おのれ謀ったな!


「腹をくくりなさい。もう伯爵にも話が通じてるみたいね。私も知らなかったわ」


 イリナ、親父さんを止めてくれ……。僕は平凡に暮らしたいだけなのに……。


「さすがに無理よ。……それに私もリットが稼いでくれた方が都合いいし」


 は? なんで?


「私の将来のためよ。だからしっかり稼ぎなさい」


 なるほど、将来自分も商人になるから稼げる奴を囲っておきたいんだな。

 したたかな奴だな。


「違うわよ。……バカ」


 イリナは不満そうにそっぽを向いた。


 ……何なんだよ。


「ははは、私が出した条件なんだよ」


 オーランドさんが意味不明なことを言い出す。


 条件? なんの?


「まだ秘密さ」


 むぅ。気になるな。


「イリナ様教えてください」


 媚びてみる。


「知らない!」


 今度は顔を赤くして怒られた。


 一体何なんだ?


「二人とも仲良くしてるところ悪いけど、話を詰めていこう」


 いや、仲良く見えるか?


「リットとりあえず料理はどうする? 屋台という利点も考えて食べやすいものが良いんだけど。やっぱりハンバーグかな?」


 スルーされた。

 あと、どんだけハンバーグ好きなの!?


 でも屋台を出すなら前から考えていた物がだせる。

 それもフレデリクの要望に沿うような。


「へぇ、料理は大丈夫そうだね」


「詳しく聞かないの?」


「その点は信頼してるからね」


 他の部分は?


「はははっ」


 おいっ! 笑って誤魔化すな!


「いやいや信頼してるに決まってるじゃないか。親友だからね」


 あっ、親友違います。


「ひどいよ! 僕のことは遊びだったの!」


 そうゆうのがなければなぁ。


「僕の個性を殺す気かい?」


 自覚あったんだ……。


「じゃあ料理は一旦置いておいて、場所はどうする?」


「私は城下町がいいと思う」


 イリナが会話に入って来た。オーランドさんは……頷いてるな。あんたも入ってこい……。


「私も同じだ。一番広く人も多い城下は最適だね。屋台の護衛に関しては、治安の面と同じだけど冒険者を雇おう。リットくん知り合い多いよね」


 まぁ、それなりですが毎日ですよ? 


「日替わりでいいじゃないか。一日中というわけじゃない。あっ、この区画には一日中置かないとダメか」


「それならリエルさんに頼んでみますよ。僕より顔が広い。それに信頼も厚いですし」


「心強いね。疾風の射手か。まさかSクラスの冒険者と知り合いとはね」


 うん。最近では迷惑しか掛けられてないから心が痛まないし、大丈夫だろう。

 夕方には帰ってくるだろうし、相談してみよう。


 これで治安の回復案もフレデリクとオーランドさんが依頼を出す形で解決しそうだ。

 お金も出してくれますよね。ね。

 うちからは払わないでもいいよね 


 あとオーランドさんわかってて発言しましたよね。ワザとらしいんですよ。あんたが考えてないわけない。


「てへっ」


 舌を出しておどけるオーランド。


 ど突いたろか?


「色々早く解決しそうだね」


 ニコニコとフレデリクがまとめようとする。


 いやいやここまで予想通りみたいな顔しやがって、筋書きどうりなんだろ?


「てへっ」


 ど突いた。


「ちょっとリット! 友人になんて事を!」


 ほう? 友人に内緒で事を進めていたのにその態度ですか?


「そ、それはリットの為を思ってだね! あっ、リット今友人って言ってくれた!?」


 話をそらすな! この すっとこどっこい!


「まぁまぁ。屋台についてはこれから話し合うとして、この区画に工場の建設と治安の回復案に冒険者を雇うことは決まったんだ。良しとしよう」


 まとめやがった!


「パパまだよ。工場で何作る気?」


 オーランドさんが「ああ、そうか」と、ポンッと手を打った。

 そして僕を見る。


 はいはい。分かってますよ。考えますから待ってください。

 うーむ。一つじゃなくてもいいよな。異世界転生の定番としてはボードゲームか。

 リバーシ、チェス、etc.


 さあ、何にしようか。課題だな。

 というか本当に人は集まるのか?

 特に亜人種。


「安心してよ。ちゃんとゆうか……誘致するから」


 今誘拐って言いかけたか、この貴族?


 まぁいい。


 それより工場で作る商品だ。

 あまり深く考えないほうがいいな。


 とりあえずアレで行こう。


 オーランドさんすいません。日常生活に役立つ物じゃなくて、娯楽品になりそうです。


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