0話 プロローグ
どうも皆さんこんにちわ、俺の名前は坂口風馬。え?誰に自己紹介してるかだって?そんなこと俺も知らないさ。ただ分かっている事は俺が暗い空間にポツーンと居る事だけだ。なんでこんなとこに居るんだろ?
確か俺は学校の友達と一緒にゲーセン行って楽しんだ後、みんなと別れてそれから……あ、思い出した。
俺、信号が青チカになったから急いで渡ろうとしてそこで車に吹っ飛ばされたんだった。あ~、運転手の人には迷惑かけてしまったなぁ。親や学校にも迷惑かけてしまっただろうな。ってかそれが分かったからって今俺がここにいるのに何か関係あるか?俺が結論をまともに出してないことに気が付いてそんな事をポツリと呟いた。するとそれに呼応するかのように俺の周りが白く輝き始めた。
「初めまして風馬さん、私は生と死を司る神キューマです」と、如何にも女神って見た目の人が何処からともなく出てきた。まぁ、この人が神って自分で言ってるんだからきっと神なのだろう。決して中二病ではないと思う。さて、そんな神様がこんな空間にいるってことはお決まりのあの言葉を言われるんだろう。
「あなたは予期せぬ事故で死んでしまったので、生き返らせることになりました」
はい、キマシタワーやっぱり定番の事言われたわ。やっぱり俺ってあの事故で死んじゃったのか。まぁ未練とか無いから余りグダグダすることはないと思うけど。
「ただし、あなたの世界で生き返らせると何かと問題がある為、そこであなたには異世界と言われる、クレネルと言う異世界へと転生してもらいます。」
やはりド定番の異世界転生かぁ~。分かってたよ?予期せぬ事故とか言ってたし生き返らせるとか言ってたし。でも、ここまでド定番になってくるとやっぱりあれも言われるのかな?
「あなたをクレネルで生き返させる事は出来るのですが、どうしても元あった体を異世界に持って行く事が出来ないので、大変申し訳ないですがあなたには赤ちゃんからやり直してもらいます」
やっぱりかぁ~、ラノベ熟読者の俺から言わせてもらえればこれは本当にド定番中のド定番だ。
さて、赤ちゃんからやり直す事になったわけだが記憶とかは引き継がれるのか?そんな疑問を神に聞いてみたがかえってきた答えは「引き継がれます」だった。
よし、じゃあ来世も俺は自由気ままに生きよう!そう決心して神に今すぐ転生してくれと言った。
神もその言葉を聞いて、すぐに俺の事を転生させてくれた。楽しみだなぁ、異世界クレネル。自由気ままに生きて出来れば魔法使ったり、竜の背中に乗ったりしてみたいな等、妄想を膨らませながら俺の体と意識は白い光で照らされた空間から消えた。
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風馬が消えた空間で一人なこっていた女神は独り言を呟いた。
「あなたならきっとその世界を楽しんでくれるでしょう。あなたに災厄が訪れん事を…」
女神はそんな意味深なことを言ってその空間から消えた