歌詞のお披露目
ブログと同じ速度で更新していければなと思います。
ブログの一話とこちらの一話が同じになりますね。
文字数は少なめになりましたが、更新優先でやっていきたいです。
「うーん・・・」
勉強に集中できない・・・
原因はわかってる。できた歌詞について
早く見せたい。
どうしたものか
やっぱり翼と二人で合流しておこうか?
さっき、約束したばかりなのだけど・・・
「よし、そうしよう」
私は携帯から翼へと連絡をする。
「はい、天音です。」
「もしもし翼?良かったら、先にどこかで勉強しない?」
素直に歌詞を見てほしいと言えないのか・・・
「いいですね。それでは、勉強と一緒に歌詞もみてみたいです。」
助け船か!それともこの子はエスパーかなにかだろうか?
全国的にも有名なチェーンレストランで1時間後に予定した。
「それでは、また後で」
翼の言葉を最後に、電話を切る。私はさっそく着替えることにした。
「忘れ物はないな・・・と」
身だしなみを整えた後に、私は忘れ物がないか、確認をする。
土日は両親も休みだ。挨拶をして家を出た。
休日のこんな朝に家を出るなんていつ以来だろう?
毎日勉強ばかりしていたのだと感じた。
これからファミレスで勉強をする予定ではあるけど。
最寄り駅で待ち合わせをすることにしている。
翼の電車は、私とは反対側である。
着いてホームを見渡すと、翼が椅子に座っていた。
「お待たせ、ごめん待たせた?」
「いえ、私も先程着いたばかりです。それでは参りましょうか?」
頷いて、一緒にホームを降りる。
学校近くのファミレスへと私達は、歩くのだった。
「二名様ですね?喫煙席 禁煙席どちらになさいますか?」
「禁煙席でお願いします」
店員さんのよく通る声で出迎えられる。
「私、ファミレスに来たのはじめてなんです!」
意外な告白だった。日本なら一度くらい誰でも来たことがあるとばかり
しかし翼は、ファミレスが珍しいのだろう。目をキラキラさせていた。
メニュー表を差し出す。
しばらく選ぶのに時間がかかるかな?
私は、お水を持ってきた店員さんに、後からとお願いした。
時刻は9時を過ぎたあたり、朝食を食べるのもありかな。
「それでは、私はこちらのふわとろオムレツを。」
翼もご飯を食べるなら私も食べよう。
「それじゃぁ・・・私はドリアで」
注文が決まった後に、注文のボタンを押す。
少しして、店員さんが来た。
私は、二人分の注文とドリンクバーを頼んだ。
長くいるなら、必須と言ってもいいだろう。
「ドリンクをとりにいこうか?」
「?」
天然記念物かもしれない・・・
私はドリンクの説明をした。
基本的にお会計を終えるまでは、何杯でも無料だ。
翼は慣れない手つきで、ドリンクのボタンを押している。
そして席へと戻った。
私は、この機会なので、翼に色々と聞くことに
「ここに来る前は、どこにいたの?」
「どこだと思いますか?」
質問に質問で返されてしまった。
「日本の山奥とか?なんか由緒ある名家?」
こう言っては何だけど、翼のお嬢様感は凄いと思う。
「ふふふ・・・名家だなんてそんな・・・少し田舎の外れ辺りに住んでただけです。
なので都会は、まだ全然慣れそうにありません。」
ここで県まで聞くのは、野暮だろうか?
私は、勉強についても聞いてみる。
「勉強は、講師の方達がいてくれたおかげで、なんとかなりました。」
お嬢様だ。まず間違いない、翼はお嬢様である。
きっと家庭教師に教わったのだろう。
お嬢様はそういった学校に行くものと思っていたけど、そうでもないようだ。
でも一緒の学校に来てくれてよかった。
「講師か・・・こっちにきてからは?」
「こちらの学校に来てからは特には、勉強も不足ないとのことです。」
もしかしたら翼は、かなり勉強が進んでいるかもしれない。
どうせなら勉強も教わろうと思うのだった。
「お待たせいたしました。こちらふわとろオムレツとトマトドリアになります」
料理ができたみたいだ。
「食べよっか?その後勉強とかしていこう。」
「そうしましょう。それではいただきます。」
「いただきます。」
私達は、ご飯を食べ始める。
翼はご飯を食べるときには喋らないな・・・マナーとしては正しいのだけど
女子高生としてはどうだろ?そんなことを考えながらドリアを食べる。
「うん。美味しい!」
安くておいしい!学生からファミリーにまで好かれる理由もわかる。
「こちらのオムレツも美味しいです。」
翼も満足そうである。二人そろって食べることに夢中になった。
「美味しかったですね。」
私も頷いた。丁度いい満腹感である。これは昼いらないかな・・・
「どうする?勉強する?それとも歌詞を見る?」
私はドリンクを飲みながら、翼に選択してもらう。
「それでは、勉強を最初にしてしまいましょう。楽しいことは後から?」
「了解、それじゃ始めようか」
楽しみは後に、そう言ってもらえると嬉しい。
時間は、流れていく。
基本私に、苦手と呼べるものはない。平均以上は獲れるのだから。
私は翼と、勉強を見せ合いながら進めるのだった。
ファミレスという喧騒の中でも、一度集中してしまえば、問題はない。
ただ、数をこなして理解を深めていく
開始から、ちょくちょく休憩を入れつつ、早くも14時になろうとしている。
ここで私達は長めの休憩をとることにした。
「えりかさんと一緒だと勉強がとても進みますね。」
「ありがとう。翼のおかげで私も進んだよ。」
実際彼女に、教えることなどないと言ってもいいくらいだった。
私も勉強は、それなりと自負していたのだけど、総合で勝てる気はしなかった。
この勉強は、凄く有意義な時間になったと思う。
「ドリンク汲んでくるよ」
「ありがとうございます。」
お茶を汲んで席へと戻る。
そこで私は、この休憩中に歌詞を見せることにした。
「こんな歌詞になったんだけどさ・・・良かったらみて
色々と指摘してくれていいから・・・」
小さな声だな・・・もっと自信を持ちたいと思うのだった。
「ありがとうございます!これが歌詞ですね。楽しみです。」
翼がノートを開く、とても緊張する。
私はお茶を飲みながら、翼の反応を待つ。
汲んできたばかりだというのに、もうグラスの底をつきそうだった。
翼の方を、チラッと見てみる。とても真剣だった。
こういう時どんな表情で待てばいいんだ?
私は、心の中で唸っていた。
「お、お茶汲んでくる。」
席を外すことにした。少しドリンクコーナーで息を落ちつけよう。
「ふぅ・・・・・」
長い息を吐き出した。私はお茶を汲んで再び戻る。
まだ歌詞を見ているようだった。
「私達の名前の入った歌詞ですね」
翼がやっと口を開いてくれた。
そして改めて言われると恥ずかしいのであった。
世の中の詩やポエムを隠す人の気持ちがわかった!
歌詞って結局自分の気持ちじゃん!!告白してるじゃん!
こうして目の前で言われると・・・私は机に突っ伏した。
「う・・・うん。輝くをワードに三人で向かえたらなって・・・
改めてやると幼稚っぽいっというか、あれかもだけど」
私は恥ずかしいので、視線を合わさずに歌詞の説明をする。
「とても良い歌詞だと思います。この歌詞からえりかさんの思いが伝わってきます。」
私は、また机に突っ伏した。そんな恥ずかしいことを真顔でいうなぁ!
だけどこれは嬉しさもある。恥ずかしいのも事実だけど。
翼は綺麗な声で言った。
「この歌、歌ってみたいです。曲を作って、この歌のように輝きを目指したい。」
ぁ・・・私の言いたいことを言ってくれた。
想いが伝わったと思った。私は、まだ恥ずかしいけどその言葉で顔を上げれた。
「あとは曲作りや、楽器ですね?細かい所は、一通り終わった後でいいと思います」
翼が言う。
「そうだね。曲の作りは夢乃が上手いね。頼んでみよう。後は、衣装とか・・・」
どうせならできるもの全部してしまおうか・・・
「衣装ですか?・・・そうですね。そちらはもし良ければ、私に任せてください。」
まさかの翼が手を挙げた。
「着物・・・とは別物だと理解しています。ただ同じ服の道、試してみる価値はあるかと」
私は嬉しかった。ここまで力になってくれることに
メンバーになってくれた。それだけで十分だと思ってたのにさ・・・
やばい・・・また涙が・・・
「えりかさん?・・・・・・大丈夫です。一緒に素晴らしい夏休みにしましょう」
夢乃とはまた違う。とても優しい声で慰めてくれた。
しばらくして落ち着いた。
また涙を流すなんて、恥ずかしいけど歌詞と比べれば、どうってことはない
ただ、私って案外もろいなと、そんなことを考える。
「勉強を再開しましょうか?」
私は頷く、夢乃の部活が終わるまで、勉強を続けるのだった。
夢乃には、喫茶店からファミレスにしようと告げた。
もうかれこれ6時間近くか?そこまで忙しいファミレスでなくてよかった。
店員さんの目も厳しくない。
そして16時に夢乃が到着である。
「お待たせー!お腹すいた!とりあえずドリンクとなんか頼む」
店員さんを呼び出して、ハンバーグドリアを頼んだ。美味そう・・・
「こんにちは、夢乃さん」
「お疲れ様」
私と翼が、夢乃を労う。吹奏楽は、運動部に負けずとハードな部活動だ。
「それで?歌詞できたんだよね?みたい!」
早速だけど、勉強する気で来てはいないだろう。私はノートを差し出す。
「ふふふ・・・これがえりかの秘密のノートですな」
逆にそんな軽口を言ってくれた方が、心も穏やかなのだった。
「ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
けど、やっぱり沈黙した。基本真面目な所は真面目である。
しかし、またこの空間だ。横では翼がにこにこしてるし!
そして私は、またお茶を汲みに行くのだった。どうせならお手洗いに行けばよかった。
戻ってから夢乃を見てみる、とても真剣だ。
翼も言葉を発しないので、このテーブルだけ、沈黙が流れた。
「・・・・ふふふ」
夢乃が少し笑い出した。
「いいねー!とても明るい曲だよ!三人の歌詞だね!?
えりかが、こんな明るい曲作れるなんて、夢乃さんびっくりー!」
・・・・・・・・・・・もう突っ伏さないぞ?
「でもえりかが、こんな明るい曲を作るなんて!これがアイドルですか!?」
やっぱり無理だった!恥ずかしい・・・顔をもう机に押し付けてしまいたい。
私のアイドル好きなんて、ここにいる二人しか知らないことだ。
時として、歌詞は作った人のイメージになる。
その通りだと思った。
「さっそくなんか、曲のイメージもできそうだよ。
でも凄いね!これ一日でしょ?」
夢乃がいう。
「本当に凄いです。一日で歌詞を書いてしまうなんて」
翼も一日という事を、思い出したらしい。
しかし、夢の事は、言わなくていいだろう。
私は、歌詞が浮かんできたとだけ言った。
「どうしよう?この後、時間があるなら私の家来る?
音楽色々とできそうだけど?」
夢乃が言う。
「私はこの後に、この衣装をイメージしてみようと思います。
私達に合う、衣装を作りたいです。」
翼が言った。
「え!?衣装作るの!?まじもののアイドルになる?」
「それはないけど、でもやりたいことやりたいなって」
私が夢乃に言った。
どうせならできることをしようと。
「やるならベストか・・・いいね!衣装、翼に決めた!」
ハイテンションな夢乃であった。
気づけば、ドリアを平らげている。
私は、夢乃の家に、久々に向かうことにする。
「それでは、また後で」
翼と駅のホームで別れる。
後から、グループメッセージで互いの進行も確認できるだろう。
「久々だね。えりかが、私の家に来るのも」
「そうだね。勉強忙しくて、全然遊べなかったし」
中学のころを思い出す。
夢乃の家は、私の家の駅を超えて、更に6駅先だ。
電車を使えば30分掛らずに着く。
そして駅から徒歩10分程度と呼んでいい場所にある。
24時間スーパーなど駅前に集中していて、とても住みやすい所だった。
ただいまー!元気な挨拶をしながら夢乃が家の扉を開けた。
「お邪魔します。」私も昔のように入っていく。
「あらあら・・・えりかちゃん?少し見ない間にまた大きくなった?」
「ご無沙汰してます。小母さん」
中学の頃はよく顔を合わせていた。
夢乃の母親である。
「私達、部屋で勉強するねー」
夢乃が告げて、二階へと上がる。
「さぁさぁ、どうぞ!久々に上がっちゃって!」
「うわぁ・・・」
まるでスタジオの設備が、一つの部屋に集められているようだった。
ここは夢乃の趣味部屋と呼べる。寝室は別にあった。
「音楽の道は極めようとすれば沼だよ!でも可能な限り買ってくれたけど」
相変わらず娘が可愛い両親のようだ。
「お茶とお菓子もってきたわよー?」
小母さんの声
「ありがとうございます。」
私が出て、受け取る。
「久々に来たんだし、ゆっくりしていってね?」
「ありがとうございます。」
長い付き合いだ、頭が上がらない。
「それじゃー音楽始めますか?」
勉強なんてする気がないのは、この部屋に通された時点でわかってた。
私は、両親にメールで遅くなると送る。
私と夢乃、そして翼の夜が始まる。
普段から小説好きで読んでますけど、趣味で書くのも大変だと痛感した次第です。
でも好きなので、頑張って続けられたらなと思います。