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明日はまだわからないけれど。  作者: 左文字 縫心
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小学生のとき、二年間病気で不登校だった女の子がいた。

その子は産まれた時から病弱で、入退院を繰り返していたそうな。

そして、小学5年に上がり、夏も間近な6月にその子は教室に入ってきた。


席がどこかも分からず、友達もほとんどおらず、教室に入ってはその子ーー阿木牛あぎうし野々ののかはそのまま時間が止まったかのように体を止めた。


そんな彼女は、高校生になった今、僕の側から離れないようになりました。

それも、家は決して近いと言うわけでも家族同士の付き合いがあるわけでもなく、ただ、僕が甘やかしたばっかりに……彼女は僕がいないとヒステリーを起こすようになってしまったわけで、僕の家に強引半ば居候することになってしまい、ほとんどの時間彼女と過ごしている。


小学生の時、誰も相手にしない彼女を暇潰しにとかまったのがよくなかったのか、それとも僕は何もしない方がよかったのか、それはわからない。

けれど、どちらにしても彼女の人見知りや口下手が加速したのは否めないのが現状である。


ただ、何年も一緒にいる内に彼女に対して思ったことがある。

それはーー彼女はまるで〝ペットみたいだ〟ということだ。

何もしなくても着いてくる。かまってとちょっかいを出してくる。抱き着いてくる。言うことは聞くが、たまにわがまま。家族にも礼儀正しいが、基本下に見て僕を引き合いに出す。機嫌は僕の態度しだいで変わる。

他にもいろいろとあるが、別に、彼女を咎めようとかは思わない。これは僕が招いたことであり、彼女との付き合いはこれからも続くのだから。


まあ、それは別に恋愛的にではなく、友人的にだ。

童顔で小柄、今では巨乳ちゃんと呼ばれる彼女は男子に人気であり、思春期な彼らにとっては僕が名前の通り牛のような胸を持つ彼女を独占しているのが気にしているようだった。

恋人として付き合っっていないのだから尚更だ。

だからって今更どうこうしようとは思わないわけで。それでも周りは納得も容赦もしないのだ。

男子が恋愛なら女子も然り、恋愛絡みも含め私怨の矛先が僕を巻き込み阿木牛野々花に向く。


それはそれとして、最近部活によく誘われるようになった。と言っても、僕は特別何もできるわけでも何がしたいこともない。そもそも部活って何をしたらいいかわからない。阿木牛だっているし。

それでも何でか誘われる。何度丁重にお断りしても、あらゆる手段で誘われる。

何の部活かもわからない、名前を聞いても噂を聞いてもわからない。だから知るためにもと誘われる。

結局はお断りするんだけども。


とか、いろいろとあって大変なのかわからない高校生活が最近だ。

明日はどうなるかわからない。僕はどうしたらいいかもわからない。

何かを始めたら何かが変わるのか。

僕は目を閉じて視界をブラックアウトした。

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