君がいない
好きになるのは一瞬なのに
忘れ去るには
こんなに時間がかかるのはなんでだろう。
昔、友達が言った
「ショックは思い込みの2乗に比例する。」
言った後、得意顔だった友を
僕は哀れみの表情で見返したっけ。
失うまで気づかなかった
自分勝手な思い込み。
別れの足音に気づかずに
ずっと一緒にいられると
信じていた日々。
冷たくしたこともあったけど
君がくれた優しさは
いつも暖かく
僕の心のトゲを
跡形もなく溶かした。
季節は秋
あれからもう1年が経過していた。
人の細胞は
2年で全部入れ替わるって
聞いたことがあるけど
僕は半分だけでも
新しい自分になれているんだろうか。
あのとき
全身で君を愛した僕は
半分になってしまったのだろうか。
君に初めて触れた日
そして最後に触れた日
一緒に過ごす時間は
光の速度で過ぎ去って
また会える時を待つ長い時間が
愛をより大きく
そして強くした。
そして今
あんなに長く感じた時間さえ
遠く輝いて見える。
季節が変わり
思い出がセピア色に変わっても
白い肌
その香
君を思うとき
そこだけが鮮やかに色を取り戻す。
過ぎ去っていく時間は僕を変えていくけど
変わらない想いがある。
君に会いたい。
初めて出会ったコンビニ
スイーツの棚
君がいた景色は変わらないけど
君はもういない
もうどこにも売っていない
豆乳風味。
ダイエット効果が怪しい
豆乳風味。
風味って言っている時点で
豆乳じゃない
豆乳風味。
君のいた場所に
新しいフレーバー。
そして
もう君はいらない。
最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。
他の作品も読んでいただいた方には
大変申し訳ありませんが
いつものパターンです。
今回は恋愛小説風味です。