何より深く愛されてたらしい。
今回新しく出てきた人はメインヒロインです。
大事なことなのでもう一度、メインヒロインです。
彼女の恋を、応援してね!
謎の美少女二人組が二日滞在して、今日帰るようだ。
散々遊んで食って騒いで寝て、やっと解放される。
二人の相手をしている時に来た挑戦者は、三階か四階で脱落してしまった。
未だに五階まで行ける人達がいない。
四階のボスであるグリフォンのグリンが、風で穴に落とせば早く終わると学んでしまったようで、皆落ちて行く。
ステータス的には倍以上の相手も、余裕を持って退けている。
まあ、サクサク進まれても次の階層の作成が終わらないので助かるが、あんまり進まな過ぎるのもどうかと思うけど。
そして、ホシちゃんとノーちゃんと呼ぶ許可を貰った。
それはさておき、二人を早く追い出して次の階層を創りたいんだ。
明らかに面倒の元である二人を、いつまでも留めておきたくない。
いや、良い子達なんだよ?
ホシちゃんは元気で明るくて見てるだけでも元気になれる子犬みたいな感じで、ノーちゃんは冷静だけど内心では大分興奮してたりする子猫みたいな感じだ。
滞在期間中いろいろと相手をしていたら、何故か懐かれたし。
十三階層の宿屋を出て、帰る二人の頭を撫でてやる。
こういうことをされたことが無いらしく、してやると凄い喜ぶ。
「うぇへへ♪」
「えへへ♪」
ステータスさえ気にしなければホント可愛いな。
妹が居たらこんな感じなのかな?
「それじゃあ、またね!アイリスお・に・い・ちゃ・ん♪」
「アイリスさん、また遊びに来ますね♪」
「あぁ……うん、またね」
遊びに来ちゃうのか。
次は一週間滞在しそうだな。
帰る瞬間、二人が爆弾を落としていった。
「あ!そう言えばポイント追加しといたから!」
「は?」
「468895Pだったのが、10468895Pに!」
「へ?」
ちょっと意味が分からなかった。
前回の十倍?
え?何に使えっていうの?
チートっすか?
「あぁ!私も言うの忘れてました!」
「……なに?」
「お仲間です!」
ノーちゃんが自身の翼から羽を一枚取り、フワッと投げると火の玉?人魂?になって、一人の成人女性になった。
この人確か、隣の部屋の……名前なんだっけ?
「アイリスさんと同じような死に方でしたので、連れて来ちゃいました♪」
「えぇ……」
「それじゃあ、彼女と仲良くしてくださいね?」
「ばいば~い♪」
前回同様パッと消えていった。
そして残された俺と女性。
黒髪の長髪で、眼の下に隈があり、なんか不幸オーラが漂ってる。
ホラー映画に出て来そうな外見。
うむ、やっぱり隣の人だな。
結構印象的な人だったから覚えてる。
とりあえず、ステータスを見て見る。
☆☆☆☆☆
名称未設定
種族:人間
職業:術師
LV0
HP60
MP1
ATK:5
VIT:4
INT:30
DEF:1
MDF:計測不能
AGI:1
DEX:17
LUK:計測不能
戦闘スキル:呪う
特殊技能:【不幸】【魔法無効体質】
魔法技能:【呪術】【陰陽術】【黒魔術】
技能:【痛覚無視】
称号:【嫌われ者】【恋する乙女♪】【幸福喰いの呪いをかけた者】
【不幸】持ってるととにかく不幸が訪れる。
幸運を持っている人の傍だと相殺される。
【魔法無効化体質】まんま♪MDFがぶっちぎれるよ♪
回復魔法などの正の魔法は普通に効果あり。
【呪術】呪いのエキスパート!
【陰陽術】日本固有の神秘の技術♪
【黒魔術】悪魔とか召喚できる!
【○○無視】~無効と違い我慢するだけ。
【嫌われ者】出会った人に嫌われやすい。
【恋する乙女♪】誰に恋してるか、それは乙女の秘密♪
【幸福喰いの呪いをかけた者】誰にかは言えないんだな、これが。
☆☆☆☆☆
……元同じ世界出身者から言わせてもらおう。
何者?
てか、俺の呪いってこの人じゃないよね?
ま、まさかな。
とりあえず、起こしてみるか?
「お隣さ~ん、起きろ~」
「……ぅ……ぅん」
彼女の身体を揺すっていると、呻きながらゆっくりと眼を開けた。
そして、お互いに無言で見つめ合うこと10秒間。
「ぁ、ぇ?なん、で?」
「えっと、自分が死んじゃったの憶えてますか?」
「……はい」
「まあ、今いる場所を分かり易く言うと、死後の娯楽施設?」
「……そう、なの?」
「そうなんです。とりあえず、宿は入りましょう?」
「宿?」
お隣さんをお姫様抱っこし、出たばかりの宿に戻る。
人がいるわけではないので、ロビーのソファーにお隣さんを座らせ、俺も対面に座る。
しかし、相変わらず暗いな~
この暗さが無ければ結構モテそうなのにね。
ホラー顔に視線が行きがちだけど、スタイル良いんだよ。
出るところは出て引っ込むところは引っ込む理想的な体形だし。
でもやっぱり顔が怖いんだよね。
俺は別に気にしないけど、本人が自分に自信持たないから、俺の知る限りでは誰かと付き合うとかは無かったかな?
てか、それはどうでもよくて、今は彼女だ。
「いろいろ話すことはあるんだけど、とりあえず名前どうしようか?」
「ぇ?……ぁ、思い出せない……」
「俺はアイリスって名前なんだけど……どうする?」
「……ァヤメ」
「アヤメか。良い名前だな」
「……ん」
ホントおとなしい子だな。
そして【あ】【え】は発音が若干小さい癖、直ってないんだ。
しかし、どうしようか?
とりあえず、今の状況の説明だな。
この世界が剣も魔法もあるファンタジーであること、今いる場所がダンジョンであること、これからどうするかを話した。
「……ァイリスさん、大変?」
「あ~まあ、大変かな?」
「私も、大変?」
「ん~ステータスにダンジョン関係の項目ある?」
「……ない」
「じゃあ一般人扱いかな?とりあえず、このダンジョンには好きなだけいて良いよ。人間じゃない奴しかいないけど、皆良い奴だから安心していいよ」
「……ぁりがとう」
というわけで、お隣さん改めアヤメをほとんど野生に返りかけてたユニコーンのユニーに護衛させ、ミーアの酒場で過ごしてもらうことになった。
さて、じゃあ俺は次の階層を作り始めようかな。
◇◇◇
視点・アヤメ
あの人は、優しかった。
私なんかに、優しくしてくれた。
あの人だけは、ずっと私に優しくしてくれる。
あの人と一緒にいる時が、一番幸せだった。
初めて会った時は、嘘吐きだと思って呪いをかけた。
でも、ずっと笑いかけてくれた。
あの人が死んでしまった時は、世界から色が無くなって、生きる気力が尽きてた。
でも、また会えた。
また、優しくしてくれた。
あの人は、ずっと変わらない。
変わらず、私に優しくしてくれる。
私は、あの人が好き。
私は、あの人を愛してる。
私は、あの人と生きていたい。
あの人の隣じゃなくてもいい。
私は、あの人と一緒にいたい。
ずっと……ずっと……永遠に。
「アヤメ、一緒にご飯でも食べない?」
「……食べます」
「そか、じゃあ行こっか」
「はい」
私は優しい貴方を、愛してます。
貴方は私を、愛してくれますか?
ホシちゃんの悪寒?
な、なんだろう……なにか、間違ったことしちゃった気がするよ。
……だ、大丈夫だよね!
……………アイリスお兄ちゃん、大丈夫かな?
ノーちゃんの置いてった人間、アイリスお兄ちゃんと結構関わりがあるみたいだし……う~む、わからんじぇ!!
また遊びに行けばいっか(^∀^)
次はカメラとか持ってこ~(≧▽≦)ノシ