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ダンジョン挑戦者達のその後。

名前の出た人達は、一応主要人物予定です。

前は出てきたのに、今回出てきもしない人達はただのモブです。

バランス重視の五人の場合。

ダンジョン再挑戦の準備中。


「なぁ、やっと金も前ぐらいまで貯まってきたし、そろそろもう一回行くか?」

「そうだな……明日、もう一度行っておくか?」

「俺、あそこ嫌い」

「子供じゃないんだから……」

「そう言うクレサは、またあの果物が欲しいだけなんじゃないの?」

「バ!?違うわよ!!」


戦士ラック、剣士ブレイド、盗賊シーフ、魔法使いクレサ、僧侶エレナの順番である。

【不殺の迷宮】の傍にある町の酒場で相談していた。

彼等はBランクパーティーで、この町では有名なチームである。

ランクは依頼紹介所という所に探索者として登録すると、自動で付いてくるものだ。

最初はGで、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSと上がっていく。

パーティーのランクはSが最高となっている。

SS、SSSはパーティー用のランクではなく、個人用のランクだ。

SSは個人で竜種以上を討伐出来る者がなれるランクだ。

SSSは過去に魔王と呼ばれる化物を倒した勇者がそのランクにいたことから、魔王を倒した者のみがそのランクに至れる。

現在SSSランクの探索者は存在しない。

SSランクは11人存在している。

それはさておき、彼等は【不殺の迷宮】で死んでから失った金やアイテムをやっと集め終ったので、再挑戦するかしないか悩んでいた。

もっとも、嫌がっているのはシーフのみ。


「じゃあ、お前留守番な」

「え?」

「お前は情報でも集めとけ」

「は?」

「ホントチキンよね……一生ビビッて生きてれば?」

「へ?」

「私達がシーフの仇を討つからね!」

「ちょ!?」


シーフを置いて、四人が酒場から出て行く。


「……お、置いてかないで!?」


追い駆けるシーフ。

この五人は、またあのダンジョンに挑戦するのだった。


◇◇◇


剣聖と魔導士、【双翼の魔剣】の場合。

彼女達二人は、探索者でもトップの実力を持つSランクパーティーの【双翼の魔剣】だった。

個人でもSランクである。

剣聖はエリス、魔導士はソフィアという。

二人は宿の部屋で向かい合って話していた。


「あぁ~状態異常どうしよ~」

「もっと対策考えれば私殺されなかったかもね」

「あの時のって混乱だよね~」

「もっと警戒してれば私殺されなかったかもね」

「……まだ怒ってるの?」

「全然。怒ってるように見える?」

「だからごめんってば!」

「何が?」

「アンタもしつこいわね!!いい加減一緒に対策考えてよ!このままじゃ悔しいじゃない!!」

「それをアンタが言う!?どんだけ痛かったと思ってんの!?」

「「うぐぐぐぐ……」」


何故か取っ組み合いを始める二人。

数分後、疲れ果てた二人は二つあるベッドに同時に倒れ込む。


「「……明日、また考えよ」」


そして、二人は眠りについた。


◇◇◇


勇者一行の場合。

勇者レオン、戦士ゼナ、武闘家ファーフェ、盗賊レスティア、魔法使いヴィオラ、僧侶レミーの勇者一行は教会にいた。

【不殺の迷宮】の第三階層で、ハイゴーストのハイドに襲われてまともに探索する前に全滅してしまったのだ。

僧侶は静かに祈りを捧げているので、他のメンバーはあのダンジョンについて小声で話し合っていた。

祈りの邪魔をすると、一週間は戦闘後に僧侶が回復してくれなくなるからだ。


「レスティア、あの階層どうみる?」

「部屋の形が全く同じ。傷を付けて分かり易くできない。物を置くと一定時間で迷宮の主の所に転移してしまう。時間をかけて地道に探すか運任せかしかない」

「でも時間かけるとあのゴーストが出てくるじゃない!どうしろって言うのよ!」

「怒らないの~まあ、あのゴーストに対応できるのがレオンの聖剣かヴィオラの魔法かレミーの神聖魔法だけだもんね~私達前衛は役立たずだし」

「魔導具の類でもあれば、あの階層を抜けるぐらいできるかもしれんが……」

『……どうする?』


レオン、レスティア、ヴィオラ、ファーフェ、ゼナがそれぞれの意見や感想を言い合うが、はっきり言って攻略法が思いつかないのだ。

ちなみに、魔導具というのは……【不殺の迷宮】の主アイリスが作ってるような魔法効果のある武器や防具なんかが代表例。

もっとも、アイリス作の魔導具は外で手に入るモノよりも圧倒的な性能を誇ったりする。


「そういえば、ラックさん達のパーティーがもう一回挑戦するらしいね。僕達ももう一回行こうか?」

「もっと情報収集してからの方が良いと思う」

「あの迷宮創った奴、絶対頭可笑しいわよ」

「そうかな?あんまりそんな感じしないけど……」

「あぁ、なんと言えばいいのかわからんが、あの迷宮からは悪意といったものが感じられない……じゃなきゃ、私達はもう死んでる」


ゼナの一言に、全員が黙る。

そう、普通なら死んだらおしまいだ。

こんなことを考えることすらできない。

だが、あのダンジョンでは死ぬことが無い。

死んで失うのは持っていた金とアイテムがいくらかだ。

どれだけ巧妙に隠していても何時の間にか無くなっている。

レスティアの隠し貯金が無くなって、涙目になっていたので間違いない。

でも、宿に置いておいたアイテムや小銭は無くならなかった。

つまり、持って入りさえしなければ盗られることはないということだ。

あくまで彼等の仮説だが、大体合ってる。

彼等は装備も持っていかれるかもと考えているが、装備は絶対持っていかないのだ。

それが、アイリスクオリティー。


「そう、あの迷宮は神の試練なのです!神が齎した私達生きる者への試練なのです!!」


レミーの演説が始まる。

レミーは何故か異常なほど神を信仰しており、何か困難に当たると神の試練と言う、ちょっと残念な美人なのである。

そんなレミーの言葉は何時ものことなので、全員適当に相槌を打って聞き流しているのだった。

勇者一行は結局、もう少し情報が集まるまで待ちの構えをとることにしたのだった。


◇◇◇


【不殺の迷宮】主アイリスの場合。

第九階層の為に部屋を作っている最中だった。

只管掘り続ける作業。

偶に見つかる綺麗な石や鉱石、骨などを観察しては掘る。

外どうなっているのかも知らず、アイリスは今日もダンジョン運営をしているのだった。


「あ、竜の骨見っけ」

ノーちゃんの観察


今日も平和そうでよかったです。

それにしても、あの人のダンジョンは人気になってきてますね。

あのまま頑張ってほしいです。

あ、竜の骨見つけてます。

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