異世界に勇者は付き物だった。
サブタイ通り、勇者現る!
特に相手しません。
そして、勇者は男だ。
勇者メンバーの盗賊の方が気になるアイリス様。
そして、他のダンジョンの人がそのうち来ます。
次回は、ダンジョン外の町の冒険者達の話になるかも?
九階層をいざ作ろうとしたら、ダンジョンに一つのパーティーが入って来た。
リーダーらしき美青年のステータスを見て、物凄く驚いた。
☆☆☆☆☆
レオン・アッシュベル
種族:人間
職業:勇者
LV49
HP1703
MP825
ATK:1018
VIT:300
INT:663
DEF:411
MDF:404
AGI:399
DEX:564
LUK:777
戦闘スキル:無し
特殊技能:【光の加護】【強運】
魔法技能:【火魔法LV3】【風魔法LV3】【光魔法LV5】
技能:【指揮】【剣の天才】
称号:【英雄】【救世主】【諦めぬ者】
【光の加護】状態異常にかかりにくいよ♪
ついでに、呪いは無効だじぇ!!
【指揮】パーティーでリーダーだった場合、連携がしやすくなるよ♪
【剣の天才】大抵の剣術および剣技が見ただけで出来るようになるのだ!
ちなみに、この世界での剣術は殺さない必殺技で、剣技は殺す必殺技だよ~
【英雄】wwwww(笑)
【救世主】wwwwwwwwwwwwwwwwwwww(爆笑)
【諦めぬ者】別名、諦めの悪いストーカー予備軍(失笑)
☆☆☆☆☆
技能の解説は相変わらずだが、今回はちょっと面倒な相手っぽいな。
今更だが、職業の無い俺はモンスター扱いなのだろうか?
あと、戦闘スキルはモンスター限定のモノなのだろうか?
そして、こいつ等上手く進んだら間違いなく俺を殺しに来るだろうな。
理由とかも聞かずに見敵必殺で。
だって勇者だし。
他のメンバーも戦士、武闘家、盗賊、魔法使い、僧侶の堅実メンバーだった。
ちなみに、勇者以外全員女である。
美人美少女だ。
クール系っぽい美人、僕っ子っぽい美少女、無口っぽい無表情美少女、ツンツンしてそうな美少女、おっとりしてそうな美人だ。
だからどうしたって話だけどな。
それより、勇者がいるなら魔王もいるのだろうか?
もしかしたら、ダンジョン経営者はこの世界じゃ魔王扱いなのかもしれないな。
だとしたら、この勇者は間違いなく俺を殺しに来たんだろうな。
どんな会話をしてるか気になるな。
空間魔法と結界で、隠れてついて行ってみるか。
◇◇◇
「ここが殺されても死なないと噂の【不殺の迷宮】か」
「Sランクパーティー【双翼の魔剣】が二階層すら攻略できなかったらしいから、気を付けて行こうか」
「はぁ?気を付ける必要なんてあんの?私達なら今日中に攻略できんでしょ」
「え~今日中は無理じゃないかな?だって、一階層の情報は何組かのパーティーから集められたけど、二階層は最初の所しか情報無かったし、いくら僕達でも無理じゃないかな?」
「我等に神の御導きが在らんことを……うん、これで大丈夫だね~」
「……ん」
そう言ったのは勇者、戦士、魔法使い、武闘家、僧侶、盗賊の順である。
そして、盗賊だけが俺の隠れている方を見ていた。
ステータスの確認を勇者だけでやめていたので、こちらを見ている盗賊のステータスを見る。
☆☆☆☆☆
レスティア・イーディアス
種族:人間
職業:盗賊
LV41
HP493
MP288
ATK:401
VIT:111
INT:150
DEF:99
MDF:108
AGI:888
DEX:725
LUK:469
戦闘スキル:無し
特殊技能:【隠密】【直感】【観察】
魔法技能:【土魔法LV1】
技能:【罠作成LV2】【罠発見LV6】【罠解除LV4】
称号:【情報通】【第六感に目覚めし者】
【隠密】自身よりLV-5以下の者は姿を見ることができなくなる。
【直感】なんか鋭いwww
【観察】良く見て間違いなどを見つけるのが上手いのです!
【罠~】まんまだよ~
【情報通】知って無いようで、実は知ってるかも(笑)
【第六感に目覚めし者】かなり鋭いwwwww
☆☆☆☆☆
他のメンバーは、戦闘特化系が多かったので詳しく見てない。
しかも、一番強いのが勇者だし。
だが、この少女はまずいな。
薄々俺のことに気が付いてる感じだ。
不可視の結界越しに見つめ合うこと数秒、盗賊は何事も無かったかのように勇者一行の先頭に立って歩き始めた。
俺が見ていることを仲間に言わない理由はなんだろうか?
アレか?殺気とか敵意が無いからか?
まあいい、そのままついて行ってみる。
ウーちゃん達は闘技場で特訓してもらっている。
今回のメンバーも、どうあがいても勝てそうになかったからだ。
勇者一行は一階層の情報からか、まっすぐボス部屋へ直行する。
戦闘、瞬殺、二階層へ。
羅刹も、もうちょっと強くしないといけ無さそうだな。
今度物理無効でも付けてやるか?
そして、第二階層に侵入。
盗賊からチラ見をされつつ、森の中を彷徨う。
異常に濃い霧がと足跡を隠す草が、勇者一行を迷わせる。
ミキは勇者に瞬殺されてた。
混乱効かなかったんだな。
「なんか、進んでる気がしないんだが」
「迷ったか?」
「虫が出ないだけマシ、と思うしかないみたいね……もういっそ燃やす?」
「良いんじゃない?そろそろ精神的に疲れてきたよ~」
「まぁ、こんなに美しい自然を壊すだなんて……神はお許しくださるでしょうか?」
「……」
燃やすね……燃やせるなら、どうぞみたいな?
魔法使いが火魔法を使って森や草を燃やそうとしたが、焦げ跡一つ作ることなく火魔法が消えた。
「ちょっとなによそれ!?ふざけてんじゃないわよ!!」
「まあ、こんな結果になるだろうとは思ったけど……」
魔法使い以外はこうなると予想していたようで、そのまま森を彷徨う。
魔法使いはイライラしながらその後について行った。
……一人ずつ、人数減らしてみようかなぁ~
いや、ここで俺がなんかしたら意味が無い。
このまま観察しよう。
彷徨うこと3時間、やっとボスエリアに辿り着いた。
はっきり言おう、こいつ等じゃキリさんの弱点を突かない限り絶対に勝てない。
キリさんの弱点は、三つの赤いリンゴ。
ちなみに、物理以外では落とせない仕様だ。
盗賊が弓を使えるようなので、キリさんの弱点に気が付くかどうかだな。
戦闘シーンは詳しく見ても、俺のステータスじゃ何の役にも立ちそうにないので、盗賊の観察だけをしておこう。
「一階層のボスより、強すぎないか!?」
「チッ!まったく近づける気がしないんだが、な!!」
「なんなのよこいつわ!!全然燃えないんですけど!!なんなのよこの森はぁぁぁ!!!」
「ちょっと落ち着きなって~そんなんじゃ負けちゃうよ~あぶな!?今僕のこと狙わなかった!?」
「このままでは負けてしまいますね……そう、これは神のお与えになった試練なのですね!」
「……ふぅ」
見てて思ったんだが、こいつ等全然連携しないのな。
なんというか、チーム戦っていうのが向いてないんだろうな。
たしかに個人としての戦闘力は高いんだけど、パーティーであんまり戦ったことないんだろうなって感じだ。
特に魔法使い。
技能的には、勇者が指示をするべきなんだろうが……キリさんが強すぎるせいでまともに指示を出せないようだ。
でも、喋る余裕があるなら出来ると思うんだがな。
そうこうしているうちに、盗賊が三つのリンゴを落とした。
キリさんは攻撃をやめ、本来の十分の一の経験値を勇者一行に分配して普通の木に擬態する。
キリさんは、技能に擬態を持っていないので、俺が結界を張るようにしてある。
攻撃できない代わりに、攻撃されても無傷でいられるのだ。
そして、キリさんが擬態することで閉まっていた次の階層への扉が開く。
「この迷宮……なんか、変だな」
「普通の魔物がまったく出ない。ボスを倒すと次の階層へ行ける。ボスに何かしらの弱点が用意されている……」
「この迷宮創ったカスは頭がおかしいのよ!!」
「え~死んでも死なないからこれでちょうどいいんじゃない?」
「この迷宮からは狂気や邪気が一切感じられません……きっと私達への試練として神が遣わした使者の創りし迷宮なのです!」
「……」
あの僧侶が言ったこと、微妙にあってそうなんだが。
こいつ等、次の階層行くのかな?
多分、次で終わるな。
これ以上は見る必要がなさそうだ。
盗賊に一枚のカードを投げて、何時もの場所に転移する。
盗賊に投げたカードは、このダンジョンに一人で来た時一回だけ入口魔法陣の隠しが見えるようになる効果がある。
ただ、この効果で見つけた隠しは、一人の時以外見ることはできなくなるようになってる。
というか、一人の時しか思い出せないのだ。
細かいことは置いといて、アイツ等は全滅確定だから……落とすアイテムでも確認させてもらうかな。
そしたら、九階層やりますか。
◇◇◇
視点・孤高迷宮の主
雲の上まである巨大な山脈に存在する小さな神殿。
その中にある一つの王座に座る者がいた。
そして、その者は何かに気が付いたかのように外を見る。
「ふむ……新たな迷宮の主が誕生していたようだな」
かの者は、ゆっくりと王座から立ち上がり歩き出す。
折角だ、見に行くとしようか……無様を曝す主ならば―――
「殺すまでよ」
ホシちゃんの笑い
勇者いたんだwwwww
メッチャあしらわれてるwwwww
でも、今までで一番進んだね?さっすが勇者(笑)
ん?うげ……アレ来るのか~
嫌だな~
そうだ!保険をかけておこう!
何にしようかな~
ん~誰か強くすればいっか!