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プロローグ
やけに心地よい微睡の中で思う。
死にたい。
目を開けるのを腫れた瞼のせいにして諦める。
死にたい。
掠れた音しか出せない声で呟いてみる。
死にたい。
思考も発声もできるという事実を認識して、
再び眠りにつく。
束の間の平穏。
今だけの安全地帯。
そんなことは、とうにわかっている。
けれど。
どうか赦してほしい。
目が醒めたらまた、どうしようもない日常が続いていくことがわかっているから。
どうか、今だけでも。
薄れていく意識の中で、もう一度呟いてみる。
死にたい。
私は、そう。
死ねないから、生きている。




