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第二話「メタボなキューピッド」

突然現れた死神と奇妙な共同生活を送る魎斗。ある日、死神が大興奮しながら「キューピッドが現れた!」と報告してくる。嫌な予感がしつつも、半ば強引に連れて行かれる魎斗。


しかし、目の前に現れたのは…想像もしていなかった姿であった。


死神に取り憑かれてからというもの、魎斗は未だに死んでいない。むしろ、床屋に行った後からは、頭の中で死神と会話ができるようになっていた。


ある日、ベッドでメダカ専門雑誌を読んでいると、死神が慌てた様子で部屋に飛び込んできた。


「たっ!大変です!キューピッドが出ました!」


魎斗は興味なさそうに返事をする。


「へぇ~、報告お疲れお疲れ~」


すると、死神はカチンときたのか、魁斗の雑誌をスパコーンと変な力で吹き飛ばした。


「なにすんだよ!」


死神は魎斗の顔にぐっと近づけてきた。


「キューピッド!キューピッドですよ!あの、なかなか見ることのできない貴重で可愛い天使ですよ!」


少し興味が湧いた魎斗は、窓から目の前の本屋を覗いてみた。確かに、輝く何かがいる。


「すげー光ってるな」


死神はワクワクしながら言った。


「キューピッドに会いに行きましょう!」


強引に連れて行かれ、キューピッドに会いに行くことになったが…。


「おい、カマ野郎。こいつのどこが天使なんだ?ただのデブに天使の翼がくっついてるだけじゃねぇか」


死神も眉をひそめる。


「おかしいですね?キューピッドってもっとこう、可愛いのに…なんですかこれ?」


しかも、アダルト雑誌を読んでるし…。


「おい!おっさん!」


キューピッドは反応しない。

魎斗は溜め息を溢し、もう一度呼んだ。

「チッ、めんどくせぇな。キューピッド!」


すると、キューピッドは満面の笑顔で振り向いた。


「はーい!私は恋を叶えるキューピ…!」


魎斗は食い気味で言い放つ。

「るせぇ!変態天使が!天使が翼をパタパタさせてアダルト雑誌なんか読むな!」


キューピッドは反撃する。


「天使だって人間の女性に興味があるんです~!」


死神も魎斗に続く。


「てめぇがキューピッドだなんて認めねぇからな!!」

魎斗はビシッと親指を立てて家を差す。

「ハゲで、デブで、パンイチのキューピッドは存在しなかった!以上!さ、帰るぞ!」

キューピッドは顔を赤くして怒る。


「なんですとぉー!この弓で射るぞ~!」


魎斗は真顔で死神を盾にする。


「え?ちょっ!なにしてんですか!」


キューピッドは弓を限界まで引き、発射体制に入っていた。


ピロピロピロリン!


突然、キューピッドはパンツの中から携帯を取り出し、弓を背中に戻す。


「なに!?にゃんにゃん図鑑3が今日発売なのか!急がねば!さらば!」


メタボな腹を揺らして、どこかへと飛んで行った。


「今更、ガラケーかよ。オヤジだな」


魎斗は呆然とする死神を置いて、部屋に戻った。


めでたし、めでたし…続く!?

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