「午前7時、踏切に」
午前7時、踏切に
望遠鏡を担ぎに行っても
星なんて見える訳なく
遠くから此方に向かってくる電車を
望遠鏡で覗くことしかできない
午前9時に踏切に
望遠鏡を担ぎに行っても
やはり星は見えなくて
だいぶ遠くにある家の中の様子を
望遠鏡で覗くことしかできない
何でこんなことしてるかって?
というのも、俺の友人が
今更になってBUMP OF CHICKENの
『天体観測』という曲にハマっていて
「俺たちも踏切で天体観測しに行くぞ!」
と誘ってきてくれたのはいいものの
あいつ、冒頭の歌詞にある時刻をずっと聞き間違えていて
それで午前7時とか午前9時に
望遠鏡を持って踏切に駆り出された訳だ
聞き間違える訳ないだろ
午前2時だぞ?
せめて午前1時ならわかるわ
でも午前7時とか午前9時とか
朝じゃん
星見えねーじゃん
見えるわけないじゃん
このことを友人に伝えても
「いや、パイロットなら明るい空でも星が見えてるんだぞ」
って胸を張って言ってきてさ
いや、知らんて
まず俺パイロットじゃねえしな
けどまぁ
こんな歳になってもこの時間で
こんな馬鹿馬鹿しいことできるってのも
悪くはないのかな
そんなこと思ってたらまた友人から連絡きて
「ごめん、午前9時じゃなかった。本当は午前11時だった」
とか言い出して
もう無理あるだろ
確実にふざけてるだろうよ
ちなみにアイツ
歌詞どおりにベルトにラジオを結びたかったらしいけど
なんか、自前のベルトをもっていないらしくて
サスペンダーにラジオ結んでたわ
自前のベルト持ってないってどういうこと?