「春の季語」
お前、俺のこと怒らせたよな
あゝ
俺にもし
国語における【正しい】を裁定できる権利があるのならば
お前の名前を
いや、お前の存在を
「春の季語」として加えてやる
お前は恥ずかしがり屋で
春になれば花粉症に苦しむ典型的なSpring Hater
そんなお前が
憎っくき憎っくき春の季語として
加えられてしまうことを知ったら
さぞかし悔しくて
恥ずかしくて
地の果てまで走り去ってしまいたくなるだろう
だがお前は
俺を怒らせてしまった
俺を悲しませてしまった
俺に現実を思い知らせてしまった
後になってこれらのこともいい経験だと思えるようになるだろうが
それはさておいてお前は変な目に遭え
お前はこれから
「春の季語」となる
だからさっき夕飯時に見ていたテレビ番組で
「春の季語を入れて俳句を作りなさい」
そんなお題が取り上げられていたのだが
今後はその春の季語に
お前の存在も入ることとなる
よって今後例のテレビ番組で
「春の季語を入れて俳句を作りなさい」
そのお題がもう一度取り上げられたなら
お前の名前が入っている五・七・五の俳句が
ばんばん詠まれることとなる
そして俳句の先生から
「この季語をチョイスしたのは素晴らしい」
と言われながら
お前の名前を赤ペンで二重丸で囲むことになる
お前は屈指の恥ずかしがり屋だ
そんなことをテレビ越しにされたら
お前もう、外歩けなくなるだろ
あゝ
まだ足りないなぁ
俺の怒りはまだ、治まらないなぁ
俺の憎しみも
俺の悲しみも
悔いも、悩みも
こんな程度じゃあ、帳消しにならねえなぁ
決めたわ
やっぱ気に食わないから
「夏の季語」にも入れてやるわ
もうこれからは俺が気に食わない度に
国語において【正しい】とされるあらゆる定義に
お前の名前ぶち込んでやるから
覚悟しろ
って言ってるけど
俺まだ、その権利を有していないし
そんな権力も、ないんだよなぁ
はぁ〜つっかえ




