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「イッツ・ワ・リノー・マインド」
偽ることに慣れてしまったのは
いつからだっけか
偽りが暴かれるのを恐れて
心臓が破裂しそうになっていたのも
今となっては懐かしいな
偽りは便利だ
曝さない限りは
本当のこととなるんだから
考えることをやめたつもりはない
だけど考えない時間が増えてきたのは
偽りの代償なんだろうか
心はそこまで弱いつもりはない
だがふとした時に罪悪感に襲われるから
そんなに強くもないのだろう
偽ることに慣れてしまったのに
時々虚しくなるのは
きっとそういうことだろう
ウマイ話には裏があるという話を
今になって思い出した
偽りに塗れた人生
嘘で生き延びる人間だから
今日もまた自分を偽ってどこかを彷徨う
偽ることに慣れたから
ここがどこなのかも気にしなくなった
しかしふと思ってしまう
俺はいまどこにいる