「未来はスーパースター」
こないだ南渋谷駅の通路をとおっていた時のことなんだが
シンプルでスタイリッシュな今時の広告から
「未来」「スーパースター」という単語を感知した
俺は単語が目に入っただけで広告の内容はよく見ていなかったので
てっきり「未来のスーパースター」と書かれていると勘違いしていたが
よぉく広告を見てみたら、どうやら違ったようだ
未来はスーパースター
そう書いてあった
未来はスーパースター
確かに書いてあった
これはすなわち
未来がスーパースター
言うなれば
未来こそがスーパースターであり
未来のスーパースターについては
何も言うつもりはないらしい
未来こそスーパースター
まごうことなきスーパースター
過去も現在も
未来というスーパースターを前にしては
ただのモブ、凡人、否
未来というスーパースターを前に
ただひれ伏す存在でしかないと
いやはや俺はもう
絶句するしかなかった
お前さぁ、まだ実体のない未来そのものをスーパースターと崇めるよりもさぁ
これからの未来を生きることになる若い子たちの方を大切にした方がさぁ
よくねぇかぁ?
別に「未来のスーパースター」と煽てる必要はないからさ
未来に希望を持つのはいいことだが
現在のことも大切にした方がいいぜ
そう思うの俺だけかぁ?
ただ、この広告で使われている写真の中の
青少年もしくは爽やかそうな大人たちは
めっちゃキマりきった表情をしてやがる
なんか、もうこの表情しているのを見ただけで
「あ、この人たちには言葉通じないな」てのが
肌感覚でわかっった
いや、正確には
言葉は通じるだろうが
俺の説得は理解してもらえないというか
あるいはあの連中を説得できるほど
俺の言葉はそう洗練されていないというか
こういう時に俺は自分の弱さを実感するよ
俺には言葉で人を変えられるような力はない
上にもある通り、トンチキなことを言っている例の広告の方が
人を変えられる言葉の力を持ち合わせているだろう
俺は変に煽ったり奇を衒うことはしたくないが
強くなるにはそうするしかないのだろうか
ていうか南渋谷駅ってどこだよ