詩集：轆轤『六』ラグナロク

「見えないものを覗き込む時、見えないものもまたこちらを覗き込んでいる」

見えないものを見ようとして

望遠鏡を覗き込むと

見えないものが僕を見ようとして

望遠鏡を覗き込んでいました

僕たちお互い観測者

望遠鏡を覗き合う

僕たちどちらも被観測者

望遠鏡を通して求めていたもの

見えないものを見ようとして

望遠鏡を覗き込むと

見えないものが僕を見ようとして

望遠鏡を覗き込んでいたので

僕は相手に会釈をしました

見えないものはこちらに手を振ってくれました

そこから僕たちは始まったんだ

見えないものを見ようとして

望遠鏡を覗き込んだら

こんな出会いが待ってるとはなぁ

僕はこの望遠鏡のおかげで

君を見つけたよ

もしくは君がその望遠鏡で

僕を見つけてくれたのかな