表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

第八話 決着。そして、

 「おーい!おーい!聞こえる〜?」


 「うっ、うう。聞こえてるよ、一応」


 「それならよかった。痛い所ある?」


 あの後、そのまま少女は気絶してしまった。それと同時に、お互い服が、私は元々着ていた服に、少女は、元々着ていたであろう服に戻った。

 全く、意味がわからない力だ。

 「ない。てゆーか、話し方全然違くない?」


 「本来は、こっちだよ。さっきはちょっとハイになっちゃってただけ。」


 少女は、ふーんといってそのままゆっくりと起き上がった。背中についた土をポンポン払いながら、口をひらく。

 髪の色は、さっきまでのような奇抜な色ではなく、なったものの、まだ少し赤みがかかっている。

 そういう私も、少しピンクがかっているような?

 「なんで、あたしのこと殺さなかったの?すごい怒ってたじゃん」


 「うーん。だって、洗脳されてたでしょ、あなた。それに、あの『発動』には、洗脳を解く効果が、奇跡的にあったの」

 

 「よく気づいたねぇ。そうだよ。人を刺して回ることに疑問を抱かないように、コントロールされてたみたい。好きだよ」

 

 「見えたんだよ、あなたの中、魂がね。黒いのが張り付いてた。それを切り落としただけ」


 「こわっ。あの槍やばすぎでしょ」

 

 「それに、この力は、シオンちゃんを、色んな人を救うために使うって決めたから」


 「アナタって、随分なお人好しなんだね。普通、槍で胸突き刺した人のこと、助けたりしたいよ。愛してる」

 

 合間合間に、なんか言ってる気がするけど無視しよう。


 「もういいよ。さっきのことは水に流そ。ほら、私も、酷いこと言っちゃったし…」


「大丈夫。それよりさ、これからどうする気?まぁ、大体わかるけど」


 そう、これから。

 この、よく分からない力で、一番にやるべきこと。

 それは―


 「単刀直入にきくけど、シオンちゃんがどこにいるか分かる?」


 シオンちゃんの捜索と洗脳解除。


 「微妙だなぁ。一応私の持ってる情報だと、そのシオンちゃんっていう娘は、私のことを刺した段階では、もう、なんかよく分からない組織に捕えられていて、そこから脱走してきてた。みたいな感じだったよ。まぁ私もさっきまでその組織の一員だったんだけどね」


 「それで、そのっ」


 「因みに、組織の本拠地はわからないよ。残念ながらね。目的も何もかもがわからないんだ」


 情報が、少なすぎる。まぁ日本中探せば見つかるだろうが、少しでも絞りたい。


 「ちなみに、あなたが刺された場所ってどこ?」


 これで少しでも絞れれば…

 「ん?広島だよ。私、家がそっちなんだ」


 ふーん、広島。広島。


 「広島っ!?」


 「そ。広島」


 「ちょっと待って、ここ静岡だよ!?えっ何できたの?」


 「えっ、歩き」


 「歩きぃ!?」

 そんだけ、何にも考えず歩いちゃうわけでしょ。洗脳怖すぎぃ。

 

 「あのさ、こんだけ話してまだ名前聞いてなかったんだけど、アナタ、名前は?」


 そういえばまだ名乗ってなかったな。

 「私は、太呂川 桃。モモでいいよ。あなたは?


 「モモ、いい名前だね。こんないい名前をつけるご両親に挨拶しに行きたいな。婚約の。ま、それはそれとして。私の名前は、勝山 炎(かちやま ホムラ)。ホムラってよんでね」


 もうツッコミは、入れないでおこう。


 「よろしくね、ホムラ」


 「それで、なんだけどさ。モモは、今からシオンちゃんの捜索を始めるでしょ。そして、多分その過程で

、あたしみたいなな危ないヤツに会うことになると思う」


 うん、確かにホムラは、二重の意味で危ないかもしれん。


 「だからさ、一人より二人の方がいいと思うんだ!ほら、数的有利ってヤツ?だから、その…一緒に行っちゃうダメかな?」


 ホムラの、突然の提案に驚く。

 「別にホムラがいいなら、いいけどさ、なんで初対面の相手に、そこまでしてくれるの?広島に家もあるし、家族もいるんでしょ?」

 大体わかるけれども。


「あの…。あたし、モモちゃんに助けられてさ、その〜、恋しちゃったんだ。モモちゃんに!だから、ね。好きな人のことを助けてあげたいんだ」


 うん、知ってた。


 「でもほんとにいいの?好きな人の、彼女の捜索なんて」


 「いいよ!全然!探してる間に寝取っちゃから!」


 おいおい。それを大きな声で、しかも本人の前で言うなよ!


 「まぁ、いいや。じゃあよろしく。ホムラ!」

 

 「こちらこそ!モモ!」


 こうして、私たちの長い長いシオンちゃん捜索の旅が、始まったのだった。

九話執筆中!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ