第2章 大公開!大学生の勉強習慣
(いやホテルまで時間あるからって俺と松っちゃん以外トイレっておかしいやろ!他の班どこもさっさとバス帰ってたで!まだ余裕あるからって、さっさとしろよ!)
「ねえ悠矢君。」
「ん?」
「悠矢君って、白ちゃん好きだよね。」
「…え?」
「ねえ、白崎さんの事好きでしょ?」
「…分かる?」
「うん、なんかシラちゃんと話す時、なんかぎこちないもん。」
「でもそんなん言うたら松っちゃんやって山口の事好きやろ?」
(これ言ってええ事なんか?)
「えへへ、やっぱりバレてるかあ。まあ幼馴染だしね。」
「でも山口は気付いて無いと思うで。」
「まあ順也は鈍感だから。」
「山口も松っちゃんの事好きなんちゃう?」
「さあ、どうだろうね。」
(それどう言う意味?)
聞こうとしたが、村上が戻ってきたので聞く事は出来なかった。
「はいホテルに着きましたー!私とは明日までサヨナラでーす!」
「はいみんな、荷物忘れないようにしてねー。あ、班長はちょっと残ってもらっていい?」
「ええー。なんで?」
「村上君、文句言わなーい。」
ホテルはかなりボロかった。壁に耳を当てれば、廊下から部屋の声は普通に聞こえるし、食事もよく無かった。
「…風呂は眺め良かったな。」
部屋は、森田らの6班の男子3人と、5班の男子3人の合計6人で一部屋となっている。これは女子の方も同様である。
「ほんと、飯はアレだったけど。」
「あー!」
「なんだよ、村上。」
「さっき班の人に配れって言われた資料配るの忘れてたー!」
「何だ、そんくらい明日で良くね?」
「いやいやいやいや、怒られるでしょ。」
「じゃあ配りに行きゃあいいやん。」
「えー?なんか女子の部屋1人で行くの嫌なんだよね。」
「分かった分かった。俺らも付いてくわ。」
やっぱり女子の部屋もボロかった。しかも、女子は大声で話すから、普通に内容が聞こえる。
「…かな。」
恋バナである。
「白ちゃんは?」
「えー?私?えー?」
「だってまだ言って無いじゃん。」
「うー、今村君かなぁー。」
「え?白ちゃんも?」
「まあイケメンだし人気あるよねえ。」
(好きな人の好きな人って言われるとこんな嫌なんやなぁ。自分の事好きな訳ねぇのに。)
(チッ!)
(そういやぁ山口って今村と仲悪いんやったなぁ。)
今村とは2組の生徒で、才色兼備で、ドラえもんの出木杉君のようである。その為、女子からは人気が高いのだが、態度がやや上から目線なので、一部の男子から嫌われている。
もっとも、今村は仲の悪い人に何かするという事はないのだが。
「そういえば松っちゃんまだじゃん。」
「私?やっぱり山口かなぁ。幼馴染だし。」
松原は、仲がいい訳ではない人の前では絶対『山口』と言う。
森田と村上は山口を見た。もちろんニヤつきながら。
「…顔真っ赤やな…」
(こいつ、マジで気づいて無かったんちゃうか⁉︎馬鹿なんちゃうか⁉︎)
「…じゃあそろそろ入るか…」
(すっかり目的忘れてたわ!)
「何?」
「いや、プリント配れって言われたの忘れてたから。」
こちらは村上。
「…聞いてたよね。」
「……」
こちらは山口。勿論相手は松原。
「じゃあ10時だし寝るか。」
「あ、俺宿題するから。」
「山口って宿題持ってきてんの?」
(はぁ疲れた。明日が楽しみだ。)