実家のお花見写真を見てたらヤンデレ幼馴染みに襲われた。 っえ?
皆さんこんにちは!
前のお話が想像の1000倍読んで頂けてにまにましている抹茶風レモンティーです!
今回も楽しんで頂けたら幸いです!
俺は室峯桜花、よく女性らしい名前だと言われるが青春ど真ん中の現役DKだ。
そんな俺だが、実はめちゃくちゃ可愛い幼馴染みがいる。名前は猫宮有希。
有希とは幼稚園からの付き合いで、まるで実際の兄妹みたいに俺がいろんな所に連れ回していた。
よく有希のお父さんに怒鳴られたなぁ。
そして中学の頃、俺は偶然、有希がいじめられていたのを知ったんだ。
もうこれ以上無いくらい頭に来て、いじめてた連中全員に喧嘩売ってぼこぼこに殴り合った結果、地元に居づらくなったから有希と二人で上京してきて今は同じアパートの隣の部屋に住んでいる。…標準語覚えるのめっちゃ大変だったなぁ。
「おーい桜花、さっきから急に黙ってどうしたの?」
こいつは俺がこっちに来てから初めて仲良くなった友人、仲條結月。
俺の過去を知っても変わらずに接してくれている良い奴だ。おまけにまさしく美少年と言った容貌で、サッカー部のキャプテンも務めているもんだから超モテる。
…まぁ本人は気づいていないようなのが玉に瑕なんだが。
「?なんか貶された気がするっ」
「気のせいじゃないか?」
なんでこんな時だけ鋭いんだか。
「それもそうか。それで?結局なに考えてたの?」
「少し自分の事を客観的に見つめ直していたんだ」
「なにそれ?変な桜花」
…それ以上突っ込んで来るんじゃないぞ、メタくなるから。
「そんなことよりさ、聞いてくれよ、結月!とうとう俺の所にも春が来たみたいなんだ!」
「って桜花!声が大きいよ!皆めっちゃ注目してるんだけど!」
「ん?ぁあ悪い、悪い」
しょうがないじゃん。テンション上がっちゃうんだから。
「全く、ただでさえ僕と桜花が話してると何故か注目されやすいんだから気をつけてよ。盗み聞きされるのも気分悪いでしょ?」
俺たちの会話が盗み聞きされやすいのは間違いなく結月のせいだと思うんだけど。
「まぁ、それで?春が来たってどうゆうこと?桜花は有希ちゃんの事が好きなんじゃなかったっけ?」
そう、俺は有希の事が好きだ。自分では隠してるつもりなんだけど結月に言わせれば分かりやす過ぎるらしい。
「あぁ、違う違う。そっちじゃなくて季節の方。俺の地元、北海道ってこっちよりも春が来るのが遅いんだよね。それで一昨日やっと桜が咲き始めたらしい」
「なんだそっちかぁ。てっきり熱が冷めたのかと思ったよ」
…そんな訳ないだろ。はっきりいって俺には有希以外の女性なんて視界にすら入っていない。…まぁそれは言い過ぎかも知れないけど。
「それで、実家でお花見をやったみたいなんだ。見てこの写真!めっちゃ美しいと思わないか?!」
「だからテンション上がりすぎだって…それにしても…確かにこれはめっちゃ綺麗だね。誇らしげなのも頷けるよ」
「ふははは、これが俺の全力なのだよ、結月くん」
どうだ!凄いだろ!俺の実家の桜は自称世界一だからな!
「別に桜花が凄い訳じゃないけど?」
「…ちょっとトイレ行ってくる」
「ちょっちょ待ってって。別に貶した訳じゃないから。桜花にも良いところ沢山あるよ!例えば…」
…
「ねぇ今の聞いた!?室峯君春が来たんだって!?」
「くそぉ、桜花!リア充になりやがって!!有希さんという人がありながら、めっちゃ美しい彼女を作るなんて羨まっ…けしからん!」
…
「ね、ねぇ有希ちゃん、まだ室峯君に彼女出来たって決まった訳じゃないと思うんだよね?何かの勘違いかも知れないじゃん!」
「そ、そうだよ。だから、さ。この世の終わりみたいな顔しないでよ!きっと大丈夫だって!」
「…すみませんが体調が優れないので保健室に行ってきますね」
―保健室<猫宮有希視点>―
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
私は桜花君の事が好きだ。大好きである。むしろ結婚して子ども産みたい。そのくらい愛してる。
正直、好きになったのは必然だったと思う。
幼稚園の頃から引っ込み思案だった私を遊びに誘ってくれたし、中学の頃にいじめられていた私を、親ですら気づかなかったのに、桜花君は気づいて助けてくれた。
…あの時の桜花君かっこ良かったなぁ。一人で10人相手にして殴り勝ったあの光景は今でも鮮明に思い出せる。
きっとそんな風に助けられたらどんな女の子でも好きになっちゃうと思うんだよね。
その後、地元に居づらくなって二人だけで上京するときにお父さんを説得するのが凄い大変だったなぁ。
…それなのに、私は今朝聞いてしまった。桜花君に彼女が出来たらしい…
ねぇ…なんで?私たち幼稚園からの付き合いだよね?将来…結婚しようねって…約束したじゃん。幸せに暮らそうねって…言ったじゃん。大人になっても…一緒にいようねって…言ってたじゃん。"俺がずっと守ってやる"って…言ってくれた…じゃん。私で…良い…じゃん…
私…変わったよ。高校デビューして…可愛くなったよ。明るく…皆とおしゃべり…出来るように…なったよ。勉強だって…出来るように…なったよ。料理だって…掃除だって…洗濯だって…全部…出来るように…なった…よ。
私…桜花君に頼まれたら…なんだってするよ。宿題だって…やってあげるし…一生…養ってあげる。エッチなことだって…何でも…してあげるし……………人だって○せる…よ。
ねぇ…桜花君は私の事…どう思ってるのかな?いつまでも…手の掛かる幼馴染みじゃ…ないんだよ。もう…立派な…大人だよ?赤ちゃんだって…作れるん…だ…よ?
…ははっ…そうだよね。桜花君も私の事…好きだよね。
…他の女なんかに桜花君は渡さない。桜花君は私の物だ!私が一番愛してるんだ!!私と一緒にシアワセになるんだ…
―放課後―
「ねぇ桜花君、今日私の部屋に来ない?人気TPSゲームの最新作買ったんだよね。」
…まさか断ったりしないよね?
だって私たち愛し合ってるんだもん。
「?ん、確かにかなり久々だな。ちょっと待って、今確認とるから」
桜花君、今は私が目の前に居るんだよ。スマホなんて見て誰と話しているのかな?誰の許可が居るのかな?
昔は、よくそのまま私の家に遊びに来てたよね?あの頃みたいに何も気にする必要なんてないんだよ?
だって私たち結婚するんだもん。
「っん、なんとか許可が降りた。めちゃめちゃ釘刺されたけど。信頼してるから裏切るなよーって」
「じゃあ、行こっか」
…安心してよ桜花君、赤ちゃんが出来たら大切に育てるからさ。
―有希の部屋<室峯桜花視点>―
「有希の部屋に来るのも久々だなぁ。小学校以来なんじゃないか?」
「そうだね…桜花君ちょっとその辺に座ってて。お茶用意してくるから」
「お構い無くー」
それにしても綺麗に整った部屋だなぁ。同時期に上京したのになんで俺の部屋とこんなに差が出るんだろう?
…それにしても落ち着かない…
有希は俺が男だって気づいているんだろうか?こちとら思春期真っ只中の男子だぞ!好きな子の部屋に入ったら緊張するに決まってる!
「桜花君、お待たせー!」
「あ、わざわざありがと…」
そう言って現れたのは生まれたままの姿の有希だった…
!?!?!?!?
「ちょちょっっ待って!なんで裸なの!?とっ、取り敢えず服着て!」
初心な童貞男子には刺激が強すぎるって!
「そんなの駄目に決まってるじゃん!今から桜花君と一つになるんだからさ。大丈夫!私、初めてだけど頑張るから!桜花君は何も気にしないでキモチよくなってくれたら良いんだよ」
一つになる!?!?!?!?
っえ良いんですか!?!?!?!?
待て待て待て、落ち着け俺、よく考えろ。なんで急に有希がこんな事するんだ!?なんかあったのか!?
「待って有希!取り敢えず一回落ち着こう?何かあったの?話、聞くからさ。一旦服着ようかっ、なっ?」
「大丈夫だよ桜花君、私は落ち着いてるからさ。それに桜花君が悪いんだよ?私たち結婚する運命なのに、他の女にうつつを抜かすなんて、よくないよね。だから、桜花君が私の事しか考えられないように既成事実を作ることにしたの」
結婚する運命!?!?
これって告白されてる!?!?!?
ってか待て、他の女?どうゆうことだ!?俺は有希以外の女子との関わりなんてないはずだけど?
「待ってって!有希!多分何か勘違いしてるんだって!とにかく、話し合おう?話し合いは大事だと思うんだよね!」
「桜花君…しらを切るなんて悲しいよ!私…聞いてたんだよ。今朝、桜花君が話してるの!」
今朝!?何か話してたっけ!?
確か今朝はトイレで結月と性癖を語ってた…いや、男子トイレの中だから聞こえている訳ない。ってことはその前?
確か教室で実家のお花見の写真を見て…待てよ…春…他の女…ってこれか!
「ちょっと待って有希!違うんだ!今朝話してたのは実家のお花見の事なんだ!」
「…っえ?」
「だから俺らの地元、北海道!ついに春が来たんだって!それで両親がお花見をやったから写真を送るって!ほら見てこれ!」
「…おはなみ……でもさっき、他の女…連絡してたっ…」
さっき?あぁ、あれの事か!
「違うって!さっきのは有希のお父さん!こっちに来るときの約束で許可なく有希の部屋に入らないって話になってたんだよ。それで"もし有希に手を出したら承知しない"って釘刺されたの。まぁ、おばさんに捕まってたけど。」
「…おとうさん…」
「だから全部勘違いだったんだよ。……だいたい、俺が彼女なんて作るわけないだろ。昔言ったよな、"俺がずっと守ってやる"ってさ。お前の事が好きなんだから…有希」
「…すき……好き……桜花君がわたしを?…」
「あぁ、俺は有希の事が好きだ!付き合って下さい!!」
…かっこつけすぎたかな?
「…うれしい…うれしい!私も!桜花君を!愛してる!付き合うっ!!」
やった!有希と付き合えるなんて!!夢みたいだ!!!
一時はどうなることかと思ったけど誤解も解けたし、めでたし、めでたしだな!
「うれしい!桜花君!両想いだね!じゃあヤろっ!!」
…めでたし、めでた…し?
日本語ってムズカシイ。