王太子に婚約破棄された公爵令嬢、父親から戦力外通告を受け修道院へ送られる・短編
――アリーゼ・バイス・サイド――
学年の年度末に行われる進級パーティー、私と王太子殿下の所属する一学年の生徒は全員参加していました。
私はその進級パーティーで、婚約者の王太子殿下から婚約破棄を言い渡されました。
壇上に登った王太子殿下のお隣には、桃色の髪と瞳の小柄な少女が寄り添っておりました。
王太子殿下の背後には殿下の側近の男子生徒が三人。さらにその後ろには大勢の男子生徒がおりました。
王太子殿下は赤い髪をかきあげ、真紅の瞳を釣り上げ私を睨んでいました。
私が婚約を破棄された理由は、私が王太子殿下のお友達のレニ・ミュルべ男爵令嬢をいじめたから。
レニ・ミュルべ男爵令嬢と言われてもどなたのことか分かりませんでしたが、殿下のお話を聞いているうちに、殿下の腕の中にいるピンクの髪の美少女のことだと分かりました。
殿下いわく、私がレニ・ミュルべ男爵令嬢の教科書やノートを破き、男爵令嬢を放課後裏庭に呼び出し噴水に落とし、また別の日の放課後レニ・ミュルべ男爵令嬢を階段から突き落としたというのです。
男爵令嬢は王太子殿下の腕に自身の腕を絡ませ、勝ち誇った目で私を見ていました。
王太子殿下の側近の三人と、三人の後ろにいる大勢の男子生徒(知らない顔ばかりなのでおそらく下位貴族のご子息)が、私に向かって罵詈雑言を吐きました。
「レニ・ミュルべ男爵令嬢が何をしたというのだ!」「もはやこれはいじめではない殺人未遂だ!」「非道だ!」「人の心はないのか! この悪魔っ!」
壇上に上がらなかった令息や令嬢もおりましたが、その方たちは面倒なことに関わるのが嫌なのか、冷めた目で私を見ていました。彼らは私を言葉でののしることはありませんでしたが、私を見る彼らの視線は侮蔑に満ちていて、私をか弱い男爵令嬢をいじめたひどい女だと言っているようでした。
味方のいない状態で私にできることはただ一つ、公爵家の名に傷をつけないよう、凛として振る舞いその場を後にすることでした。
「婚約破棄、承知いたしました」
私はそう言ってその場でカーテシーをし、踵を返しました。
踵を返した瞬間、背後から卵が飛んできて私の銀色の髪を汚しました。
その後もあちこちから卵やジュースが飛んできて、私の髪もドレスも汚れてしまいまして。
ジュースはともかく生卵など会場にはありません。
わざわざ自宅から持ってきたのでしょうか? 用意周到ですね。もったいない、あれだけの卵があれば何人の貧しい民のおなかを満たせたことか……。
生卵が降り注ぐなか、私はひとごとのようにそんなことを考えながら会場をあとにしました。
☆☆☆☆☆
パーティーの翌日、私の冤罪は晴れました。
王太子の婚約者である私には王家の影がついておりました、私の行動は全て国王陛下が把握していたのです。
私がミュルべ男爵令嬢の教科書やノートを破いたり、男爵令嬢を噴水に突き飛ばしたり、階段から突き落としたりしていないことが影の証言により証明されたのです。
第一ミュルべ男爵令嬢とはクラスが違います、他クラスの令嬢の教科書やノートを破るのは不可能です。
あの日パーティー会場で初めてお会いした方の教科書やノートを破く必要がありません。
王太子殿下は私が放課後ミュルべ男爵令嬢を噴水に突き飛ばしたり、階段から突き落としたりしていたとおっしゃいましたが、私は授業が終わるとすぐ王宮に向かい王太子妃の教育を受けていました。王太子妃の教育が終われば、王太子妃の仕事をこなし、それが終れば王太子殿下が出来なかった(やらなかった)仕事を片付ける、仕事を終えて帰宅するのは9時を過ぎていました。
私には放課後に他クラスの男爵令嬢を呼び出して、階段から突き落としたり、噴水に突き飛ばしたりする時間はないのです。
王太子殿下に婚約を破棄されましたが、ショックは受けておりません。王太子殿下との婚約は王命によるもの、私は王太子殿下に恋愛感情など抱いたことなど一度もないのです。
そもそも貴族の結婚は家同士の結びつきですから、恋愛したいなど考えたこともありません。
また別の方の婚約者になればいいと思っています。王太子殿下に婚約を破棄され傷物にはなりましたが私はバイス公爵家の長女、公爵家と縁を結びたい貴族は、傷物の私でもお嫁にもらってくれるでしょう。
どんな殿方の元にも嫁ぐ準備はできています、私はバイス公爵家の長女として、父や公爵家の役に立つ生き方をする定めなのですから。
父に執務室に呼ばれそこで聞かされた話は衝撃的なものでした。
「アリーゼお前は公爵家の長女として、お茶会に参加して何年になる」
「五歳のときからですから十一年です、お父様」
執務用の椅子に座る父は終始不機嫌な顔をしていました。
父は私と同じ銀色の髪、セルリアンブルー(わずかに緑がかった濃い空色)の瞳をしています。
「つまりお前は五歳からお茶会に参加していたのにもかかわらず、味方になってくれる友を一人も作れなかったということだな?」
「それは……」
「いくらお前が学園での勉強と王太子妃教育で忙しく学園の噂話に疎かったとしても、子供の頃に開かれたお茶会で友人を作っていれば、それとなく王太子の動向を教えてくれた者がいたはずだ。だがお前は進級パーティーで王太子に断罪されるまで王太子が浮気していた事にも気づかなかった、お前に王太子の動向を教える者の一人もいなかった」
返す言葉がありませんでした。
「レニ・ミュルべという娘は男爵家の庶子だそうだ、男爵家に引き取られたのが二年前、学年に入ったのが一年前。貴族の世界に入って二年、本格的に貴族と交流を持ってたった一年で、大勢の貴族の令息を籠絡し、王太子の側近を味方につけ、王太子の心を射止めた」
進級パーティーでミュルべ男爵令嬢の後ろにいた、王太子殿下の側近、大勢の下位貴族の令息たちの顔を思い浮かべました。
私が5歳からお茶会に参加しても得られなかった彼らの心を、ミュルべ男爵令嬢はたった一年でつかんだのですね。
「お前はお茶会デビューして十一年、王太子の婚約者になって六年、いったい何をしていた?」
「申し訳ありません、お父様」
王太子殿下の婚約者になってから六年、王太子殿下とは何度もお茶会をご一緒したのに、お心を得ることは出来ませんでした。
王太子妃教育や王太子妃と王太子殿下の仕事が忙しかった……と言うのは言い訳にはなりません。
「もういい、お前は社交界には向いていない修道院に行け」
「お父様、私はどこかの貴族の家に嫁ぐのではないのですか?」
王太子殿下に人前で婚約破棄され傷者にされたとはいえ、腐ってもバイス公爵家の長子、政治的な使い道はあるはずです。
「何度も言わせるな、お前は貴族社会での生活には向いていない、よってお前の修道院行きは決定事項だ」
「はい……お父様」
私は政略結婚も出来ないのですね、父に貴族として戦力外通告されてしまいました。
☆
翌朝少ない荷物をボストンバッグに詰められ修道院行きの馬車に乗せられました。
父は見送りにも来てくださいませんでした。
父は私が王太子殿下に婚約破棄されたことを、相当怒っているようです。
☆☆☆☆☆
――王太子べナット・ブリッツ・サイド――
「べナットお前を廃太子し、王族の戸籍から名前を抹消し、北の塔に幽閉処分とする」
アリーゼ・バイスとの婚約を破棄した一カ月後、父上に謁見の間に呼び出された。
そして言われたのが、今の言葉だ。
「父上! 俺は父上の長子ですよ! しかも父上には他に子供はいないのですよ! その俺を廃太子にするのですか?! 王族の名簿から名前を削除した上に北の塔に幽閉するなんてあんまりです! お考えなおしください!」
「そのとおり余にはお前しか子供がいない、王妃に十年子が出来ず五人の側妃を娶った。側妃の一人、子爵家出身のマディがお前を生んだ、他の側妃は子を宿すことはなかった、その意味が分かるか?」
「俺はやっと授かった大切な王子ということでしょう?」
「違う、お前の母親は力のない子爵家の出身だということだ」
「父上、それはどういう意味でしょうか?」
「母親の実家に力がないゆえ、最も力のある貴族のバイス公爵家の長女とお前を婚約させた。全てはお前を王太子にするためにしたことだ。それなのにお前は男爵令嬢と浮気した揚げ句、アリーゼに冤罪をかけ人前で断罪した」
「だって、レニがアリーゼにいじめられたって言ったから……まさか全部レニの嘘だったなんて……」
あの可愛らしいレニが嘘をつくなんて、夢にも思わなかった。
「レニ・ミュルべ男爵令嬢との付き合いは何年だ?」
「入学式に迷子になっていたレニを助けたのが縁で付き合い始めたので、約一年です」
「アリーゼ・バイス公爵令嬢との付き合いは何年になる?」
「俺の五歳の誕生日パーティーで出会って、十歳で婚約したので、出会って十一年、婚約して六年です」
「つまりお前は婚約者がいるのにも関わらず出会ったばかりの女と浮気した。付き合いの浅い浮気相手の言葉を鵜呑みにし、事実確認もせず、長年の付き合いがあるアリーゼを一方的に断じた、そういうことだな」
「そんな言い方……しなくても」
そんな言い方されたら傷つくな。
「こたびの一件で、バイス公爵はお前の元を離れ王弟派に与した」
「はっ?」
バイス公爵のやつ、ちょっと娘に冤罪をかけただけで俺を裏切ったのか?
「分かりました謝ればいいんですよね? アリーゼとバイス公爵に頭を下げて、アリーゼに婚約者に戻ってもらいます、気は進みませんがこうなっては仕方ありません」
適当に謝罪してアリーゼを王妃にして、アリーゼには仕事だけさせればいい。それでレニを側室にして、レニといちゃいちゃしながら遊んで暮らそう、我ながら名案だ!
「愚か者! もはや手遅れだ! バイス公爵は王太子派に与していた貴族を全て引き連れて王弟派についたのだ! お前がバイス公爵とアリーゼに土下座して謝ったところで、バイス公爵は二度とお前の派閥には戻っては来ない! アリーゼがお前の婚約者になることもない!!」
「えっ?」
バイス公爵以外の貴族も叔父の派閥についた? バイス公爵は俺(王太子)の派閥に二度と戻って来ない? アリーゼが俺の婚約者になることもない?
「馬鹿面している場合ではないぞ、お前の母親の身分は低く母方の実家はお前の後ろ盾にはならない。唯一の後ろ盾だったバイス公爵はお前を見限り王弟派についた、お前に残されているのは母親譲りのその美貌だけだ」
「ほへっ? 今褒められました?」
自分で言うのもなんだが、俺は母親譲りの赤い髪に赤い目の中性的な容姿の美少年だ。父上は銀髪に紫眼でいかつい顔をしている、俺は父上に全く似ていない。
「褒めていない、いつ王弟派が謀反を起こし王宮に乗り込んで来るか分からない状態だ。謀反が起これば民は動揺し、内政は乱れるだろう。諸外国に付け込まれる隙を与える訳にはいかぬ、お前を廃太子し、除籍した上、塔に幽閉するのが一番良い解決策なのだ」
最初の話に戻ってしまった。
「待ってください父上! 俺を支持する貴族もいます!」
「お前の側近をしていた三人と、お前の浮気相手のミュルべ男爵家と、学園の進級パーティーでお前の後ろで喚いていた下位貴族の子息の事を言っているのか?」
「そうです、あいつらなら俺の盾になってくれます」
「お前の側近は全員実家から勘当されたよ」
「えっ?」
「奴らは勘当されて当然だ、お前の浮気を放置し、お前の愚行を止めなかった。奴らの父親は弟や従兄弟に爵位を譲り隠居したよ」
「そんな……! 学園で俺を持てはやしていた下位貴族の令息たちは……?」
「王弟派には全ての上位貴族が与しておる、下位貴族では相手にならんよ。お前が味方だと思っていた下位貴族の令息たちはアリーゼの罪が冤罪だと分かるや否や皆勘当されたよ、彼らの父親は即日バイス公爵家に謝罪に行っている、全員バイス公爵に門前払いされたがな」
「ではレニは……!?」
「レニとかいう娘とミュルべ男爵は、公爵令嬢に冤罪をかけた罪で捕らえ処刑し、家を取りつぶした」
「そんな! レニはもうこの世には……!」
俺は膝から崩れ落ちた。
「全て男爵令嬢のせいとは言わぬ、だが息子を廃太子とする原因になった女とその親を、余は父親として許せなかった。とてもではないが生かしておけぬ」
「父上……! そんなに俺を廃太子にすることに心を痛めているなら、叔父上を討ちましょう! そうすれば……俺は」
「無駄だ、弟とその派閥の貴族の持つ私兵の数は城の近衛兵の数を上回っている、先ほども言ったであろう? 諸外国の動きも気になる時期だと、内乱を起こしてる場合ではないのだ!!」
父上に一喝されてしまった。
「衛兵! べナットを塔に連れていき幽閉せよ! 暴れるなら手荒に扱っても構わん!」
「「承知いたしました!」」
「父上ーー!!」
泣き叫ぶ俺の両脇を衛兵が押さえ、玉座の間から連れ出した。
父上の顔を見るのはそれが最後になった。
「許せ、息子よ……」
父上が俺のいなくなったあと、玉座で涙を流していた事を俺は知らない。
俺は北の塔に幽閉された、いつ叔父上から毒杯が送られてきても不思議じゃない……そんな状態で正気を保つのは至難の業だ、俺は徐々に心を病んでいった。
思い出すのはレニの愛らしい顔だけ。可愛い女の子に恋して、その子の言うことを信じただけなのに……それがそんなに悪いことだったのだろうか? 俺には分からない。
俺は生まれる前から罪を犯していた事を、王になる資格すらないことを知るのは、叔父上から毒杯を賜るときだった。
そのときになってアリーゼに心から侘びたいと思っても、俺にはその資格も機会もなかった。
☆☆☆☆☆
――王弟ウィリアム・サイド――
「兄上は何か誤解している、べナットが王族の血を引いていれば僕は謀反など起こさなかったのですよ」
それはべナットが廃太子にされた翌日、現王が王位を王弟ウィリアムに譲る日の話。
玉座の間で王と王弟とバイス公爵は、人払いをして三人で会話していた。
「父親の遺伝子を一ミリも引かない、真っ赤な髪に真っ赤な目の赤子を、王の子だと言われ兄上は信じたのですか?」
国王も王弟も銀色の髪に紫の瞳をしていた。先代の国王もその前の国王も銀髪紫眼だった。
王族の血を引くバイス公爵も銀髪、目は青いが顔立ちは国王や王弟に似ていた。
「王妃との間に十年も子が出来ず、側妃を五人も娶った、他の四人の側妃は懐妊しなかった。唯一懐妊した元子爵令嬢が生んだ子は王とは似ても似つかない顔立ちで、王家の色を持っていない」
「それは……」
国王は言いよどんだ。
「王太后はおそらく兄上は子供が出来ない体だと重臣たちに知らしめたかったのでしょう、王の子を生む目的で集めた令嬢が高位貴族の娘ではなく、五人とも下位貴族の娘であったのもそのためですね。
王太后は子を作れない王に高位貴族を嫁がせ、娘たちの人生を棒に振らせるのを悪いと思ったのでしょう。
その点下位貴族なら王家と縁が出来るだけでメリットがありますからね、罪悪感も少なくて済む。
五人も側妃を娶っても兄上には子が出来なかった、だから次の王は王弟である僕にする…………王太后は側妃を娶った一年後、そう発表する予定でした。
だが予定に反して子爵家出身の側妃が身籠った。王太后は側妃の妊娠を喜び、生まれてきた子を見ることなく亡くなりました」
国王は黙ったままうつむき手を強く握っていた、国王の手は小刻みに震えていた。
「もともと子ができると思っていないから、側妃への監視がゆるくなっていたのでしょうね、このような不正がまかり通るとは。
兄上もべナットが自分の子でないと疑っていたのでしょう? だから王家の血を引くバイス公爵家のアリーゼと結婚させ、べナットの子に王家の血を混ぜようとした。
バイス公爵もアリーゼも王家の色である銀色の髪をしている、王家の血が薄まったので目は青い色だが、全く王家の血を引かないべナットよりはまし、僕はそう考えていた。
ところがべナットは男爵令嬢に現を抜かし、アリーゼと婚約破棄した。このとき僕はべナットを王にしてはいけないと思いました。結果的に兄上から王位を奪うことになりましたね」
世間的には国王は弟に廃位に追い込まれたのではなく、弟に円満に王位を譲ったということになっている。国内で王位を巡る争いが起きれば、民は動揺し、政治は混乱する、そこを他国につけこまれては困るからだ。ゆえに国王は弟に王位を譲る英断をした。
「余の命を持って懇願する、息子のべナットの命だけは……」
国王は弟ウィリアムに頭を下げた。
「血がつながってなくても息子は可愛いですか? 甘いですよ兄上、べナットは初めから存在してはいけない子だったんです、毒杯からは逃れられません」
「そうか……」
国王はそれ以上何も話さなかった。
べナットの母マディは廃妃となり、即日処刑された。マディの実家のムーレ子爵家は取りつぶされた。
べナットの父親は分からずじまいだ。
廃妃マディが処刑された一カ月後、べナットの元に新国王となったウィリアムが訪れ、べナットは毒杯を賜った。
☆☆☆☆☆
――新国王ウィリアム・サイド――
北の塔に赴きべナットに毒杯を渡した帰りだった。
バイス公爵に会ったので、僕の私室に案内した。
「バイス公爵が王弟派についてくれるとは思いませんでした」
身内の恥をさらしてでも僕はバイス公爵は仲間に引き入れたかった。
「王弟殿下は……失礼いたしました、国王陛下は娘を政治利用しないと約束してくださいましたから」
「バイス公爵はアリーゼ嬢のことがよほど大切と見える」
「あの子は勉学や語学は得意なのですが、他者とのコミュニケーションや社交が苦手でして、貴族社会には向いてないと判断いたしました。
あの子は貴族社会にいたら苦労しかしない、しかしバイス公爵家に生まれた以上政治的なしがらみから逃げられない。なので国王陛下におすがりしたのです、味方になる代わりにアリーゼを自由にしてほしいと……。
アリーゼには修道院で無邪気な子供たちに囲まれ、裏表のない民とともに笑って暮らしてほしいのです」
そう言ったバイス公爵の顔は鬼宰相と言われる貴族の顔ではなく、父親の顔だった。
「バイス公爵、その事をちゃんとアリーゼ嬢に伝えましたか?」
「いいえ」
「一度きちんと話し合った方がいいですよ、おそらくバイス公爵の思いはアリーゼ嬢に届いてないと思うので」
「なんとっ?!」
バイス公爵は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
バイス公爵は、普段は優秀だがアリーゼ嬢のことになるとポンコツになるようだ。
――終わり――
最後まで読んで下さりありがとうございました!
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連載版「王太子に婚約破棄された公爵令嬢、父親から戦力外通告を受け修道院へ送られる〜修道院で待っていたのはもふもふ聖獣に溺愛される日々でした」 https://ncode.syosetu.com/n8995hi/ #narou #narouN8995HI
この作品の連載版をアップしました! 修道院に送られたアリーゼのその後が描かれております。こちらの作品も合わせてよろしくお願いします。