第9話
「よし、ではイニシエーションを開始する! まずは二人で何処かに食べに行くぞ。ミクル、何を食べたい?」
「う~んと…じゃあ、ハンバーグ~。」
電波など混入する事がない、打てば響く普通の反応! 普通の対応‼ これですよ、これ‼
それに、何とも可愛いチョイスじゃないか!
よし、ならば!
「ハンバーグだな? よし、良い店を知っているから、連れてってやるよ。」
「どんな店だろ? ちょっとドキドキするよ。」
しばし歩き、目的地に着く。
豪奢さは無いが、ファミレスと違って落ち着いた雰囲気のする中堅どころの店だ。
「うわ…ここ高いよ? 大丈夫、お兄ちゃん?」
店の前のボードに書かれている値段を見て不安そうな声が発せられる。
しかし、都合の良い事に、今日は残弾がタップリ有る。
「心配するな、今日は余裕が有るんだ。ガシガシ食って構わないからな。」
この狩り場クラスなら少しばかり的が多くても撃ち漏らす事は無いはずだ。
ミクルちゃんは『良いのかなぁ?』という顔で店の中に付いて来る。
店員さんに案内されてカウンター席に横並びに座る。
ミクルちゃんは浄解しっぱなしなので横並びに為らざるを得ない為、テーブル席だと座席が無駄に余る事になるのでカウンター席でも不満は無い。