表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/98

ペット

「遊んでいると言いますか、遊ばれているようにしか見えなかったのですが……?」

「き、気のせいです。 さすがの俺でも女子小学生如きに遊ばれるわけがないでしょう? あははははは」


 何という事だ。


 この俺が女子小学生と戯れている光景を朝霧さんに見られていたようである。


 因みに女児や児童、女の子などと言わないのは、そちらの方が女子小学生という響きよりも、子供に良いように揶揄われているように聞こえるからである。


 女子小学生ならば、まだ『学生』という風にも捉える事もできる、ような気がする。


 しかしながらそんな俺の子供騙しのような精一杯の背伸びや見栄など朝霧さんには通用する訳もなく訝しげな視線で見られる。


「えいっ!」

「とうっ!」

「やぁっ!」

「ひぃっ!? やめっ! ひゃぁああっ!?」」


 そしてそんな俺の精一杯の背伸びは女子小学生の、不意の抱きつき攻撃によって脆くも崩れ去ってしまった。


 女子小学生如きに抱きつかれただけで女性のような悲鳴を上げて腰を抜かすような光景を見られては流石に言い訳のしようもない。


「こらーっ! お兄さんが怖がっているでしょうっ!? 君たち、やめなさいっ! それにここは交通量こそ少ないものの道路なんだから、道路でそんな事をしてちゃ危ないでしょうっ!?」

「えぇーっ!?」

「怖がってないもんっ!」

「というか、おばさんこそ誰よっ!? お兄さんの何なのっ!?」

「おばっ……が、我慢我慢。 相手は小学生。 所詮は子供の言う事」

「お兄さんもおばさんと遊ぶよりも、私たちと遊ぶ方が良いいよねっ!」

「おばさんと違ってピチピチだよっ!」

「おばさんはあっち行っててっ!」


 一体どこでそんな言葉使いを覚えたのか? と思うような言葉使いで女子小学生達は朝霧さんに反抗的な態度で応戦する。


 いつだったか、女性はいくつになっても女性だし、自我を持ち始めたその時から女性であると言う言葉を聞いた事があるのが、確かに女子小学生といえどもその風格は立派なレディーのそれであった。


 だからこそ俺はビビったのであって、決して小学生にビビった訳ではないのだ。


「い、言わせておけば……」


 その証拠に朝霧さんも大人の余裕というものが剥がれ落ちているのがその表情からも見て取れる。


 そして次の瞬間朝霧さんはそう天高らかに叫ぶと女子小学生を押しのけて俺に真正面から抱きついて来るではないか。


「わ、私は新谷さんのご主人様で、新谷さんは私のペットなのよっ!!」

「はいっ?」


 いや、まぁ、確かに今の俺は見方によっては朝霧さんのペットです……はい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ