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女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


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とんでも理論

 その日は弁護士事務所があるビルの中の一室にて関係者が一同集まっていた。


 関係者として呼び寄せた人物は、一旦元嫁と間男、義理両親と俺両親の計九名である。


 ちなみに俺実家は確かに怒ってくれてはいるものの、基本的には怒りが四、野次馬が六といった感じだというのが何となく伝わってくる。


 それでも、かなり怒っているのは確かなので制裁が上手くいかず、今日中に決着をつける事ができず後日に流れてしまうなくなるような馬鹿な事は、いくら普段おちゃらけている母親出会ったとしてもこちらからはしでかさないと思っている。 しでかさないと思う。 しでかさないよな? 母さん?


 母さん、頼むから黙っていてくれよと心の中で祈りながら指定された指定された部屋に通され、俺と俺の両親が用意されたパイプ椅子に座る。


 部屋の中はまさに会議室と言った感じの部屋で、北側にホワイトボード、南側は窓があり、北側の両端が出入り口で廊下につながっている。


 その部屋の真ん中には間を開けて長机が3台横に二の形で置かれ、パイプ椅子が俺側三脚、相手側に六脚用意されていた。


 そして、その部屋でパイプ椅子に座り待つ事三十分ほど。


 約束の時間から二十分程遅れてまずお嫁と義理両親が、ついで間男と間男両親がやってくる。


 奴らが来たことは部屋を入らずともその騒々しさで丸わかりであったほどだ。


「で、名誉毀損と誹謗中傷で私たちには慰謝料としていくら払ってくれるんだ?」


 そして開口一番に慰謝料の話をし始めたのが義理父であった。


 そもそも俺が雇った弁護士により勧められる話の場で、なぜ俺が慰謝料を払う事になるのかまったくもって理解し難いのだが、義理父は俺が慰謝料を払うのが当たり前であり、今日はその慰謝料の減額の話で集められているのだと、その後もグダグダと話す持論からも分かる。


 しかしながら、その義理父の持論を聞けば聞くほど頭が痛くなり、今までどうやって生きてきたのかと思いたくなるほど常識も価値観もズレた発言により、集まってからまだ十分も経っていないにも関わらずげんなりしてくる。


 しかしながら、そういう常識のかけらも教養もない奴らであるということは事前に分かっていたため、こんなことで俺のやる気が削がれるという事はない。


 むしろそのとんでも理論を捲し立てる義理父のおかげで逆にやる気が上がっていくほどである。


「では、皆さんが揃ったようなので、これから話し合いをしましょうか」


 そして、弁護士さんが全員席に着いた事を確認すると義理父の話を遮って、話し合いを始める旨を告げる。

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