表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/98

金銭感覚

 そして数ヶ月間の浮気や無駄使い、そして俺への経済DVの証拠を集め終えたので、弁護士からのお墨付きも貰った俺は間男宅、自宅、義理実家へ内容証明を送る事にする。


 内容証明が届くまでに俺は少ない荷物を纏めて元嫁には出張と嘘をつき、家を後にする。


 そもそも付き合い始める、そして結婚してからも出張などした事がないのだが、元嫁は怪しむ事をする素振りすら見せず、むしろ嬉々として喜んでいたようにも見える。


 きっと、これで間男を自宅に呼べるとでも思っているのだろう。


 ちなみに間男には会社の方で俺は昇進のために出張という嘘の通達をしてもらっている。


 そん時の上司の、まるで苦虫を噛み潰したような顔は傑作であった。


 これからは俺と同等、下手をすれば追い抜かれるかもしれないと思っているのが手に取るように分かり、そしてやはり有る事無い事俺の悪い噂を流し始めているようである。


 俺が今までなかなか昇進しなかったのにはこういう背景があったんかと思うとやるせないと思う反面、今回の昇進は間男である上司のお陰でもあるので自業自得であろう。


 交わした内容といえば今回の事を外部に漏らさないという会社側の要求と共に俺の昇進と上司の懲戒解雇で手を打たないかと言われて、俺がそれに承諾した形である。


 しかしながら俺は勿論外部には漏らしはしないのだが、人の口に戸は立てられないとも言うし、その件に関しては俺は預かり知らぬ事である。


 今まで見て見ぬふりをしていたことも調べはついているのでそれで信用第一であるこの会社がどうなると知ったことでは無い。


 そして、俺は表向き出張、中身はほぼ有給という名の小旅行へと旅立つ。


 勿論ほぼ有給といえど少しばかりの仕事はあるので先方の挨拶周りを小一時間ほどで全て済ませ、あとは一人でゆっくりと観光地巡りである。


 今日は内容証明が届く日でもあり給料日でもある為俺は早速ATMへと向かい五万程下ろしてくる。


 ちなみに給料の振込先は当然の如く変更しており、さらに他の銀行口座は引き落とせなくしており、クレジットカード類も全て本日づけて停止からの再発行手続きは済ましている。


 あの元嫁と上司に豪遊させるために働いてきているわけではないので、一円たりとも今日限り渡すつもりはない。


 そして、俺は手元の五万円を見て、あまりの大金に罪悪感を感じる。


 たかが五万円を下ろすという行為に、である。


 その事に、いかに俺の金銭感覚が狂わされ、元嫁に洗脳されていたのかというのが分からされる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ