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女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


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母性を感じる

「新谷さん、準備はできましたか?」

「ええ、大丈夫ですよ。 おまたせしました、行きましょうか」

「は、はいっ!!」


 そんな事を考えつつ、今は朝霧さんを待たせてまっている為、とりあえず考えることは放棄し外出の準備を終わらせると玄関で待つ朝霧さんのところへ向かう。


 ここ最近は何だか朝霧さんが俺を見る目が変わったというか何というか、言葉ではうまく言い表せれないのだけれども、何故だか『母親目線』のような視線を感じる時が多くなったような気がしないでもない。


 もしくは、朝霧さんから母性を感じると言った方が良いのかもしれない。


 朝霧さんの俺を見る目が変わった事を敏感に感じ取った俺は、一瞬だけ『まさか俺の事を好きになったのでは?』と思い、言い知れぬ恐怖感に襲われそうになったのだが、その変化が『お母さんみたいに感じるようになった』と分かった俺は心の底から安堵してしまう。


 結局の所朝霧さんは俺の事を男性としてではなく、庇護の対象として見ているという事なのだろう。


 それは子供やペットなどに向ける視線であり態度である為、間違っても俺のことを異性として見ているという事ではないという事であるのだ。


 正直言って異性として見られていたらと思うと想像しただけでゾッとしてしまう自分がいる。


 いち男性の立場からずれば異性としてではなく子供やペットのように見られる事を『屈辱的』だとか『ショック』だとか感じる方もいるであろうし、むしろそう思うのが当然だろう。


 いや、男性でなくとも女性も大人ならばそう思うのが当然だと俺は思う。


 しかしながら今の俺はそれが耐えられないのであるのだから仕方がない。


 そして、そんな一人で外にも出れないような、公共交通機関を使うと恐怖からしがみついてしまうような俺を、一人の成人した男性として見ろというのはどだい無理な話なのである。


 少し考えれば誰でもわかる事ではないか。


 むしろ少し考えれば誰でも分かる程に、今の俺が朝霧さんから異性として見られる訳がない、という事実に俺は更に朝霧さんへ依存してしまいそうになる。


 もう、心のままに依存した方が楽なことも知っているのだが、俺は恩を仇で返すような人間にだけはなりたくない。


 そう思うながら朝霧さんと一緒に外に出て、お化け屋敷に入った子供のが親にしがみ付くが如く朝霧さんにしがみつきなが、いつも通っているコンビニより向こう側へ行くのであった。






 今日は新谷さんと少し遠くの大型スーパーマーケットへ行く事になっている。

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