先輩
ただ単に私が子供過ぎただけだって事じゃない。
…………ならば、少し前の私は、側から見れば小学生が背伸びして高校生相手に愛だの恋だのと、とっくの昔に体験した初恋について選ぶって子供扱いを心の中でしていたという、至ってシンプルで簡単な話だったのだ。
そりゃ、他の人からすればとっくの昔に通った道なので私の態度から、いった私があの時どのような感情であったのかはバレバレであったと。
……あぁぁぁあああっ!! とっても恥ずかしい事じゃないのよぉっ!!
「あ、あれ多分気付いたわね」
「意外と早かったね。 お母さんの事だからもう少し遊べると思ったのに。 たった一日で気付くとは思わなかったわ」
「き、気付いてたんなら言ってよぉーっ!」
全く、友達を何だと思っているのか、この二人は。
一度この二人には私についてどう思っているのかしっかりと話し合う必要があるみたいである。
「いや、あの時のお母さんには何を言っても無駄だったでしょう?」
「それに、友達だからこそ、あえて厳しくしてるのよ」
「ま、まぁ……そう言われると言い返せないけど。 そ、それでも諭してくれるのが友達というか……」
何だか千秋と美奈子にいい感じに言いくるめられている気がするのだが、二人と喧嘩をしたい訳ではないのでここは私が言いくるめられて終わるのが一番いいのであろう。
でも、だからと言ってタダでは起きないのが私である。
「じゃ、じゃあこれからは私の恋愛相談に乗ってくれたりとか……してくれても良いかな?」
どうせ黒歴史として語られてもおかしくない程の事をしでかして、恥ずかしいという感覚が麻痺している今の内に二人へ私の恋愛相談に乗って欲しいとお願いしてみる。
恐らく恋愛相談のお願いなど普段ならば間違いなく恥ずかしくてできないだろう。
「むしろウェルカムよっ! 何なら今相談してくれても良いわよっ!!」
「毎日する? てか普通にお母さんの恋愛相談の内容って興味心身なんだけどっ!!」
そして、この二人に恋愛相談をするのは少しばかり早まったかなーと思うのであった。
◆
おかしい。
この私がここまで調べているのに新谷先輩の事を見つける事ができないなんて絶対おかしい。
しかしながら実際に新谷さんが今どこにいるのか全くと言って良いほど足取りが掴めない現実に私は心が折れそうになるどころか逆に燃えてくる。
先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩。
こんなに想っているのに。




