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女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


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幸せだと、きっと思える


「あ、今想い人と一緒に行けたら良いなとか思ったでしょっ!?」

「おっ、思ってなんかいないよっ!?」


 あ、危ないところだった。


「今度、教えなさいよ」

「いや、だから……そんなんじゃないってばぁっ!!」

「またまたぁっ」

「顔にガッツリ『私、今恋してるの』って書いているのによくしらばっくれるわね」

「そ、そんな事ないよう。 いつ恥ずか通りだよ?」


 しかし、私の友達は何でこんなにも鋭いのだろう?


 今回も何とか誤魔化すことができたのだが、これがいつまで通用するかわからないのでそろそろ何かしらの手を考えなければならないのかも知れない。


 って、これでは私が新谷さんの事を好きみたじゃないっ!! 


 違う違う違うっ! 新谷さんはそんなんじゃ…………。


 でも、いろんな意味で気になっているのは確かなわけで……。


 もし、私と新谷さんが付き合ったらどうなるんだろう?


 楽しい毎日が続くのだろうか? それとも、想像できないような毎日だろうか?


 想像をして見るのだが今一ピンとこない。


 でも、ただそばにいてくれるだけで、それだけで私は良いと思う。


 何かをして欲しいだとか、買って欲しいだとか、行きたい場所だとか、そういうのは想像してみたのだけれども、特に無かった。


 ただ、新谷さんが手の届く距離に居てくれれば、それだけで私は幸せだと、きっと思えるのだから。


 あ、そうか。


 そう思った時私は何で今心がざわついているのか分かった気がした。


 もし、このまま新谷さんの女性嫌いと心の傷が治ったら、新谷さんはきっと私の元から去っていくのだと、無意識のうちに私は気づいていたのではないか?


 だから私の心はざわついていたのだ。


 でも、それを知ったところで新谷さんが良い方向へ進んでいる現状を邪魔したくない。


「カラオケッ!! 早くカラオケに行こうっ!!」

「お、やりきだねぇ。 お母さん」

「お母さんが行く気満々って珍しいわねっ! これはテンション上がってきたわぁっ!!」


 もうこうなれば、カラオケで歌ってストレス発散しながら、考える事をやめてしまおうっ!!


 なるようになるっ!! だ。


 そして私は久しぶりにカラオケを、声が枯れるまで堪能するのであった。





 盗み聞くつもりなど無かった。


 けど、好きな人の声は聞くつもりが無くても自然と耳に入ってくるわけで。


 そして聞こえてくる、好きな人の好きな異性の話。


 つい最近までは友人から似たような事で辛いと言われてもいまいち分からなかったのだが今ならスゲー分かる。


 痛いほど分かる。


 あれは確かに、辛い。

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