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女子高生、サラリーマンを拾う  作者: Crosis


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19/98

態度と顔に全て出てる

「あんた態度と顔に全て出てるのよ。 バレバレよ。どうせ昨日言ってたお母さんの気になってる異性の事の話でしょ? さっきのペットの話。 まぁお母さんは頑なに気になる異性っていうのは否定するんだろうけれど顔が真っ赤なのよ。 それで、誰なの? 私達のお母さんを横から掻っ攫おうとしている泥棒は?見つけ次第ぶっ飛ばしてやるわっ!」


 そう一気に千秋が捲し立てると隣にいる美奈子が「そーだっ! そーだっ!」と首を大きく縦に振る。


 それと同時に何故かクラスの男性達がソワソワし出し、私達の会話を聞き逃さまいと聞き耳を立てているように見える。


「そ、そんなんじゃないからっ!!」

「だから顔真っ赤じゃん。 美奈子さん、やっておしまいなさいっ」

「これはもう吐くまでくすぐりの刑だっ!! うりゃうりゃうりゃーっ!」

「あっ、こらっ! ……んっ、や、やめてってばぁっ!! が、我慢できな……っ、あひゃひゃひゃっ! やめっ、ひぃーっ、も、お嫁行けないっ!!」


 確かに新谷さんの事を犬に見立てて誤魔化して話してはいたのは確かなのだが、気になるには異性という点に関しては嘘は言っていない……筈である。


 にも関わらず千秋が私を羽交い締めにすると美奈子が私を無実の罪でくすぐり始めるではないか。


 冤罪も良いところだ。


 そして私は我慢出来ずにはしたない声を上げて笑ってしまい、その声が教室中に響くのであった。






「なあ渡部、お母さんのあの話、お母さんに好きな人が出来たって本当だろうか?」

「知らねぇよ。 気になるなら本人に直接聞けば良いだろ? てかこの話何回目だよっ!」


 今日だけでこの話を何回振られただろうか?


 それだけお母さんという愛称で呼ばれている朝霧真緒には隠れファンが多い証拠であろう。


 お母さんと呼ばれる程の包容力はさる事ながら、それを更に強化する大きな胸に少しだけふくよかな身体から醸し出されるほんわかした雰囲気、そしてタレ目気味の大きな目に泣きぼくろ。


 確かに俺から見ても魅力的な女性である。


 そして今回の噂、お母さんに好きな人が出来たかもしれないという噂は女子だけではなく男子にも衝撃を与える事となった。


 それと同時に誰が隠れお母さんファンかが明るみになったのだが、まさか俺の友達である高井哲治までもが隠れお母さんファンだったとは思いも寄らなかった。


「冷たいねぇ、昌弘は。そんな昌弘には好きな異性の一人や二人いないのかね」

「今は居ないしいても一人だ馬鹿野郎。 あと気持ち悪いから下の名前で呼ぶんじゃねぇ」


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