「批判」「批評」、こんな形も良いのではないでしょうか?
2018/07/09 誤字修正
ここまで感想欄について思うことを、「感想」「より良くするための意見」「批評」「揚げ足取り」、そんな言葉を使って、書いてきました。
私は最近、「【自作ダメ出し】最近執筆した元0pt作品、読まれて満足したけど、次話執筆に向けてなおも振り返りつつ、創作について語ってみる」というエッセイで、実に興味深い感想を頂きました。
エッセイの内容は題名の通り、公開当時0ptだった短編小説を題材にした創作論なのですが。まあ、自分の作品に対して「ダメ出し」をしたという内容です。
このエッセイの感想欄に、感想と一緒に、元ネタとなった短編小説の批評を頂いたのです。その時にふと思ったのです。
――自分自身で作品の批評をすれば、その批評への感想という形で、様々な意見を頂けるのではないか、と。
例えば、完結した作品を改稿する前に、振り返って、どう修正するのかを整理するために、一度、自分の作品を自分で批評して、良い点、悪い点を明確にしてみる。
改稿したいと思う以上、どこか、納得していない部分があるはずです。何故それが納得できないのか、意見を求めても良いかもしれません。
そのために、まずは今の作品を要約し、分析し、良い点と悪い点を明確にする。その作品で表現したかったことは何か、伝えたかったことは何か。それは上手くいったのかを考えてみる。
世界は魅力的か、キャラは魅力的か、説明やストーリーに過不足はないか。個性を出そうとして読者を置き去りにしていないか、普遍性に偏りすぎて退屈でないか、考えることは山ほどあるはずです。
そういったことを一つ一つ考えて、文字に起こす。そして、それを人に伝わるように整理し、できるだけ多くの人に伝わるよう、丁寧に、言葉を重ね、批評としてまとめあげる。
批評というのは一つの作品であるべきです。読んだ人が、その作品を読まなくても楽しめるように書くべきです。
また、どこが良い点なのか、どこが悪い点なのか、読む人に伝わるように書かなくてはいけません。あくまで、書きたいものを書くための批評です。良否を主観で判断しても良いと思います。ですが、自身の持つ価値観は、読者に伝わるよう、丁寧に説明すべきだと思います。
そうやって、自分の創作に対する姿勢を見つめなおして、自分の作品と向き合った批評を見て、読者はどう思うでしょう。
これから改稿をするために自分を見つめなおした結果が、一つの作品として置かれている。これは、読者が批評をする上で、この上ない情報になるのではないでしょうか。
そして、その作品は、これから書き始めるのです。これは、作者としては、読者の意見を最も受け入れやすいタイミングではないでしょうか。
それは同時に、読者から見れば、最も気兼ねなく、自分の意見を言うことができる、そんなタイミングでもあると、そう思います。
完結後の改稿を例として上げましたが。他にも、自己批判をしても良い場面はあるかもしれません。
例えば、どうしても先を書くことができなくなってエタってしまった作品を、もう一度最初から書き直してみるとか。長期連載に対し、節目節目で振り返ってみるとか。
ただ書き続けて、批評は読者に任せる、確かにそれも良いでしょう。ですが、少しずつ歩みを止めて、自分の書いたものを振り返って、今の自分を確認するのも悪くないと思います。
批評をするためには、自分の作品を客観的に見るだけの視野が必要です。
執筆を始めたばかりの作者には、自分の作品が、他の人から見て面白いのか、不安だと思います。ですが、良い点や悪い点を判断できなければ、批評はできません。
それを判断するためにも、今までじぶんが貰ってきた「感想」を見つめなおしてください。誰かが「良かった」と言ってくれたこと、その一つ一つをもう一度見直して、なぜその人はそこを気に入ってくれたか、考えて欲しいのです。
批判や批評は、自分でもできます。ですが、自分の作品の面白さを、読者と同じ目線で感じることは出来ません。
だからこそ、自分で批評をする上では、「面白い」という感想を、まずは大事にしてください。そして、自分が何故、創作をしているのか、向き合ってください。
そして、今までもらった感想を、より深く実感してほしいのです。
そうしなければ、今までもらった読者の指摘を焼き直すだけになってしまいます。
間違っても、自分の作品で「揚げ足取り」をしてはいけません。また、批評だけして、どうすれば良いかは書かないような、無責任なことも行うべきでは無いと思います。
批評から「正しい指摘」に結びつけなくてはいけません。
作者は作品をけなしてはいけません。それは、読者に対する最大の裏切りです。その点だけは、慎重になるべきです。
ここは、作品の向上を目指すのなら、初心者が活動しても良い場所なのです。ただ、作品に対して「指摘」をする、そんな作品になります。マナーを守るべきだとは思います。
そのマナーも、運営が「感想について」に書いてくれています。批評をする際には、ここに書かれたことを、今一度、しっかりと読んでおいた方が良いと思います。
なにより、より良い作品を創りたいという想いがあれば、きっと読者も、気分を悪くしない、そう思います。
揚げ足取りと思われないよう、これでもかと、作品に対する愛情を込めれば、多分大丈夫です。
……まあ、思いつきの類ですね。ですが、考えてみても面白いかなと、そう思いまして。感想欄について自分の思うことを、少し掘り下げてみようと、このエッセイをしたためてみました。
ここに書かれた内容が、誰かの参考になれば嬉しいと思います。