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「価値のある感想」とは、どんな感想か?

 では、どんな感想をいただければ、作品の向上に役立つのでしょう。……まあ、実のところ、「感想について」に書かれていることが全てだと、私は思っています。


 最近、私はどうも執筆の方に追われていますが。それでも、たまには読者として、他の方の作品を楽しみます。そして、何がしか心が動いたときは、感想欄を使って作者に伝える。魅力的な作品には、感想を書きたいと思わせる力があると思います。こういった作品は、「良い点を中心にした感想」を書くことになると思います。


 その「良い点」ですが。「感想について」にも書かれているように、具体的に書いてもらった方が、確かに作者にとって励みになると思います。ですが、好意的な感想の価値はそれだけではないと思います。


 私が初めて作品を執筆した時、まず最初に思ったのは、この物語は「人が見ても」面白い作品なのかという、不安のような疑問でした。

 今となればわかるのですが。作者には、自分の書いた物語を、読者と同じように楽しむことはできません。それは、程度の差はあれ、今も同じです。

 読者が面白いと言ってくれて、初めて作者は、「自分の作品が、誰かにとって面白い」ことを知ることができるのだと思います。


 思うに、感想欄というのは、決して作者のモチベーションのためだけにある訳ではない。むしろ、その優先順位は低いと思います。


 どこが面白かったか、どう面白かったか、そういったことを書いていただくと、執筆する上で、この上ない参考になります。

 このキャラクタが好きだと言ってくれれば、作者は、そのキャラクタに魅力があることを知ることができます。同じように、世界観が好きだと言ってくれれば、設定に魅力があることを知ることができる。そういった感想は、間違いなく、作品の向上に寄与します。


 実のところ、単に「面白い」とだけ書かれたような感想だと、あまり執筆の参考にはなりません。……絶対に駄目とまで言うつもりは無いですし、貰って嬉しいのも確かなのですが。


 自分の作品が面白いかどうかは、他の手段でも確認できます。例えばアクセスログ。連載小説であれば、話別のアクセス数を見れば、読者が何人いて、どこまで読んだかが判断できます。ある程度の話数のある作品であれば、最新話まで読んだ人は「面白い」と思ってくれた、そう判断して良いと思います。

 他に、ポイントもそうですね。評価されれば、(多分)最新話まで読んで、面白いと思ってくれたのだなと、そう判断できます。

 他の手段で判断できる以上、単に「面白い」とだけ書いた人は、最終話まで読んでくれた人やポイントをつけてくれた中の一人がコメントを残していっただけで、それ以上の意味は、正直、見いだすことはできません。


 ……いや、せっかく感想を残してくれた人に、なんてことを言っているのかと、自分でも思います。

 それでも、「感想を書いてくれたから」という事実だけでは、感想を書かない読者よりもありがたい、そう考えることはできません。感想を残さない読者だって、一人の読者なのですから。


 逆に言えば、例え誰も感想を書いてくれなくても、評価をして、最新話までアクセスがあるのであれば、それは面白いと思ってくれている読者がいる、そう受け止めるべきだと思います。


    ◇


 そして、私にはもう一つ、感想欄に書きこみたくなるときがあります。それは、感想を書きたいと思わせる何かがありながら、もったいないとも感じるような作品です。こうすればいい作品になるのに、とか、そう言いたくなるような作品ですね。


 ただ、これは「感想」とは、少し違うと思います。どちらかと言うと「意見」と言うべき内容でしょうか。


 書かれた側としては、その意見が、自分にとって有益なものであれば受け取るでしょうし、そうでないのなら受け取らない。それは作者の自由です。

 そんなことを書くのですから、私は、受け取られないことを想定して、受け取らなくても良いよう、少し注意をして書き込むようにしています。


 作者にとって、受け取られないかもしれない、つまり有益ではないかも知れない、そんな可能性に留意しながら、それでも有益かも知れない、そんなことを思いながら書いている訳です。


 どんな作品を書きたいか、どんな姿勢で創作に臨んでいるか、それは人それぞれです。最終的には作者の主観になります。

 もしかしたら、その作者は、今自分の書きたい文章を書いているだけで、後から手直しするつもりは無いのかも知れないし、もしかしたら、単に褒められたいだけで執筆しているもかも知れません。

 私は別に、それが悪いことだとは思いません。なぜなら、ここは「意味の通じる日本語」であれば、投稿しても良いとうたわれている場所なのですから。


 ですが同時に、ここは、作品の向上のためには、批評を行なっても良いと明記された場所でもあります。


 建設的な意見を述べるためには、作者と読者の間で、共通認識が必要です。その共通認識から外れるのであれば、そのことをはっきりと伝えなくてはいけません。どこにも明記されていませんが、それもマナーだと思います。


 そして、そういったことを明記しないのであれば、良い作品を目指すべきです。そのために、読者が気になったことを指摘してもいいし、作者もそれを期待していい。

 そうしてもらった指摘を、作者は、作品に反映してもいいし、しなくてもいい。ですが、読者が作品の向上を願って指摘を書いたのであれば、その指摘に対し、作者は誠実に対応すべきだと思います。


    ◇


 丁寧に物語を読み取って、マナーを守って指摘してくれる、そういった感想を書くのは大変です。文字数以上の、物語を読み込む労力が必要になります。そういった感想には、価値があると思います。

 ですが、純粋に物語を楽しんで、どこが面白かったかを伝えてくれる、そんな感想だって、決して価値が低い訳では無い。むしろ、そういった感想には、指摘とは違う価値があって、作品を面白くするためには、どちらも必要ではないでしょうか。


 作品を楽しみ、作品の持つ面白さを伝える。必要であれば、より良くするための指摘をする。あとはマナーを守って書き込めば、その感想には等しく価値がある、そんな風に思います。

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